- 結婚式や入籍など、結婚にまつわる日取り
- 開業・開店や、新しい仕事の始まり
- 引っ越しや、習い事の始め
- 長く迷っていたことへの決断
GENTEN SUIMEIDO JOURNAL
天赦日とは?最強の開運日の由来と決まり方を、四柱推命の原典『淵海子平』から
天赦日とは
天赦日(てんしゃにち)とは、天がすべての罪を赦(ゆる)すとされる日です。日本の暦で最上の吉日とされ、年に5〜7回ほどしか巡ってきません。その少なさから、「最強の開運日」と紹介されることもあります。
「赦」は恩赦・大赦の赦で、罪や咎(とが)めを許すという意味です。天赦日は「天が許す日」。咎めが消えて、やり直しがきく日という縁起を、名前そのものが表しています。
古代中国では、皇帝が即位や祝い事の折に罪人を許す「大赦」が行われました。天赦日の名には、天が皇帝のように許しを下すという姿が重なっています。
まずここだけ
天赦日は、季節と日の干支の組み合わせで決まる日です。そしてその条件は、四柱推命の原典『淵海子平』にそのまま書かれています。この記事では、天赦日の決まり方と由来を原典からたどります。

天赦日の決まり方:季節と日の干支
天赦日の条件は、春は戊寅、夏は甲午、秋は戊申、冬は甲子の日。これだけです。日にちや曜日ではなく、その日に割り当てられた干支で決まります。
干支(えと)は、十干と十二支を組み合わせた60通りの記号です。暦の上では、1日ごとに干支が一つずつ進みます。年にえとがあるように、日にもえとがあると考えるとわかりやすいでしょう。
| 季節 | 期間の目安 | 天赦日になる日 |
|---|---|---|
| 春 | 立春〜立夏の前日 | 戊寅(つちのえとら)の日 |
| 夏 | 立夏〜立秋の前日 | 甲午(きのえうま)の日 |
| 秋 | 立秋〜立冬の前日 | 戊申(つちのえさる)の日 |
| 冬 | 立冬〜立春の前日 | 甲子(きのえね)の日 |
季節は節入りで区切る
ここでいう季節は、カレンダーの月ではありません。立春・立夏・立秋・立冬の節入りで区切る季節です。たとえば立春の前なら、2月でもまだ冬に数えます。
甲子の日でも、春に来れば天赦日にはなりません。干支と季節の両方がそろった日だけが天赦日です。節入りの仕組みは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
-
-
四柱推命の節入りとは?1月生まれは前年生まれ?立春で年が変わる理由
四柱推命の節入りとは 節入り(せついり)とは、二十四節気のうち「節」にあたる日の、その節が始まる瞬間のことです。四柱推命では、この節入りを境に月の干支が切り替わります。カレンダーの1日ではありません。 ...
続きを見る
天赦日が年に5〜7回しかない理由
日の干支は60日で一巡します。つまり戊寅の日も60日に1回しか来ません。春はおよそ90日なので、春の戊寅の日は1回か2回です。
夏・秋・冬も同じ計算で、四季を合わせて年に5〜7回ほど。多くの年は6回前後です。この少なさが、天赦日が特別な日とされる理由の一つです。
日の干支が60日で一巡する仕組みは、こちらの記事でどうぞ。
-
-
六十干支とは?十干と十二支の60の組み合わせと、四柱推命での使われ方
六十干支とは 六十干支(ろくじっかんし)とは、十干と十二支を順番に一つずつ組み合わせた、60通りの干支です。甲子(きのえね)から始まり、60番目の癸亥(みずのとい)で一巡して、また甲子に戻ります。 十 ...
続きを見る
参考

天赦日にすることと、吉日が重なる日
暦の世界では、天赦日は何かを始めるのに向く日とされています。天が咎めを許すので、新しい一歩を踏み出しやすい日という考え方です。
天赦日に向くとされること
結婚の日取りを選ぶとき、天赦日は大安と並んで候補に挙がるお日柄です。大安は六曜という別の仕組みの吉日で、天赦日とは決まり方が違います。結婚や入籍の日を天赦日に合わせるのは、日本の暦ならではの楽しみ方です。
ただし、天赦日を選べば物事がうまく運ぶ、という保証はありません。暦の吉日は、日取りを決めるときの後押しくらいに考えるのがちょうどよいでしょう。
吉日が重なる日は「最強開運日」
天赦日がほかの吉日と重なると、「最強開運日」と呼ばれることがあります。一粒万倍日と重なる日は、特に話題になりやすい日です。
吉日が重なるほど縁起がよい、というのは暦の世界の読み方です。一粒万倍日は、四柱推命の原典には出てこない別系統の吉日です。重なる吉日のうち、天赦日は四柱推命の原典に直接の由来を持つ日です。

