本文へスキップ
原典推命堂原典をひもとく、四柱推命の読みもの
読みもの 記事

GENTEN SUIMEIDO JOURNAL

四柱推命の十神と六親とは?誰が父で誰が母か、原典の対応と現代の読み方

楼閣と庭に集う女性たちを描いた古い中国画

四柱推命の十神と六親とは

四柱推命の六親(りくしん)とは、父・母・兄弟・配偶者・子・孫といった家族のことです。十神(通変星)のそれぞれを、家族の誰かに当てはめて読むのが「十神と六親」の考え方です。

たとえば「印綬は母」「偏財は父」「比肩は兄弟」。四柱推命の本でおなじみのこの対応は、原典『淵海子平』の巻三にほぼそのまま出典があります。原典は男性用と女性用、二枚の対応表まで載せています。

通変星の解説で「正財は妻」「正官は夫」と書かれているのも、この六親の名残です。四柱推命では、家族を映す星の読み方として長く受け継がれてきました。

ただし、この対応は原典が書かれた時代の家制度を前提に組み立てられたものです。妻と妾を別の星に分け、男女で子を取る星が違います。原典推命堂では、六親を原典の紹介として扱い、鑑定では現代の関係に読み替えています。

六親は、四柱推命の中でも原典の時代の色がいちばん濃く残る分野です。だからこそ、出典を知ってから使うことが大切です。

ポイント

六親=父・母・兄弟・配偶者・子・孫。通変星を家族に割り当てる伝統です。 出典は原典『淵海子平』巻三。男命と女命で対応が違います。

十神そのものの仕組みは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

あわせて読みたい
赤い紙に筆で漢字を書く手元
四柱推命の十神(通変星)とは?正官・傷官など10の星の意味と決まり方

四柱推命の十神とは 四柱推命の十神(じっしん)とは、日干から見たほかの天干との関係に付けた10の名前です。日本では通変星(つうへんせい)とも呼ばれます。正官・偏官・印綬・偏印・正財・偏財・食神・傷官・ ...

続きを見る

屏風のある座敷に家族が集う様子を描いた古い絵

原典が示す十神と六親の対応表

原典の「六親總論」は、日干(自分)から見た十神を、家族の続柄に一つずつ当てています。まず男性の命式(男命)の対応です。

十神原典の続柄(男命)
印綬(正印)母
偏印偏母・祖父
偏財父、また妾
正財妻
比肩兄弟姉妹
偏官(七殺)男児
正官女児
食神男の孫
傷官女の孫・祖母

母は印綬、父は偏財、兄弟は比肩、配偶者は正財。現代の解説で見かける対応の多くは、ここが元になっています。偏財が「父」と「妾」の二役を持っているのも、原典ならではの細かさです。

祖父母や孫まで星が割り当てられているのも見どころです。偏印は祖父、傷官は祖母も兼ねます。三世代の家族が、十の星の中に収まっているのです。

女命では「夫」と「子」の星が変わる

原典は「女性の命で六親を取るのは、男性の命とは異なる」とはっきり書いています。女性の命式(女命)では、次のように変わります。

十神原典の続柄(女命)
正官夫
偏官(七殺)正式でない夫
食神男児
傷官女児

男命では官が子、女命では官が夫。同じ星が、性別で正反対の家族を指すのです。子の星は、男命は偏官・正官、女命は食神・傷官と入れ替わります。

やってみると早い

自分の命式にどの通変星が並ぶかは、生年月日と生まれた時間から出せます。 自分の命式で確かめたい方は、無料鑑定で十神まで出してみてください。

黒と白が組み合わさった立体の太極図

なぜその十神がその家族なのか

この対応の多くは、十神の土台にある五行の「生む・抑える」の関係からたどれます。ここでは、原典が書いた理由と、書いていない部分を分けて見ます。

通変星の名前を丸暗記するより、理屈で追うほうがずっと忘れにくいものです。順に見ていきましょう。

母は「自分を生む星」

印綬は、日干を生む五行です。原典の「論母」も、正印を「我が身を生ずるもの(自分を生んでくれるもの)」と書き、母に当てます。理屈がいちばん素直な対応です。

印綬の持ち味は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

あわせて読みたい
漢字が刻まれた石の印章と朱色の印影
四柱推命の印綬とは?性格・才能と命式での読み方を原典『淵海子平』から

四柱推命の印綬とは 四柱推命の印綬(いんじゅ)とは、十神の一つで、日干を生かしてくれる星です。五行で日干を生む干のうち、日干と陰陽が違うものを印綬と呼びます。 たとえば日干が甲(陽の木)なら、印綬は癸 ...

