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GENTEN SUIMEIDO JOURNAL

四柱推命の金神とは?3つの干支の意味と「火で制す」原典の読み方

特殊星
朱塗りの寺の門に立つ二体の仁王像

金神とは

金神(こんじん)とは、時柱の干支が癸酉・己巳・乙丑のどれかのときに付く、四柱推命の特殊星です。四柱推命では、生まれた時刻の干支を時柱と呼びます。

特殊星は古くは神殺(しんさつ)と呼ばれ、命式を補って読むための星です。金神も、命式の主役ではなく、持ち味に色を足す星として見ていきます。

名前のとおり、五行の「金」、つまり刃物や金属の鋭さを表す星です。原典『淵海子平』は、この星を「破敗の神」と呼んでいます。

ところが原典は、同じ段落で「火で制すれば勝る」「羊刃や七殺も帯びれば真の貴人になる」とも書きました。金神は、恐れる星ではなく鍛えて使う星です。この記事では、四柱推命の金神の意味と条件を原典の言葉から見ていきます。

最初にひとこと

日本の暦にも、方位の吉凶を見る「金神」という神様がいます。同じ字ですが、四柱推命の金神とは別のものです。 この記事では、四柱推命の命式で見る金神だけを扱います。

四柱推命そのものの仕組みは、こちらの記事で紹介しています。

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金神でわかること:鋭さと、その使い方

金神を持つ人は、判断が速く、迷わずに切れる人とされます。原典の言葉では「剛断明敏の才」、つまり決断力と明敏な才です。

金神の人の持ち味

  • 決断が速い:曖昧なままにせず、白黒をつけて前に進む
  • 才気がある:物事の急所を見抜き、要領よく片づける
  • 折れない志:簡単には人に従わず、自分の筋を通す

原典は「倔強にして馴伏すべからざるの志」と書いています。容易には人に従わない、強い志という意味です。

裏返すと「切りすぎる」

鋭さの裏側は、強く出すぎることです。急ぎすぎて周りを置いていく、必要以上に切り捨ててしまう、という出方をします。

原典はここを見抜いていて、「太剛必折」(強すぎるものは折れる)と書きました。強さそのものではなく、強さの使い方が問われる星です。

鋭さが生きる場面

現代の一般的な読み方では、決める役目や、物事を切り分ける仕事で持ち味が出やすいとされます。判断を任される立場や、技術を磨き上げる専門職などです。

反対に、何も決めずに待つ場面は苦手と見られます。鋭さを向ける先を、自分で選べるかどうかが分かれ目です。

生まれた時刻に現れる意味

金神は、定義上いつも時柱に現れる星です。この柱は、仕事の成果や晩年、子どもとの縁を見る場所とされます。

そのため現代には、年を重ねてから力を発揮する星と見る読み方もあります。時柱に星がある人は、若いうちより後半に持ち味が表に出る、という考え方です。

これは現代の一般的な読み方で、原典にはありません。原典推命堂は、時柱の年齢の割り当ては目安として紹介するにとどめます。

四柱のうち時刻の柱が何を表すかは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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金神の条件と調べ方

金神になる3つの干支

金神の干支生まれた時刻地支の意味
癸酉(みずのととり)17時〜19時酉は金がもっとも盛んな所
己巳(つちのとみ)9時〜11時巳は金が生まれる所
乙丑(きのとうし)1時〜3時丑は金が収まる所

3つの下の字(巳・酉・丑)は、合わせると金の三合です。金が生まれ、盛んになり、収まる。金の一生がそのまま3つの金神になっています。

もう一つ面白いのは、3つとも、日干が甲か己の日にしか現れないという点です。時刻の天干は、日干から割り出すためです。

自分の命式での調べ方

  1. 生まれた時刻まで入れて命式を出し、時柱を見る
  2. 癸酉・己巳・乙丑のどれかなら金神を持つ
  3. 命式に火(丙・丁・巳・午)があるか、羊刃や七殺(偏官)があるかを見る

時刻で決まる星なので、生まれた時刻がわからないと判定できません。日柱が癸酉でも、金神にはなりません。

この点は、日柱だけで決まる魁罡とは正反対です。魁罡は日柱の星、金神は時刻の星と覚えておくと混ざりません。

確かめ方

自分の命式で確かめたい方は、無料鑑定で生まれた時刻まで入れた命式を出せます。 当サイトの無料鑑定では、金神は星として表示していません。出てきた命式の時柱を、上の表と見比べてください。

