- 慌てずに持ちこたえる
- 約束を守り、信用を積む
- 人の世話を引き受ける
- 裏返すと:抱え込みすぎて、動かないことが安心になりやすい
GENTEN SUIMEIDO JOURNAL
戊辰(つちのえたつ)の性格と特徴|日柱が戊辰の人を四柱推命の原典から
戊辰とは
戊辰(つちのえたつ)とは、六十干支の5番目の干支です。四柱推命では、日柱が戊辰の人の本質をこの2文字で見ていきます。
上に立つのは十干の戊(陽の土)、足元は十二支の辰(土)です。戊は城壁や堤防、辰は春の雨を含んだ温かい土にたとえられます。
たとえるなら、しっとりした春の大地に、どっしりと築かれた土手です。上も下も土で、陰陽も陽どうし。足場と本人が同じ材質でできています。
| 項目 | 戊辰の基本データ |
|---|---|
| 読み | つちのえたつ |
| 六十干支の順番 | 5番目(甲子から数えて) |
| 天干 | 戊(土・陽) |
| 地支 | 辰(土・陽) |
| 五行の関係 | 土と土(天干と地支が同じ五行) |
| 日干戊から見た十二運 | 冠帯 |
| 空亡(天中殺) | 戌・亥 |
| 日柱の特殊星 | 日徳(無料鑑定では表示なし)・華蓋 |
天干と地支が同じ五行の干支は、六十干支に12個しかありません。戊辰はそのうちの一つです。
足元に自分と同じ土があるので、根が深く、揺さぶられても崩れにくい配置です。戊辰の話は、この安定感から始まります。
ちなみに幕末の戊辰戦争は、1868年がこの干支の年だったことから名付けられました。暦の上では、60年ごとに戊辰の年が巡ってきます。
六十干支の並びと、干支が60通りになる仕組みはこちらの記事でどうぞ。
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日柱の上下2文字が何を表すかは、こちらの記事で紹介しています。
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戊辰の性格と持ち味
戊辰の人の性格を、今の四柱推命で広く使われる読み方で紹介します。命式のほかの文字しだいで出方は変わるので、目安としてどうぞ。
簡単には崩れない土台
戊辰の人の持ち味は、崩れにくい安定感です。周りが慌てているときほど、落ち着いた判断ができるとされます。
一度引き受けたことは、最後まで持ちこたえます。長く続く仕事や人間関係ほど、戊辰の人の強さが見えてきます。
いろいろなものを抱えられる器
辰は「庫(くら)」と呼ばれる十二支で、中に3つの干を蔵しています。戊から見ると、正官・正財・比肩という星がそろう形です。
正官は責任感、正財は堅実なお金の感覚、比肩は自分らしさです。責任と実利と自分を、一つの蔵に同居させているのが戊辰の人です。
体裁を整える自覚
十二運の冠帯は、成人して正装を身につける段階です。人前できちんとしていたい、という気持ちが強い性格とされます。
弱点は、どっしりしすぎることです。変化が必要な場面でも、今の形を守ろうとして頑固に見られがちです。

恋愛・仕事・相性での戊辰
恋愛:安心させることで愛情を示す
戊辰の人の恋愛は、相手に安心を渡す形で表れます。派手な言葉より、約束を守り続けることで気持ちを伝えます。
恋愛の始まりはゆっくりです。けれど一度決めた相手とは、長く穏やかな関係を築くとされます。
気をつけたいのは、相手の問題まで自分の蔵にしまい込むことです。頼られるほど黙って抱える癖は、恋愛でも出やすくなります。
仕事:信用で任される人
足元の正官と正財は、組織の中で信用を積む力です。管理・経理・不動産・公的な仕事など、堅実さが評価される仕事で力が出るとされます。
冠帯の自覚もあり、肩書きを持つと責任感が一段と強まるタイプです。任される立場になってから、仕事ぶりが伸びていきます。
相性:土を動かしてくれる相手
四柱推命の相性は、日柱どうしの五行の関係を見ます。戊辰の人は、固まった土に風を通してくれる相手と補い合えるとされます。
同じ土が重なる相手とは、安心感はあっても変化が起きにくい関係になりがちです。違うリズムの人ほど、戊辰の人の世界を広げてくれます。
ただし四柱推命の相性は、日柱1本だけで決まるものではありません。二人の命式全体の五行を並べて、足りないものを補い合えるかを見るのが本来の相性の見方です。