続きを見る

父は「母の夫にあたる星」

偏財が父になる理屈は、少しパズルのようです。原典の「論父」は、偏財を「印綬の官星」と説明しています。官星は女命で夫の星なので、母の夫にあたる星が父という理屈です。

たとえば甲の日干なら、母は癸です。癸を抑える土のうち、陰陽の違う戊が癸の「夫」にあたります。

甲から見た戊は偏財です。原典も「甲日は戊を以て父と為す」と、この例をそのまま挙げています。

偏財のほかの顔は、こちらの記事で紹介しています。

あわせて読みたい
赤い提灯が連なる夜市を行き交う人々
四柱推命の偏財とは?性格・才能と命式での読み方を原典『淵海子平』から

四柱推命の偏財とは 四柱推命の偏財(へんざい)とは、日干が剋す五行のうち、陰陽が同じ天干に付く通変星です。日干は命式の日柱の上の文字で、あなた自身を表します。剋すとは、自分が抑えて扱う関係のことです。 ...

続きを見る

兄弟は「自分と同じ星」

比肩は日干と同じ五行で、原典はこれを兄弟姉妹に当てます。理由は書かれていませんが、同じ世代に横並びの存在と考えると自然です。仲間であり、取り分を分け合う相手でもあります。

比肩の性質は、こちらの記事で紹介しています。

あわせて読みたい
木立に囲まれた寺の参道を並んで歩く和装の二人
四柱推命の比肩とは?性格・才能と命式での読み方を原典『淵海子平』から

四柱推命の比肩とは 四柱推命の比肩(ひけん)とは、日干と五行も陰陽も同じ干に付く十神です。日干は生まれた日の天干で、命式の中の「自分」を表します。命式に並ぶ「もう一人の自分」が比肩です。 十神は、日本 ...

続きを見る

配偶者と子は「剋す」と「生む」

男命では、自分が剋す財が妻です。子の星について、原典は経典の句を引き、「男は日干を剋すものを跡継ぎとする」とだけ書いています。

「妻(財)が生む五行が官だから、官が子」と説明されることもあります。けれどもこの理屈は原典には書かれていません。父のときと違い、原典は子の理由を経典の一句で済ませています。

女命は、自分を剋す官が夫、自分が生む食傷が子です。経典の句も「女は日干が生むものを子とする」と書きます。

家の跡継ぎと、産むという行為。二つの論理が、四柱推命の一つの表に同居しています。

漢字の刻まれた古い竹簡のような書が並ぶ棚

原典『淵海子平』の「六親總論」を読む

六親の対応は、原典『淵海子平』巻三の冒頭「六親總論」にまとまっています。星と家族を結ぶ一節を見てみましょう。

原典『淵海子平』巻三「六親總論」(YHE-J3-001)

六親とは父・母・兄弟・妻財・子・孫である

漢文原文

夫六親者:父、母、兄弟、妻財、子、孫是也。用日干為主:正印正母;偏印偏母及祖父也;偏財是父,乃母之夫星也,亦為偏妻;正財為妻;偏財為妾,為父是也;比肩為兄弟姊妹也;七殺是男;正官是女;食神是男孫;傷官是女孫及祖母也。婦人命取六親,與男命不同:取官星為夫星;七殺是偏夫;食神是男;傷官是女。經云:『男取尅干為嗣,女取干生為子息及奴婢也。』

書き下し文

夫れ六親とは、父・母・兄弟・妻財・子・孫、是なり。日干を用ひて主と為す。正印は正母。偏印は偏母及び祖父なり。偏財は是れ父、乃ち母の夫星なり、亦た偏妻と為す。正財は妻と為す。偏財は妾と為し、父と為すこと是なり。比肩は兄弟姉妹と為すなり。七殺は是れ男。正官は是れ女。食神は是れ男孫。傷官は是れ女孫及び祖母なり。婦人の命、六親を取るは、男命と同じからず。官星を取りて夫星と為し、七殺は是れ偏夫、食神は是れ男、傷官は是れ女。経に云ふ、「男は干を剋するを取りて嗣と為し、女は干の生ずるを取りて子息及び奴婢と為すなり」と。