天赦日の由来:原典『淵海子平』の「論天赦」
天赦日の由来をたどると、四柱推命の原典『淵海子平』巻一「論天赦」に行き着きます。全文でわずか20字あまりの、とても短い篇です。
この篇は、禄・駅馬・華蓋・學堂といった星の篇と同じ一角に並んでいます。原典の中でも、天赦は命式の星の仲間として置かれていたことがわかります。
春は戊寅、夏は甲午、秋は戊申、冬は甲子
漢文原文
春戊寅,夏甲午,秋戊申,冬甲子。凡人生日干遇之方得用。
書き下し文
春は戊寅、夏は甲午、秋は戊申、冬は甲子。凡そ人の生日の干、之に遇ひて方めて用を得。
現代語訳
春は戊寅の日、夏は甲午の日、秋は戊申の日、冬は甲子の日である。およそ人の生まれ日がこれに出会ったときにだけ、この星は用をなす。
条件は、いまの日本の暦にある天赦日とまったく同じです。日本の暦の吉凶の多くは、中国の暦の書や占いの書から伝わりました。
天赦日も、その一つとして日本の暦に根づきました。江戸時代の暦にも、すでに天赦日が載っていたとされます。
原典では「生まれた日」に立つ星
面白いのは後半の一句です。原典は天赦を、日取りの吉日ではなく命式の星として書いています。生まれた日がこの条件に出会ったときにだけ働く、天赦日に生まれた人の命式に立つ星です。
命式とは、生年月日と生まれた時間を干支に置き換えた表のことです。生まれた日の干支が戊寅・甲午・戊申・甲子のどれかで、季節も合えば天赦が立ちます。日柱と生まれた月だけで決まるので、生まれた時間がわからなくても確かめられます。
- 命式を出し、日柱(生まれた日の干支)を見る
- 日柱が戊寅・甲午・戊申・甲子のどれかを確かめる
- 生まれた月が、その干支に対応する季節かを確かめる
天赦日は年に数回しかないので、命式に天赦がないのが普通です。ないからといって、何かが欠けているということではありません。
命式全体のしくみは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
-
-
四柱推命とは?生年月日から何がわかるのか、900年前の原典が語る仕組みをやさしく解説
四柱推命とは 四柱推命とは、生年月日と生まれた時間を暦の文字(干支)に置き換え、そこに並ぶ8つの文字の関係から、その人の性質と運勢の流れを読む占いです。中国で生まれ、日本でも長く親しまれてきた占いで、 ...
続きを見る
意味も理由も、「論天赦」は書いていない
「論天赦」の篇が書いているのは、成立の条件と「生まれ日で見る」という点だけで、どんな人になるかは書かれていません。吉凶に触れるのは、巻四「金玉賦」の1句だけです。命が弱く殺が強いときは、天赦と二徳(天徳・月徳)が吉兆となる、という趣旨です。「やり直しがきく人」といった性格の見方は、「赦」の字から導いた現代の読み方です。
春と秋に戊、夏と冬に甲が当てられる理由も、原典は説明していません。後の時代の解説にはいくつか説があります。ただ、どれも原典に根拠のある説明ではありません。
天赦のように、干支の組み合わせで命式に立つ星を特殊星(神殺)と呼びます。特殊星の全体像は、こちらの記事でどうぞ。
-
-
四柱推命の特殊星(神殺)とは?吉星・凶星の意味と調べ方、原典の本当の扱い
四柱推命の特殊星(神殺)とは 四柱推命の特殊星(とくしゅせい)とは、命式の天干と地支の決まった組み合わせに、名前をつけた星です。古くは「神殺(しんさつ)」と呼ばれ、天乙貴人・駅馬・羊刃などがその代表で ...
続きを見る

原典と現代の天赦日、ここが違う
結論から言うと、天赦日の条件は同じで、使い方が違います。原典は命式の星として、現代の暦は日取りの吉日として天赦日を使っています。
原典は「生まれた日」、現代は「始める日」
原典『淵海子平』は、天赦を生まれ日で見る星と明言しています。天赦日に何かを始めるとよい、という使い方は原典にはありません。
原典推命堂は天赦を命式の星の追加候補として記録しています。ただし当サイトの無料鑑定では、まだ表示していません。
開運の効き目は原典にありません
「天赦日に財布を新調すると金運が上がる」といった効き目は、原典にはありません。「論天赦」の篇は、成立の条件だけを記しています。巻四で吉兆として触れるのも、命が弱く殺が強いときの1句だけです。開運の話は、後の時代に暦の世界で育った楽しみ方です。
原典は吉星だけに頼るなと書く
天赦の二つ前の篇「論十干祿」には、ある戒めが引かれています。禄・駅馬・貴人だけを頼りにせず、五行の良し悪しをよく調べよという趣旨です。
吉星一つで運命を決めないのが、原典の姿勢です。天赦日の縁起を楽しみつつ、命式全体を見る目も忘れないでいたいところです。
反対に原典には、凶とされる日の星も並んでいます。こちらの記事で詳しく紹介しています。
-
-
四柱推命の十悪大敗日・四廃日とは?物騒な名前の凶日の意味を原典から
十悪大敗日・四廃日とは 十悪大敗日(じゅうあくたいはいび)と四廃日(しはいび)は、四柱推命の特殊星です。どちらも生まれた日の干支(日柱)で判定する星で、原典では凶とされる日(凶日)として載っています。 ...
続きを見る

まとめ
天赦日は、春の戊寅・夏の甲午・秋の戊申・冬の甲子という、季節と干支で決まる吉日です。その由来は、四柱推命の原典『淵海子平』の「論天赦」にあります。
次にすることは二つです。今年の天赦日を暦で確かめることと、自分の生まれた日が天赦日にあたるかを見てみること。自分の日柱は、無料鑑定で命式を出すとすぐにわかります。
今年の運勢
2027年は丁未(ひのとひつじ)の年です。年の干支が変わると、あなたの命式との組み合わせで運勢の流れも変わります。
2027年の運勢の読み方は、記事を準備中です。公開したらここからご案内します。