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GENTEN SUIMEIDO JOURNAL

四柱推命の天乙貴人とは?意味と調べ方、命式にあるときの読み方を原典から

仏塔の屋根の向こうに星が円を描いて巡る夜空

天乙貴人とは

天乙貴人(てんおつきじん)とは、困ったときに助けてくれる人が現れやすいとされる星です。命式の干支の組み合わせで決まる特殊星(神殺)の一つで、吉星の筆頭に挙げられることが多い星です。

天乙貴人は、日干ごとに決まった2つの地支が命式にあるかどうかで判定します。日干とは、生まれた日の干支の上の字のことです。

「天乙」は北極星のそばにある星の名で、天帝に仕える最高の神とされました。「貴人」は身分の高い人のことです。つまり天乙貴人は「天の高官が味方につく」という発想の星です。

特殊星の中での天乙貴人

四柱推命の特殊星とは、干支の組み合わせで決まる補助的な星のことです。神殺とも呼ばれ、助けになる吉星と、注意をうながす凶星があります。

天乙貴人は、特殊星の中でも吉星の代表格です。原典『淵海子平』でも、禄・駅馬と並ぶ基本の星として扱われています。

ただし特殊星は、命式全体の五行のバランスを見た後に添える脇役です。星の名前だけで人生の良し悪しを決める解釈はしません。

助けてくれる人が現れる星

四柱推命そのものの仕組みは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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互いに差し伸べられる二つの手

天乙貴人が命式にあるとわかること

四柱推命では、天乙貴人がある人は目上の人から引き立てを受けやすいとされます。相談相手や協力者も見つかりやすく、人の縁でピンチを切り抜けるタイプです。

助けられる人は、たいてい助けたくなる人でもあります。人当たりがよく、周りの知恵を借りるのがうまいのも持ち味です。

一方で、裏返すと人任せや待ちの姿勢にもつながります。自分でできることまで後回しにしないよう、心に留めておきたいところです。

どの柱にあるかで影響が出る場面が変わる

現代の一般的な解釈では、天乙貴人がどの柱にあるかで、助けが来る場面が変わるとされます。年齢の目安は現代の考え方で、原典にはありません。

  1. 年柱:生家や幼いころの縁。親の代からの人脈に助けられる
  2. 月柱:仕事や社会での引き立て。上司・先輩・取引先との縁
  3. 日柱:本人の人柄と、パートナーとの縁
  4. 時柱:人生の後半の縁。後進や、晩年に出会う協力者

月柱の天乙貴人は社会に出てからの助けとして、特に目を向けたい配置です。社会での立場や仕事の人間関係に、影響が出やすいと考えられています。

日柱の天乙貴人は、本人の人柄に表れやすいとされます。年柱や時柱にある場合より、身近な人との関係に影響が出るという解釈です。

天乙貴人が2つある命式

2つの地支がどちらも命式にあると、貴人が2つそろった形です。助けの窓口が複数あり、いろいろな場面で人の縁の影響を受けやすいと考えられています。

ただし、数が多いほど運がよいという単純な話ではありません。ほかの星との組み合わせの条件で、働き方が変わるからです。

運で巡ってくるとき

四柱推命では、大運(10年ごとの運)や年の運で天乙貴人の地支が巡ると、助けを得やすい時期とされます。その影響は、運が巡っている間に出やすいと考えられています。命式になくても、運で巡ってくる時期があります。

天乙貴人が命式にない人も、珍しくありません。その場合は、運で貴人の地支が巡る時期に目を向ければ十分です。

神社に並んで掛けられた木の絵馬

天乙貴人の調べ方と早見表

特殊星の中でも、天乙貴人の調べ方はかんたんで、日干を表に当てはめるだけです。出てきた2つの地支が、年柱・月柱・日柱・時柱の下の字のどこかにあれば成立です。

日干(十干)天乙貴人の地支原典の歌
甲・戊・庚丑・未甲戊庚牛羊(牛=丑、羊=未)
乙・己子・申乙己鼠猴鄉(鼠=子、猴=申)
丙・丁亥・酉丙丁豬雞位(豬=亥、雞=酉)
辛午・寅六辛逢馬虎(馬=午、虎=寅)
壬・癸卯・巳壬癸兔蛇藏(兔=卯、蛇=巳)

たとえば日干が甲の人なら、天乙貴人は丑と未です。命式に丑があれば成立し、未もあれば貴人が2つそろいます。

十干は5組に分かれ(甲・戊・庚の組は3つ、辛は1つだけ)、それぞれに2つの地支が配られています。自分の日干がわからない方は、こちらの記事を参考にしてください。

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年干でも見てみる

現代の四柱推命の流派には、日干だけでなく年干(生まれた年の上の字)でも同じ表を引くものがあります。原典は、年干と日干のどちらで見るかを書いていません。

原典推命堂では、年干と日干の両方で天乙貴人を判定しています。年干も十干の一つなので、同じ表をそのまま使えます。

縦書きの漢字が流れるように書かれた古い書

原典『淵海子平』が書いた天乙貴人の歌

上の表は、原典『淵海子平』巻一「論起玉堂天乙貴人」の歌が出どころです。「玉堂」は宮中の役所の名で、篇名からして天の高官を思わせます。

原典『淵海子平』巻一「論起玉堂天乙貴人」(YHE-J1-026)

これが貴人の方角。辰と戌にだけは貴人が来ない

漢文原文

甲戊庚牛羊,乙己鼠猴鄉,丙丁豬雞位,壬癸兔蛇藏, 六辛逢馬虎,此是貴人方,命中如遇此,定作紫微郎。 十干臨十支,皆貴人所臨之方,惟辰戌二宮貴人不臨,何也?殊不知辰戌乃魁罡惡煞之地,天乙不臨,所以不為貴也。