現代語訳

六親とは、父・母・兄弟・妻財・子・孫のことである。日干を主体として見る。正印が正妻としての母、偏印は偏った母および祖父。偏財は父であり、母の夫にあたる星で、また偏った妻(妾)でもある。正財は妻とする。偏財は妾であり、父でもある。比肩は兄弟姉妹である。七殺は男児、正官は女児、食神は男の孫、傷官は女の孫および祖母である。女性の命で六親を取るのは、男性の命とは異なる。官星を夫星とし、七殺は正式でない夫、食神は男児、傷官は女児とする。経典にいう、「男は日干を剋すものを跡継ぎとし、女は日干が生むものを子および使用人とする」。

「妻妾」「奴婢(使用人)」「嗣(跡継ぎ)」。こうした言葉が並ぶところに、原典の時代がそのまま出ています。六親の対応表は、当時の家の中の力関係を写したものでもあるのです。

同じ巻三には「六親捷要歌」という七言の覚え歌もあります。そこでは男の子を「麒麟」と呼び、偏官の人は娘が多いと歌います。跡継ぎを瑞獣にたとえるほど、家の存続が大きな関心事でした。

原典の別の表には、夫の弟にまで星が割り当てられています。女命の乙日なら、庚が夫、辛が夫の弟です。嫁ぎ先の家族まで命式に書き込むのが、原典の六親の細かさです。

原典はさらに、母を剋す、子に恵まれにくいといった細かな場合分けまで書いています。これは当時の記録として読むもので、現代の鑑定には持ち込みません。

夕日に照らされた木造の家と軒先の提灯

原典と現代の六親、ここが違う

性別で分けず、パートナーとして読む

原典は男命と女命で六親の表を分けています。原典推命堂では、これを性別を問わない関係に読み替えています。正財・正官は「パートナー」、食神・傷官は「自分が育てるもの」として見ます。

現代の通変星の解説にも、「正財は妻」「正官は夫」と性別のまま書くものがあります。四柱推命の鑑定を受けるときは、その対応が原典の時代の言葉だと知っておくと安心です。

同性のパートナーや事実婚でも、四柱推命の読み方は変わりません。大切なのは続柄の名前ではなく、その人と自分がどんな関係で結ばれているかです。

注意

家族の健康・関係の良し悪し、子の有無や人数・性別は占いません。

原典にある「母を剋す」「子は何人」といった記述は、当時の家督相続の関心を映した記録です。

続柄を当てるより、関係のテーマで読む

「誰が父で誰が母か」を当てにいくより、関係の種類として読むほうが今の暮らしに合います。原典推命堂では、次のように置き換えています。

  • 印綬・偏印:支えてくれる人、学びの源、後ろ盾
  • 比肩・劫財:仲間や競争相手、分け合う関係
  • 食神・傷官:自分が生み出し、育てるもの
  • 正財・偏財:自分が扱う資源、関わる相手との距離
  • 正官・偏官:自分を律する基準、責任のありか

流派差:「父は正財」とする説もある

六親の対応には流派差があります。父を正財とする説や、女命の子を官に取る説も見かけます。

原典『淵海子平』は「偏財是父」「女命は食傷が子」と明言しています。原典推命堂は、この原典の対応を紹介したうえで、関係のテーマに読み替えています。

柱の配当は、今も使える

原典は年柱を祖先、月柱を父母・兄弟、日柱を配偶者と自分に当てています。続柄の断定を外せば、今も生きる読み方です。年=ルーツ、月=育ちと社会、日=自分と身近な人と置き換えます。

十神が人柄にどう表れるかは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

あわせて読みたい
赤い岩と流木の上に置かれた二つの水晶玉
四柱推命の十神でわかる性格とは?原典『論性情』に書かれた気質の読み方

四柱推命の十神と性格とは 四柱推命の十神で性格を見るとは、自分自身と、命式のほかの文字との関係から気質を読むことです。十神は日本では通変星とも呼ばれ、正官・傷官・印綬など10の星があります。 自分自身 ...

続きを見る

古い木の幹から芽吹いた若葉

まとめ

六親は、十神を家族に当てた昔の地図です。「印綬は母」「偏財は父」の出典を知ると、四柱推命の解説がぐっと立体的に読めます。

次にすることは、自分の命式の十神を「支える・並ぶ・育てる」の関係で眺めてみることです。家族の誰かを当てるより、身近な人との付き合い方のヒントが見えてきます。


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA