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GENTEN SUIMEIDO JOURNAL

四柱推命の羊刃とは?強さの星の意味と出し方、原典が陽干だけに置いた理由

刀掛けに飾られた日本刀と鍔

四柱推命の羊刃とは

四柱推命の羊刃(ようじん)とは、日干の勢いが頂点に達した地支に立つ、強さの特殊星です。日干は生まれた日の天干で、命式の主人公にあたる文字です。その日干がもっとも盛んになる地支が命式にあれば、羊刃を持つ命式です。

名前の「刃」は刑(切りつけること)を表すと、原典の小さな字の注が説明しています。「羊」の字にも注がありますが、意味が取りにくい言葉で、そこから字の意味は決められません。「陽刃」と書くこともあり、この別名の理由は後の原典の節で紹介します。

羊刃が置かれるのは、十二運でいう「帝旺」の位置です。帝旺は人の一生でいう働き盛りの頂点で、その先は勢いが余る場所でもあります。羊刃は「行き過ぎるほどの強さ」を形にした星です。

まずここだけ

十神(主人公の文字と他の文字の関係を示す星)で見ると、羊刃は劫財(ごうざい)の強まった形です。劫財は、自分と同じ五行で陰陽が逆の干を指します。原典『淵海子平』の巻五も、篇名を「羊刃(即劫財)」、つまり羊刃はすなわち劫財としています。

劫財そのものの性質は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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羊刃でわかること

この星からわかるのは、その人のエネルギーの強さと、それが行き過ぎたときの癖です。良し悪しより、強さの扱い方を教えてくれる星です。

命式に羊刃がある人

現代の四柱推命の一般的な読み方では、決めたことを最後までやり抜く人とされます。動き出したときのエネルギーが大きく、人を巻き込む力もあります。曖昧を嫌い、自分の領分をはっきり守る性格です。

裏返すと、力が余って加減がきかない面にもつながります。無理を続けてしまう、譲るべき場面で譲れない、といった形です。強さが悪いのではなく、引き際が課題となる星です。

仕事では、競争や勝負のある場、決断の速さが求められる場で力を出しやすいとされます。一人で抱え込むより、強さを向ける目標を持つと生きる星です。

注意

この星を持つから気性が荒い、争いが多い、と決めつける必要はありません。

人より強いエンジンを持っている、くらいに受け止めるのが、ちょうどよい距離です。

柱ごとの読み方

どの柱にあるかで、強さが出やすい場面が変わります。

  1. 年柱:生まれ育った家に、勢いや競争の気風がある
  2. 月柱:仕事や社会の場で押しが利く。競争のある場で力を出す
  3. 日柱:本人の芯が強い。日支にある形は「日刃」と呼ばれる
  4. 時柱:人生の後半や、後進との関わりで力が出る

月柱の羊刃は、仕事の場で強さが目立ちやすいとされます。月柱は社会での顔を表す柱だからです。人生の舞台がどこかによって、同じ強さの見え方が変わります。

大運で羊刃が巡るとき

命式に羊刃がなくても、大運(10年ごとの運)で羊刃の地支が巡ることがあります。その時期は、勢いに乗って大きく動きやすい運と見られます。一方で、無理を重ねやすい時期でもあります。

四柱推命では、命式の星と運で巡る星を重ねて見ます。もともと羊刃を持つ人にこの運が来ると、強さがいっそう前に出やすいとされます。

身旺か身弱かで働きが変わる

羊刃は自分の力を強める星です。そのため、自分の力が弱い身弱の命式では、この星が心強い味方です。反対に、もともと自分の力が強い身旺の命式では、強さが余りやすいと見られます。

身旺・身弱の見方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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羊刃の出し方

羊刃は、日干から引く特殊星です。日干ごとに、該当する地支は一つに決まっています。

日干羊刃になる地支
甲(木の陽)卯
丙(火の陽)午
戊(土の陽)午
庚(金の陽)酉
壬(水の陽)子
乙・丁・己・辛・癸(陰干)なし

調べ方の手順

  1. 命式を出し、日干を確かめる
  2. 日干が陽干なら、表から羊刃の地支を引く
  3. その地支が、命式の4つの地支のどこかにあるか見る

たとえば日干が丙なら、羊刃は午です。年・月・日・時のどこかに午があれば、羊刃を持つ命式です。自分の命式で確かめたい方は、無料鑑定で命式を出してみてください。

命式の読み方の全体像は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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表のとおり、羊刃は陽干(甲・丙・戊・庚・壬)にだけ置かれます。陰干の人に羊刃がないのは、弱いという意味ではありません。日干ごとの仕組みの違いにすぎません。

羊刃の地支には、本人と同じ五行で陰陽が逆の干が蔵されています。たとえば卯には乙、酉には辛が入っています。羊刃が劫財の強まった形とされるのは、この仕組みからです。

日刃とは

羊刃が日支(日柱の地支)に来る形を、日刃(にちじん)と呼びます。丙午・戊午・壬子の3つの日柱だけが日刃です。本人にもっとも近い位置に強さがある形として、羊刃と同じように扱います。