金神を生かす組み合わせ

原典は、金神を命式のほかの要素と合わせて見ています。代表的な形は次の3つです。

  • 火がある:原典がもっとも良いとする形。刃物が火で鍛えられ、道具になる
  • 羊刃・七殺がある:強い星どうしが噛み合い、原典は「真の貴人」と書く
  • 水が多い:原典が嫌う形。火が消され、鋭さが空回りしやすい

火が金を制すのは、五行の相剋(火剋金)の理屈です。強い刃物は、火をくぐってはじめて使える形に変わります。

羊刃や七殺も、四柱推命では強さを表す星です。強い星を強い星で受け止めて釣り合いをとる、という古い発想がここにあります。

強さの星どうしの関係は、羊刃の記事でも紹介しています。

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原典『淵海子平』は金神を「破敗の神」とも「福の神」とも呼んだ

金神の記述は、原典『淵海子平』巻二「論金神」にあります。神殺の説明としては異例に長く、一つの論説になっています。

原典『淵海子平』巻二「論金神」(YHE-J2-022)

金神は三つの時だけ。強すぎるものは折れる、制して和を調えよ

漢文原文

夫金神者,止有三時,癸酉、己巳、乙丑。 金神乃破敗之神,要制伏,入火鄉為勝。如四柱中更帶七殺陽刃,真貴人也。大抵威猛者,以強暴為能威,苟不專,人得以侮。故必狠暴如虎動,羣獸既懾,威德行矣。然太剛必折,不有以制之,則寬猛不濟,何以上履中和之道。故曰有剛者,在馴伏,調致其和,福祿踵至。雖然其人有剛斷明敏之才,倔強不可馴伏之志。運行火鄉,四柱有火局,便為貴命。懼水鄉,則非福矣。

書き下し文

夫れ金神なる者は、止だ三時のみ有り。癸酉・己巳・乙丑なり。金神は乃ち破敗の神なり。制伏を要す。火郷に入るを勝と為す。如し四柱の中に更に七殺陽刃を帯ぶれば、真の貴人なり。大抵、威猛なる者は、強暴を以て能く威と為す。苟しくも専らならざれば、人得て以て侮る。故に必ず狠暴なること虎の動くが如くんば、羣獣既に懾れ、威徳行はる。然れども太剛なれば必ず折る。之を制する有らずんば、則ち寛猛済はず、何を以てか上のかた中和の道を履まん。故に曰く、剛ある者は、馴伏するに在り、其の和を調へ致せば、福禄踵ぎて至る、と。然りと雖も其の人は剛断明敏の才有り、倔強にして馴伏すべからざるの志あり。運、火郷に行き、四柱に火局有れば、便ち貴命と為す。水郷を懼る、則ち福に非ざるなり。

現代語訳

そもそも金神は三つの時柱にしかない。癸酉・己巳・乙丑である。金神は物を破り敗る神であり、制することが必要で、火の場所に入るのを勝ちとする。もし四柱の中にさらに羊刃や七殺を帯びていれば、真の貴人となる。おおむね威勢の猛い者は、強さによって威を保つ。もしそれが一貫していなければ、人は侮ってくる。だから虎が動くように荒々しくあれば、獣たちは恐れ、威と徳が行き渡る。しかし強すぎるものは必ず折れる。これを制するものがなければ、寛(ゆるさ)と猛(きびしさ)が補い合わず、どうして中和の道を歩めようか。だから言うのだ、剛なるものは、馴らすことが肝心で、和を調えれば福と禄が次々にやって来る、と。とはいえ、この人には決断力があり明敏な才があり、容易には人に従わない強い志がある。大運が火の場所を行き、四柱に火局があれば、それで貴い命となる。水の場所を恐れ、そこでは福とならない。

文章は「強さで威を保て」から始まり、「強すぎれば折れる」で反転します。最後は「馴らして和を調えよ」で着地します。

強さを否定せず、強さの扱い方を説く。占いの本というより、人の上に立つ者への心得のような文章です。

巻五では「福の神」

巻五の「金神詩訣」は、覚えやすい歌の形で同じ星を詠んでいます。そこでは「時上に之に逢へば是れ福神なり」(時柱にあれば福の神である)とまで書かれます。

原典『淵海子平』巻五「金神詩訣」(YHE-J5-011)

