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原典推命堂原典をひもとく、四柱推命の読みもの
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GENTEN SUIMEIDO JOURNAL

四柱推命の禄(十干禄・建禄)とは?「給料の星」の意味と出し方を原典から

漢字が刻まれた四角い穴の古い銅銭

四柱推命の禄とは

四柱推命の禄(ろく)とは、日干が最も落ち着いて力を出せる地支のことです。日干は生まれた日の天干で、命式の主人公にあたる文字です。十干それぞれに禄の地支が一つずつ決まっていて、これを「十干禄」と呼びます。

「禄」はもともと、役人に支払われた給料を指す言葉です。米や絹で渡された、暮らしの糧そのものでした。日本語の「禄を食む」という言い方にも、この意味が残っています。

四柱推命の禄は、その意味をそのまま星にしたものです。自分の力で食べていける足場を表す星と考えると、わかりやすいでしょう。特殊星(神殺)の中でも、最も基本の星の一つです。

四柱推命の古い本では、禄・駅馬・貴人の三つを「禄馬貴人」とまとめて呼びました。暮らしの糧・動き・人の助けという、基本の星の三点セットです。

禄=暮らしの足場

禄の位置は、十二運(日干の勢いを12段階で表したもの)の「臨官」と同じです。そのため臨官は「建禄(けんろく)」とも呼ばれます。十二運の中で、社会に出て自分の力で立つ段階にあたります。

臨官の意味と読み方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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禄でわかること

禄からわかるのは、その人が暮らしの土台をどこで築きやすいかです。命式に自分の禄があると、自分の足で立つ力があると見られます。現代の一般的な読み方では、実務に強く、堅実に積み上げる人とされます。

ただし、禄は「お金持ちになる星」ではありません。後で紹介するとおり、原典自身がそう書いています。給料の星というより、足場の星として受け止めてください。

四柱推命で禄が注目されるのは、仕事や働き方との結びつきが強いからです。禄を持つ人は、人の引き立てを待つより、自分の腕で立場を築くタイプとされます。

柱ごとの呼び名と読み方

禄は、どの柱にあるかで呼び名が変わる星です。「ある・ない」だけで終わらないのが、ほかの星との違いです。

  1. 年柱:生まれ育った環境に、暮らしの土台がある
  2. 月柱(建禄):仕事や社会の場で、自分の力で立つ
  3. 日柱(専禄):本人の芯が据わっている
  4. 時柱(帰禄):人生の後半に土台が固まりやすい

「建禄」は臨官の別名であると同時に、月支に禄がある形の呼び名でもあります。時支に禄がある形は「帰禄」です。原典『淵海子平』は特に帰禄を好んで取り上げ、「帰禄格」という命式の型まで立てています。

大運や年の運で禄が巡るとき

命式に禄がなくても、大運(10年ごとの運)や年の運で禄の地支が巡ることがあります。その時期は、仕事や暮らしの足場を固めやすいと見られます。

反対に、禄の地支が沖(正面からぶつかる関係)を受けると、足場が揺れやすいとされます。原典も帰禄の説明で、禄の地支が沖で壊されるのを嫌うと書いています。

禄を持たないことを、土台がないと読む必要はありません。後で紹介するように、十二支のうち4つには禄が一つもないからです。禄を持たない命式は珍しくないのです。

夜にともる寅や子など十二支の動物の灯籠

禄の出し方と十干禄の表

禄は、日干から引く特殊星です。日干を下の表に当てはめ、出てきた地支が命式にあるかを見ます。

日干禄の地支
甲(木の陽)寅
乙(木の陰)卯
丙(火の陽)巳
丁(火の陰)午
戊(土の陽)巳
己(土の陰)午
庚(金の陽)申
辛(金の陰)酉
壬(水の陽)亥
癸(水の陰)子

調べ方の手順

  1. 命式を出し、日干を確かめる
  2. 表から、日干の禄の地支を引く
  3. その地支が年支・月支・日支・時支のどこにあるか見る

たとえば日干が甲なら、禄は寅です。月支が寅なら建禄、時支が寅なら帰禄です。自分の命式で確かめたい方は、無料鑑定で命式を出してみてください。

命式の組み立ての全体像は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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表に隠れた規則

並べてみると、木は東の寅卯、火は南の巳午、金は西の申酉、水は北の亥子に禄があります。五行と方角・季節が、そのまま重なっています。陽干は寅申巳亥、陰干は子午卯酉という分かれ方もしています。

土の戊と己だけは、土の支ではなく火の巳・午に禄があります。原典はその理由を書いていません。現代の解説では、火と土を同じ根と見る「火土同根」の考え方で説明されます。十二運でも、戊は丙と、己は丁と同じ並びで数えます。

辰戌丑未には禄がない

表を見ると、辰・戌・丑・未の4つには、どの干の禄もありません。十二支のうち3分の1が、まるごと外れています。

辰戌丑未は、季節の変わり目を受け持つ土の支です。どの干にとっても「自分の季節のまん中」にならないので、禄になりにくいという説明があります。これは現代の一般的な説明で、原典の説明は次の節で紹介します。