この位置にあたる十二運の帝旺は、こちらの記事でどうぞ。

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原典『淵海子平』が語る羊刃

四柱推命の原典『淵海子平』は、巻二「論羊刃」でこの星の定義を書いています。書き出しは物騒ですが、すぐに自分で打ち消すのが面白いところです。

原典『淵海子平』巻二「論羊刃」(YHE-J2-014)

五陽に刃有り、五陰に刃無し。故に陽刃と名づく

漢文原文

夫羊刃者,號天上之凶星,作人間之惡殺,以祿前一位是也。喜偏官七殺,喜印綬。忌反伏吟,忌魁罡,忌三合。何謂羊刃?甲丙戊庚壬五陽有刃,乙丁己辛癸五陰無刃,故名陽刃。 如命中有刃,不可便言凶。大率與七殺相似,凡有刃者,多主富貴人,卻喜偏財七殺。然殺無刃不顯,刃無殺不威,刃殺俱全,非常人有之。

書き下し文

夫れ羊刃なる者は、天上の凶星と號し、人間の惡殺と作す。祿前一位を以て是れなり。偏官七殺を喜び、印綬を喜ぶ。反伏吟を忌み、魁罡を忌み、三合を忌む。何をか羊刃と謂ふ。甲・丙・戊・庚・壬の五陽に刃有り、乙・丁・己・辛・癸の五陰に刃無し。故に陽刃と名づく。如し命中に刃有るも、便ち凶と言ふべからず。大率ね七殺と相ひ似たり。凡そ刃有る者は、多く富貴の人を主る。却つて偏財七殺を喜ぶ。然れども殺、刃無ければ顯れず、刃、殺無ければ威あらず。刃殺俱に全きは、非常の人之を有す。

現代語訳

羊刃とは、天上の凶星と呼ばれ、人の世の悪殺とされるもので、十干禄のひとつ先の位置がそれである。偏官・七殺を喜び、印綬を喜ぶ。反吟・伏吟を嫌い、魁罡を嫌い、三合を嫌う。羊刃とは何か。甲・丙・戊・庚・壬の五つの陽干には刃があり、乙・丁・己・辛・癸の五つの陰干には刃がない。だから陽刃と名づけるのだ。もし命式に刃があっても、すぐに凶と言ってはいけない。おおむね七殺と似たものだ。刃がある人は多く富貴の人となり、かえって偏財・七殺を喜ぶ。とはいえ七殺は刃がなければ目立たず、刃は七殺がなければ威がない。刃と殺の両方が揃っているのは、並の人ではない。

「凶星」と呼んだ直後に「凶と言うな」

原典は、この星を「天上の凶星」「人の世の悪殺」と、最大級の悪名で紹介します。ところが次の段落の冒頭で、「すぐに凶と言ってはいけない」と書きます。さらに「刃がある人は多く富貴の人となる」とまで続けます。

十干禄とは、自分の干がもっとも安定する地支のことです。羊刃はその「ひとつ先」、ちょうどよさを一歩越えた位置にあたります。

陽干だけに刃があるから「陽刃」

陽干にしかない理由も、ここに書かれています。五つの陽干には刃があり、五つの陰干には刃がないから「陽刃」と名づけた、という説明です。四柱推命の星で、名前の由来が原典に書いてある例は多くありません。

強さは、ぶつかる相手がいてこそ

七殺(偏官)は、自分に強い圧力をかける星です。原典は、七殺と羊刃がそろうと互いの力が生きると書いています。強さは、受け止める相手がいて初めて形になるという見方です。

原典は「魁罡を嫌う」とも書いています。強さの星どうしが重なると加減がききにくい、という発想です。魁罡については、こちらの記事でどうぞ。

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陰干にも羊刃はあるか

現代の神殺表には、陰干にも羊刃を置くものがあります。乙は辰、丁・己は未、辛は戌、癸は丑という表です。実は『淵海子平』巻一「論羊刃」にも、十干すべてに刃を配った表が載っています。

つまり原典の中に表が二つありますが、巻二は「羊刃とは何か」と問いを立てて定義しています。原典推命堂は、この巻二の定義に従い、羊刃は陽干だけとしています。陽干の表はどちらの巻も同じで、食い違うのは陰干だけです。

丁や己の日干の方が、他の四柱推命サイトで「羊刃は未」と見かけることもあるでしょう。それは巻一系統の表によるもので、原典の中にも二系統あると知っておくと迷いません。当サイトの無料鑑定も巻二に従い、陰干の日干には羊刃を表示しません。

凶星か、強さの星か

現代の解説には、羊刃を凶星として恐れるものも、強運の星と持ち上げるものもあります。原典は、凶星と呼びながら「凶と決めつけるな」と二度書いています。巻二の定義と、巻五の詩です。

ただし同じ巻五の詩は、日干の力が軽いときについて「かえって凶となる」とも続けています。原典推命堂は羊刃を、「やり抜く強さ」と「行き過ぎへの注意」という中立の言葉で扱います。羊刃一つで性格や人生を決めることはしません。

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まとめ

羊刃は、頂点まで上りつめた強さの星です。原典が教えるのは、恐れることではなく、強さの使いどころと引き際を知ることです。

次にすることは、自分の日干が陽干か陰干かを確かめることです。陽干の方は、この星を持つかどうか、命式の4つの地支で探してみてください。


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