- 行動力:変化のある場で、ためらいを越えて先に動ける
- 勝負強さ:押し合いの場面で引かず、結果で応えようとする
- 人を巻き込む力:仲間とも競争相手とも濃く関わり、周りを動かす
- 切り替えの速さ:失敗しても引きずらず、次の勝負へ向かう
GENTEN SUIMEIDO JOURNAL
四柱推命の劫財とは?性格・才能と命式での読み方を原典『淵海子平』から
四柱推命の劫財とは
四柱推命の劫財(ごうざい)とは、日干と五行が同じで、陰陽が違う干に付く十神です。日干は生まれた日の天干で、命式の中の「自分」を表します。劫財は、自分と同じ性質を持ちながら少し違う「もう一人」です。
十神は、日本の四柱推命では通変星とも呼ばれます。劫財は通変星 10 種の一つで、日干の力を強める側の星です。性格のキーワードは競争と行動力です。
名前の「劫」は、力ずくで奪う、おびやかすという意味の字です。「財」は、日干が扱うお金や成果の星を指します。自分の財を横から持っていく存在が、劫財という名前の由来です。
まずここだけ
物騒な名前ですが、劫財は凶星ではありません。奪う力は、裏返せば競い合って前へ出る力です。この通変星の読み方は、命式全体の中で決まります。
同じ五行で陰陽も同じ干は、劫財ではなく比肩と呼びます。比肩の性質は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
-
-
四柱推命の比肩とは?性格・才能と命式での読み方を原典『淵海子平』から
四柱推命の比肩とは 四柱推命の比肩(ひけん)とは、日干と五行も陰陽も同じ干に付く十神です。日干は生まれた日の天干で、命式の中の「自分」を表します。命式に並ぶ「もう一人の自分」が比肩です。 十神は、日本 ...
続きを見る
日干別の劫財の干
| 五行 | 日干が陽干のとき | 日干が陰干のとき |
|---|---|---|
| 木 | 甲の劫財は乙 | 乙の劫財は甲 |
| 火 | 丙の劫財は丁 | 丁の劫財は丙 |
| 土 | 戊の劫財は己 | 己の劫財は戊 |
| 金 | 庚の劫財は辛 | 辛の劫財は庚 |
| 水 | 壬の劫財は癸 | 癸の劫財は壬 |
同じ五行の中で、陰陽を入れ替えた字が劫財です。十神全体の仕組みは、こちらの記事でまとめています。
-
-
四柱推命の十神(通変星)とは?正官・傷官など10の星の意味と決まり方
四柱推命の十神とは 四柱推命の十神(じっしん)とは、日干から見たほかの天干との関係に付けた10の名前です。日本では通変星(つうへんせい)とも呼ばれます。正官・偏官・印綬・偏印・正財・偏財・食神・傷官・ ...
続きを見る

劫財の性格と才能
通変星の劫財を持つ人の性格は、現代の四柱推命では次のように読まれることが多いです。芯にあるのは「負けたくない」という火です。
劫財の人の持ち味
四柱推命で劫財の性格をひとことで言えば、競う相手がいるほど燃える人です。一人で黙々と進めるより、誰かと並んで走ると力が出ます。ライバルの存在が、そのまま才能の着火剤です。
長所の裏返し
性格の弱点は、勢いが強まると線引きを急いでしまうことです。分担や取り分を先に決めてしまい、周りの意向を置き去りにしやすくなります。
お金の面では、付き合いや勝負に使うお金が大きくなりやすいとされます。ただし「劫財があるからお金が貯まらない」と決めつける読み方は、原典の立場とは違います。四柱推命の運勢は、一つの通変星だけでは決まりません。

恋愛・仕事・相性での劫財
ここからは、劫財の恋愛・仕事・相性を現代の一般的な読み方で紹介します。四柱推命で劫財を持つ人の運勢は、勢いをどこへ向けるかで大きく変わります。
恋愛:追いかけるほど熱くなる
劫財の恋愛は、情熱的で積極的です。気になる相手には自分から動き、ライバルがいるとかえって燃える性格とされます。
一方で、相手のペースを待つのは苦手です。勝ち負けの場ではなく、二人で進む場と考えると、劫財の熱さが恋愛で長続きします。
仕事:競争と数字のある場で伸びる
四柱推命では、仕事の運勢は結果がはっきり出る環境で上がりやすいとされます。営業や勝負のかかる企画、起業などがその例です。
チームで目標を競い合う職場も向いています。反対に、変化のない仕事では持ち味の行動力が空回りすることがあります。
相性:ブレーキ役とお金の分け方がカギ
四柱推命の相性は、相手の命式にどの通変星があるかで見方が変わります。正官や偏官を持つ人は、勝ち気な性格にほどよいブレーキをかけてくれるとされます。
食神や傷官を持つ人とは、競う力を楽しみや表現に変えられる相性です。一方で正財や偏財の星とは、名前のとおりお金の分け方がテーマになりやすい関係です。印綬を持つ人は、勢いの裏の迷いを受け止めてくれる相手です。
お金や成果を表す通変星は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
-
-
四柱推命の正財とは?性格・才能と命式での読み方を原典『淵海子平』から
四柱推命の正財とは 四柱推命の正財(せいざい)とは、日干が剋す五行のうち、陰陽が違う天干に付く通変星です。日干は命式の日柱の上の文字で、あなた自身を表します。剋すとは、自分が抑えて扱う関係のことです。 ...
続きを見る
-
-
四柱推命の偏財とは?性格・才能と命式での読み方を原典『淵海子平』から
四柱推命の偏財とは 四柱推命の偏財(へんざい)とは、日干が剋す五行のうち、陰陽が同じ天干に付く通変星です。日干は命式の日柱の上の文字で、あなた自身を表します。剋すとは、自分が抑えて扱う関係のことです。 ...
続きを見る
参考
原典『淵海子平』には、恋愛や仕事の向き、相性を劫財からまとめて説く記述はありません。
原典が劫財で語るのは、主に財の奪い合いの話です。原典推命堂は、相性を一つの星ではなく二人の命式全体で見ています。