戊辰の十二運「冠帯」と特殊星・空亡
十二運は「冠帯」
十二運とは、日干の勢いを人の一生にたとえた12の段階です。戊から見た辰は、3番目の「冠帯」にあたります。
戊は陰陽でいうと陽の干なので、十二運を順回りに進みます。長生の寅から数えて、3つ目の辰が冠帯です。
長生で生まれ、沐浴で産湯につかり、冠帯で一人前の装いを整えます。これから世に出ていく、若い勢いの段階です。
盛りの頂点はまだ先にあります。伸びしろを残したまま、形を整えていくのが冠帯の戊辰らしさです。
冠帯の意味や性格は、こちらの記事で詳しく扱っています。
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特殊星は「日徳」、魁罡ではない
戊辰は、原典が挙げる日徳(にっとく)の5日の一つです。日徳は、生まれた日の干支だけで決まる特殊星です。
ここでよくある混同があります。辰の日柱でも、戊辰は魁罡(かいごう)ではありません。魁罡は庚辰・庚戌・壬辰・戊戌の4日だけです。
日徳と、その仲間の日貴については、こちらの記事でまとめています。
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同じ戊の日柱でも、戊戌は魁罡に入ります。魁罡の4日については、こちらの記事で確かめられます。
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空亡(天中殺)は戌・亥
戊辰の空亡は戌と亥です。十干と十二支を組むと2支が余り、その余りを空亡と呼びます。甲子から癸酉までの10日は、みな同じ戌・亥です。
参考
自分の日柱は、無料で命式を出せるツールで確認できます。自分の命式で確かめたい方は、無料鑑定でどうぞ。
当サイトの無料鑑定では、日徳は星として表示していません。出てきた日柱が戊辰なら、日徳の日と見てください。一方、無料鑑定では華蓋(かがい)が表示されます。辰は申・子・辰の組の華蓋にあたり、日支の辰がそれ自身の華蓋になるためです。

原典『淵海子平』に見る戊辰
『淵海子平』は、宋の徐升の編と伝えられる四柱推命の原典です。その巻五に、日徳の5日を覚えやすく詠んだ詩があります。
戊と丙は龍に騎る。日徳は心を慈しみ深くする
漢文原文
壬戌庚辰日德宮,甲寅戊丙要騎龍,運逢身旺心慈善,日德居多福自豐。
書き下し文
壬戌・庚辰は日徳の宮、甲寅・戊・丙は龍に騎るを要す、運、身旺に逢へば心慈善なり、日徳居ること多ければ福自づから豊かなり。
現代語訳
壬戌と庚辰は日徳の宮。甲寅と、戊・丙は「龍に騎る」(=辰に坐する)ことを要する。運が身旺に逢えば心は慈しみ深く、日徳が多くあれば福はおのずと豊かである。
「龍に騎る」の龍は、十二支の辰のことです。戊が辰に乗れば戊辰、丙が辰に乗れば丙辰。干支の名前を出さずに2日を言い当てた、粋な言い回しです。
巻二の本文でも、原典は日徳について「人の性格を慈しみ深くする」と書いています。原典は、日貴や魁罡の篇でも、星の意味を人の性格の言葉で語っています。
戊の詩が語る「足元」
巻四には、十干それぞれの姿を詠んだ詩もあります。戊の詩は、日柱の足元が虚ろだと土の勢いは崩れると詠みます。
戊辰の足元は、同じ土の辰です。虚ろどころか、土が二重に詰まった足場と呼べる形です。
十二支の詩では、辰は「鍵ひとつで蔵を開けられる」と詠まれます。辰の中の宝は、きっかけがあって初めて表に出る、という見立てです。
四柱推命で戊辰の人を見るときも、何が蔵を開ける鍵になるかが読みどころです。大運や年の巡りで、蔵の中の正官や正財が動き出す時期がある、と見るのが現代の読み方です。
書かれていない「巳」を読む格
原典には、戊辰の日に戊午の時で生まれた命を扱う拱禄格(きょうろくかく)も出てきます。辰と午にはさまれた巳を、見えない禄として数える考え方です。
六十干支で戊辰の次に来るのは、己巳です。こちらで紹介しています。
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己巳(つちのとみ)の性格と特徴|日柱が己巳の人を四柱推命の原典から
己巳とは 己巳(つちのとみ)は、六十干支で6番目に来る干支です。四柱推命で日柱が己巳の人は、この2文字が自分の芯を表します。 十干の己(陰の土)が上に、十二支の巳(火)が下に座ります。己は田畑の土、巳 ...
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原典と現代の戊辰、ここが違う
「慈善」は星の話で、干支の性格描写ではない
原典の「性格を慈しみ深くする」は、日徳という星についての記述です。戊辰という干支だけの性格を決めた言葉ではありません。
原典推命堂は、この一句を原典の見立てとして紹介するにとどめます。性格は、命式全体の五行のバランスと合わせて見ます。
日徳は魁罡を嫌う
原典の日徳の条には、「魁罡を忌む」と書かれています。戊辰は日徳、戊戌は魁罡。同じ戊の日柱が、原典の中で対になっています。
辰の字があるだけで、魁罡と思い込んでしまう方もいます。原典の巻二は魁罡を4日と明言し、戊辰をはっきり日徳のほうに置いています。
戊辰は、自分と同じ土を足場にした干支です。まず自分の日柱を出して、その足場に何が蔵されているかを眺めてみてください。