禄から引ける星

禄は、ほかの星の物差しにもなります。禄の一つ先が羊刃(陽干のみ)、二つ先が金輿禄です。

陽干の羊刃は、十二運でいえば臨官の次の「帝旺」にあたります。臨官で自分の足で立ち、帝旺で勢いが頂点に達する並びです。

禄の表を一つ覚えれば、羊刃も金輿禄も引けます。勢いが頂点に達した強さの星、羊刃はこちらの記事で詳しく紹介しています。

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原典『淵海子平』が書いた禄

四柱推命の原典『淵海子平』の巻一には、貴人や駅馬など神殺の篇が30ほど並びます。禄はその中ほど、「論十干祿」という篇にあります。十干の禄を一行で並べ、辰戌丑未にない理由まで一息に書いた篇です。

原典『淵海子平』巻一「論十干祿」(YHE-J1-036)

禄とは、天干が地支において盛んになる場所である

漢文原文

甲祿在寅,乙祿在卯,丙戊祿在巳,丁己祿在午,庚祿居申,辛祿居酉,壬祿在亥,癸祿在子。 夫祿者,以天干地支所旺之鄉。如甲祿在寅,乃東方甲乙之地支,辰、寅、卯配之,餘皆同此。辰戌丑未乃魁罡惡殺,祿神不臨也。

書き下し文

甲の祿は寅に在り、乙の祿は卯に在り、丙・戊の祿は巳に在り、丁・己の祿は午に在り、庚の祿は申に居り、辛の祿は酉に居り、壬の祿は亥に在り、癸の祿は子に在り。夫れ祿なる者は、天干の地支に旺ずる所の郷を以てす。甲の祿の寅に在るが如きは、乃ち東方甲乙の地支にして、辰・寅・卯之に配す。余は皆此に同じ。辰戌丑未は乃ち魁罡の惡殺にして、祿神臨まざるなり。

現代語訳

甲の禄は寅、乙の禄は卯、丙と戊の禄は巳、丁と己の禄は午、庚の禄は申、辛の禄は酉、壬の禄は亥、癸の禄は子にある。禄とは、天干がその地支において盛んになる場所のことである。甲の禄が寅にあるというのは、東方すなわち甲乙の地支だからで、そこに配されている。ほかもすべて同じ考え方だ。辰・戌・丑・未は魁罡という悪い殺であって、禄の神は降りてこない。

「辰戌丑未は魁罡の悪殺」

原典の理由は一行です。辰・戌・丑・未は「魁罡(かいごう)」という悪い星の地なので、禄の神は降りてこない、というものです。

原典は天乙貴人の篇でも、辰と戌は魁罡の地なので貴人が降りないと書いています。同じ理屈を、禄では土の支4つにまで広げているのが面白いところです。

ほめる前に釘を刺す

この篇の後半で、原典は「禄・駅馬・貴人だけを頼りにするな」という古い句を引いています。禄を紹介したその場で、期待しすぎるなと念を押しているのです。

特殊星全体に対する原典の慎重さは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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「禄=金運の星」ではない

現代の四柱推命の解説には、禄を金運の星として紹介するものがあります。原典の立場ははっきりしていて、禄があるだけでは豊かさは決まらないと明言しています。巻三の二つの篇に、ほぼ同じ句が出てくるほどです。

原典『淵海子平』巻三「雜論口訣」(YHE-J3-028)

禄から外れても貧しからず、建禄でも富まず

漢文原文

但看,財命有氣,縱背祿而不貧;財絕命衰,縱建祿而不富。

書き下し文

但だ看よ、財命に気有らば、縦ひ祿に背くとも貧しからず。財絶え命衰へば、縦ひ建祿なるとも富まず。

現代語訳

ただこう見よ。財と日干に力があれば、たとえ禄から外れていても貧しくはならない。財が絶え日干が衰えていれば、たとえ建禄であっても富まない。

原典が先に見よと言うのは、財(お金を表す星)と日干の力です。原典推命堂もこれに従い、禄一つでお金や暮らし向きを判断しません。

「建禄格」は原典にない呼び名

現代では、月支に禄がある命式を「建禄格」と呼びます。原典は月支の禄を、巻四の四言獨步で「月令見祿」(月令に禄を見る)という言い方で扱いますが、格局の篇に建禄格という名前の格はありません。

一方、時支の禄は巻二に「帰禄格」として独立した項目があります。原典推命堂は、月支の禄を格の名前ではなく、禄の位置の一つとして扱います。

無料鑑定に「禄」の項目はない

原典推命堂の無料鑑定の特殊星一覧には、禄という項目がありません。禄は星として表示するより、金輿禄などを引く土台として使っているためです。禄と同じ位置は、十二運の「臨官」として確かめられます。

雲海の上に日が差す山並み

まとめ

四柱推命の禄は、自分の力で立つための足場を示す星です。あるかないかより、命式全体の中でどう働くかが大切だと、900年前の原典がすでに書いています。

次にすることは、自分の日干の禄を表から引き、4つの地支に探してみることです。月支なら建禄、時支なら帰禄です。見つからなくても、禄を持たない命式は珍しくありません。


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