命式の劫財の見方:多い・少ない・どの柱か
自分の劫財を調べる
四柱推命の命式は、生年月日と生まれた時間から出します。上の表で自分の劫財の干を確かめ、天干と蔵干(地支に隠れた干)に同じ字があるか探します。自分の命式で確かめたい方は、無料鑑定で通変星まで出してみてください。
多いか少ないかは、日干の強さとセットで見る
劫財は、それだけで吉凶が決まる通変星ではありません。日干が弱い身弱の命式では、劫財が踏み込む勇気と支えとして働きます。印綬も並べば、支えはさらに厚くなります。
反対に日干が強い身旺の命式に劫財が多いと、押し出しが強すぎるとされます。食神で力を外に出せると、余った勢いも才能として生きます。
『淵海子平』の「傷官説」には、「財有劫,不怕露就殺」という短い一句があります。財に劫財が付いていれば、殺が表に出ても恐れない、という趣旨に読めます。理由は書かれておらず、劫財そのものが圧力に耐える星だとまでは言っていません。
日干の強さの見方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
-
-
四柱推命の身旺・身弱とは?日干の強さの判断方法と、それぞれの性格・生かし方
四柱推命の身旺・身弱とは 身旺(しんおう)・身弱(しんじゃく)とは、命式の中で「自分」がどれだけ力を持つかを表す言葉です。四柱推命では、自分を助ける要素が多ければ身旺、力を使わせる要素が多ければ身弱と ...
続きを見る
どの柱にあるかの目安
四柱推命では、同じ通変星でもどの柱にあるかで出る場面が変わります。
- 年柱:家系や幼いころに、競い合う関係がテーマになりやすい
- 月柱:仕事や社会の場で、競争の要素が強く出やすい
- 日柱(日支の蔵干):内面が勝ち気な性格で、身近な関係にも押し引きが出る
- 時柱:人生の後半の運勢や、後進との関係に勢いが出やすい
この柱ごとの読み方は現代の目安で、原典にはない読み方です。月柱の蔵干の劫財は、格局(命式の型)の判断に関わることもあります。
大運で劫財が巡る 10 年は、勝負に出やすい運勢と見られます。挑戦の追い風になる一方、お金の出入りが大きくなりやすい時期です。もともと劫財が多い人は、大運の劫財に入る前に、お金の使い道を決めておくと安心です。
今年の運勢
2027年は丁未(ひのとひつじ)の年です。年の干支が変わると、あなたの命式との組み合わせで運勢の流れも変わります。
2027年の運勢の読み方は、記事を準備中です。公開したらここからご案内します。
劫財と羊刃
陽干の日干では、羊刃という特殊星の地支に、劫財の干が蔵されています(甲なら卯に乙)。羊刃は、劫財の強さがいっそう前に出た形です。
-
-
四柱推命の羊刃とは?強さの星の意味と出し方、原典が陽干だけに置いた理由
四柱推命の羊刃とは 四柱推命の羊刃(ようじん)とは、日干の勢いが頂点に達した地支に立つ、強さの特殊星です。日干は生まれた日の天干で、命式の主人公にあたる文字です。その日干がもっとも盛んになる地支が命式 ...
続きを見る