金神は火に遇えば貴、時にあれば福の神

漢文原文

甲午時上見金神,殺刃相臨真貴人,火木運中財祿發,如逢金水必傷身。 金神遇火貴無疑,金水災殃定有之,運到火鄉多發達,官崇家富兩相宜。 時遇金神貴氣多,如逢羊刃卻中和,若逢水運貧而疾,火制名高爵位峨。 癸酉己巳並乙丑,時上逢之是福神,傲物恃才宜制伏,交逢殺刃貴人真。 性多狠暴才明敏,遇水相生立困窮,制伏運行逢火局,超遷貴顯祿千鍾。

書き下し文

甲午の時上に金神を見れば、殺刃相ひ臨みて真の貴人なり。火木の運中に財禄発し、如し金水に逢へば必ず身を傷る。金神、火に遇へば貴なること疑ひ無し。金水は災殃定めて之れ有り。運、火郷に到れば多く発達し、官崇く家富みて両つながら相ひ宜し。時に金神に遇へば貴気多し。如し羊刃に逢へば却りて中和す。若し水運に逢へば貧にして疾む。火制すれば名高く爵位峨たり。癸酉・己巳並びに乙丑、時上に之に逢へば是れ福神なり。物に傲り才を恃むは制伏に宜し。交はりて殺刃に逢へば貴人真なり。性は狠暴多く才は明敏なり。水に遇ひて相ひ生ずれば立ちどころに困窮す。制伏して運行、火局に逢へば、超遷して貴顕、禄千鍾ならん。

現代語訳

甲午の時に金神があれば、七殺と羊刃が並んで真の貴人となる。火と木の運では財と禄が伸び、金と水に出会えば身を損なう。金神が火に出会えば貴であることは疑いない。金と水では災いがある。運が火の場所に至れば大いに伸び、官位は高く家は富んで、どちらも良い。時柱に金神があれば貴い気が多い。羊刃に出会えばかえって中和する。水の運に出会えば貧しく病む。火が制すれば名は高く、位は高々とそびえる。癸酉・己巳と乙丑。時柱にこれがあれば福の神である。人を見下し才を頼みにするのは、制伏するのがよい。七殺と羊刃に交われば、真の貴人となる。性質は荒々しさが多く、才は明敏である。水に出会って生じれば、たちまち困窮する。制伏して大運が火局に出会えば、位を飛び越えて高位に上り、禄は千鍾(大量の俸禄)に及ぶ。

巻二は「破敗の神」、巻五は「福の神」。正反対に見えますが、どちらの篇も、火で制すると貴くなると繰り返している点は同じです。

同じ詩には「傲物恃才宜制伏」という句もあります。「人を見下し、才を頼みにしそうなときこそ整えよ」という意味で、現代にもそのまま通じる助言です。

巻二では、この金神のすぐ前に魁罡が並んでいます。強さの星を続けて置いた並びです。魁罡については、こちらの記事で紹介しています。

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原典と現代の金神、ここが違う

暦の金神とは系統が違う

暦の金神は方位の神、四柱推命の金神は生まれた時刻の星です。字は同じでも、見ている物がまったく違います。

原典『淵海子平』が扱うのは、命式の中の3つの干支だけです。方位の話は、原典にはありません。

3つか4つか

巻五の詩には「甲午の時上に金神を見れば」(甲午の時柱に金神があれば)という句があります。甲午を金神に数える伝えもあったようです。

一方、巻二の本文は「止だ三時のみ有り」(三つの時だけ)と明言しています。原典推命堂は、巻二の3つ(癸酉・己巳・乙丑)を採用しています。

「破敗」「災い」は当時の言葉

「破敗の神」「貧にして疾む」「立ちどころに困窮す」は、当時の価値観による強い断定です。原典の言葉として残しますが、現代の鑑定では使いません。

原典自身が、同じ星を「福の神」とも呼んでいます。一句だけ引いて「凶星」と決めつけないのが、原典に沿った読み方です。

「火で制す」の読み替え

現代では「火で制す」を、情熱や人との温かい関わりと読み替えることがあります。勢いのまま切らず、温度をくぐらせるという読み方です。

これは現代の読み替えで、原典が書いているのは五行の火と、大運の火の場所までです。原典推命堂は、原典の条件を示したうえで、読み替えは参考として紹介します。

朝日に照らされた雲海の上の塔

まとめ

金神は、鋭さと決断力を持つ、生まれた時刻の星です。原典が教えてくれるのは、強さは鍛えて使うものだということです。

まずは生まれた時刻まで入れて命式を出し、時柱が癸酉・己巳・乙丑かどうかを確かめてみてください。


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