書き下し文

甲戊庚は牛羊、乙己は鼠猴の郷、丙丁は豬雞の位、壬癸は兔蛇に藏る。六辛は馬虎に逢ふ。此れは是れ貴人の方なり。命中に此に遇ふが如きは、定めて紫微郎と作らん。十干の十支に臨むは、皆貴人の臨む所の方なり。惟だ辰戌の二宮のみ貴人臨まず、何ぞや。殊に知らずや、辰戌は乃ち魁罡惡煞の地にして、天乙臨まず、所以に貴と為さざるなり。

現代語訳

甲と戊と庚は丑と未、乙と己は子と申、丙と丁は亥と酉、壬と癸は卯と巳、辛は午と寅。これが貴人のいる方角だ。命式にこれがあれば、きっと宮中の高官になる。十干が十二支のうち十支に臨むところは、どれも貴人のいる場所である。辰と戌の二つの宮だけには貴人が臨まない。なぜか。実は、辰と戌は魁罡という悪い星の土地で、天乙貴人はそこには降りてこない。だから貴とはしないのだ。

歌は十二支を動物の名で表しています。牛が丑、羊が未、鼠が子という具合で、動物がわかれば表を覚えなくても引けます。

「紫微郎」は宮中の要職の呼び名です。原典は天乙貴人を、出世の頂点を約束するほどの星として持ち上げています。

辰と戌にだけ貴人が来ない理由

表を見ると、天乙貴人の地支は十二支のうち10支だけで、辰と戌がありません。原典はその理由を、辰と戌が「魁罡(かいごう)」という凶星の土地だからだと説明しています。

天の高官は荒々しい土地には降りない、という発想です。巻一「論天羅地網」にも同じ説明があり、原典の中で筋の通った理屈として扱われています。

貴人が2つあるのは昼と夜の名残

どの十干にも天乙貴人の地支が2つあるのは、昼の貴人と夜の貴人の名残とされます。原典巻二にも、昼と夜の貴人を分けるという趣旨の言葉が出てきます。

ただし、どちらが昼でどちらが夜かの表は、原典にはありません。この記事の早見表でも、2つの地支を区別せずに載せています。

日柱そのものが貴人の4日「日貴」

日柱の上下2文字だけで、天乙貴人が成立する日もあります。丁酉・丁亥・癸巳・癸卯の4日で、原典巻二「論日貴」は、これを日貴と呼んでいます。

原典は日貴の人柄を、純粋で仁徳があり、人を見下さないと描いています。原典が天乙貴人の人柄を直接書いた、数少ない箇所です。

ほかの特殊星とあわせて全体像を知りたい方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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庚の天乙貴人は流派で違う

現代の四柱推命には、庚の天乙貴人を午・寅とする表もあります。原典巻一の歌は「甲戊庚牛羊……六辛逢馬虎」で、庚は甲・戊と同じ丑・未、辛だけが午・寅です。辛はどちらの表でも午・寅で、違うのは庚だけです。

巻二「論日貴」も、日支に自分の天乙貴人を持つ日柱を、丁酉・丁亥・癸巳・癸卯の「4日だけ」としています。庚を午・寅とすると庚午・庚寅も加わって6日になるので、巻二の数は巻一の歌(庚=丑・未)と合います。原典推命堂は巻一の表(庚=丑・未)を採用し、無料鑑定もこの表で表示します。

「最高の吉星」だけでは終わらない

現代の四柱推命の紹介は、「最高の吉星」の一面に寄りがちです。ところが原典は、同じ巻一の少し後で、貴人に頼り切るなと書いています。

原典『淵海子平』巻一「論十干祿」(YHE-J1-036)

禄・駅馬・貴人だけを頼りにしてはいけない

漢文原文

《天乙妙旨》云:祿馬貴人無準託,考究五行之善惡,天元羸弱未為災,地氣堅牢足歡樂。

書き下し文

『天乙妙旨』に云ふ、祿馬貴人は準託無し。五行の善悪を考究せよ。天元羸弱なるも未だ災ひと為さず、地気堅牢なれば歓楽するに足る。

現代語訳

『天乙妙旨』に言う。禄・駅馬・貴人だけを頼りにしてはいけない。五行の良し悪しをよく調べよ。日干が弱くてもそれだけで災いとはならず、地支の気がしっかりしていれば十分に楽しめる。

星の有無より、五行のバランスを見よというのが原典の立場です。天乙貴人がない命式でも、助けがない人生と決めつける必要はありません。

天乙貴人が弱まる条件

原典巻二「論日貴」は、貴人は刑や沖(地支どうしのぶつかり)を嫌うと書いています。特殊星は、ほかの星や地支との組み合わせの条件次第で働きが変わります。刑や沖が重なると、助けが届きにくくなる影響があるということです。

また、天乙貴人の地支が空亡(天中殺)に当たると、力が減るとされます。空亡も、特殊星の一つです。空亡の2支は、こちらの記事で調べられます。

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まとめ

天乙貴人は「助けを呼び込む星」であって、「何もしなくても安泰の星」ではありません。原典自身も、貴人だけを頼りにするなと書いています。

次にやることは、自分の日干を早見表に当て、4つの地支と見比べることです。見つかった柱が、助けが届きやすい場面を教えてくれます。そのうえで命式全体の五行と合わせて見れば、星の意味がぐっと立体的に見えてきます。


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