原典『淵海子平』の劫財:「財は人の欲する所」
四柱推命の原典『淵海子平』は、巻二に「論劫財」という劫財だけの篇を立てています。そこには、財をめぐる人の本音が率直に書かれています。
財とは、人の欲する所なり
漢文原文
亦名逆刃。如乙見甲為劫財。乙以庚為夫,見丙尅庚,故尅夫,男命則尅妻。五陽見五陰為敗財,主尅妻害子。五陰見五陽為劫財,主破耗,防小人,不尅妻。乙以戊己為財,甲見奪己壞戊;丁以庚辛為財,丙能奪辛破庚類,如此也。兄見弟,弟能敗兄之財,奪兄之妻;弟見兄,兄能劫弟之財,而不敢取弟之妻。財者,人之所欲,方令弟兄見之,多有爭競,如夷齊能幾人。男命見劫財多尅妻,女命見傷官多尅夫,此極論也。
書き下し文
亦た逆刃と名づく。如し乙、甲を見れば劫財と為す。乙は庚を以て夫と為す、丙を見て庚を剋す、故に夫を剋す。男命は則ち妻を剋す。五陽、五陰を見るを敗財と為し、妻を剋し子を害するを主る。五陰、五陽を見るを劫財と為し、破耗を主り、小人を防ぎ、妻を剋さず。乙は戊己を以て財と為す、甲を見れば己を奪ひ戊を壊る。丁は庚辛を以て財と為す、丙は能く辛を奪ひ庚を破るの類、此くの如きなり。兄、弟を見れば、弟は能く兄の財を敗り、兄の妻を奪ふ。弟、兄を見れば、兄は能く弟の財を劫すも、敢へて弟の妻を取らず。財とは、人の欲する所なり。方に弟兄をして之を見しむれば、多く争競有り。夷斉の如きは能く幾人ぞ。男命に劫財を見ること多ければ妻を剋し、女命に傷官を見ること多ければ夫を剋す、此れ極論なり。
現代語訳
劫財は「逆刃」とも呼ぶ。たとえば乙が甲を見れば劫財である。乙は庚を夫とするが、丙を見ると庚が剋されるので夫を剋す、と言う。男命なら妻を剋す。五つの陽干が五つの陰干を見るのを「敗財」といい、妻を剋し子を害するとされる。五つの陰干が五つの陽干を見るのを「劫財」といい、財の消耗を主り、よからぬ人を警戒すべきだとするが、妻は剋さない。乙は戊・己を財とするが、甲が己を奪い戊を壊す。丁は庚・辛を財とするが、丙が辛を奪い庚を破る。こうした類である。兄が弟を見れば、弟は兄の財を損ない、兄の妻を奪う。弟が兄を見れば、兄は弟の財を奪えても、弟の妻を娶ろうとはしない。財とは人が欲しがるものである。兄弟にそれを見せれば、争い競うことが多い。伯夷・叔斉のような人が何人いるだろうか。男命に劫財が多ければ妻を剋し、女命に傷官が多ければ夫を剋す。これは極論である。
奪う仕組みを、干の動きで説明している
乙の日干にとって、戊と己は財です。そこへ甲が来ると、己を干合で引き取り、戊を剋して壊してしまう。これが「財を劫かす」の具体的な中身です。
「夷斉のような人が何人いるか」
伯夷・叔斉は、君主の位を譲り合って国を出た古代の兄弟です。清廉な人の代名詞として知られています。
原典はその名を挙げて、そんな人はめったにいないとため息をつきます。財を前にすれば兄弟でも争う、という人情を、四柱推命の理屈として書いているのです。
最後の「此れ極論なり」の一句
劫財や傷官が多ければ配偶者を損なう、と書いた直後に、原典は「此れ極論なり」と付け加えます。「極論」は、極端な言い方とも、行き着く結論とも読める語で、原典はどちらの意味かを説明していません。

原典と現代の劫財、ここが違う
「敗財」と「劫財」、原典でも呼び名がそろわない
呼び名は、原典の巻一と巻二で食い違っています。巻二「論劫財」は、陽干から見たものを「敗財」、陰干から見たものを「劫財」と呼び分けます。敗財のほうが重く書かれています。
ところが巻一の十神の表は、陰干から見たものを逆に「敗財」と呼びます。陽干の側は「劫財・敗財」の併記です。原典の中でも、呼び名に決着はついていません。
現代の四柱推命では、ほとんど「劫財」に統一されています。原典推命堂も呼び分けず、「劫財」の名前で伝えています。
家族の断定は、分担のテーマに読み替える
原典の「妻を剋す」は、家の財を兄弟で分けた時代の家族観です。原典推命堂では、これをパートナーとの分担や境界のテーマと読み替えています。配偶者の有無や関係を、劫財から断定することはしません。
劫財は「お金を失う凶星」か
現代の四柱推命の解説には、劫財をお金を失う凶星として恐れるものもあります。けれど原典の巻五は、篇名を「羊刃(即劫財)」、つまり羊刃はすなわち劫財としています。そして、凶と決めつけるなと詠んでいます。
原典推命堂も、劫財を「競い合って動ける力」と「勢いの行き過ぎ」という中立の言葉で扱います。一つの通変星だけで性格を決めることはしません。まずは自分の命式で、日干と陰陽違いの字を探してみてください。
劫財=競い合って前へ出る力