GENTEN SUIMEIDO JOURNAL
四柱推命の天官貴人・天廚貴人・福星貴人とは?3つの貴人の意味と出し方
天官貴人・天廚貴人・福星貴人とは
福星貴人(ふくせいきじん)とは、名前のとおり「福の星」とされる四柱推命の吉星です。天官貴人(てんかんきじん)・天廚貴人(てんちゅうきじん)も、同じ「貴人」の名を持つ神殺です。
神殺とは、干支の組み合わせで決まる補助的な星のことです。3つの星は、どれも年干や日干の十干ごとに決まった地支が、命式にあるかどうかで判定します。天廚は「天厨」と書かれることもあります。
天官貴人は肩書きの星、天廚貴人は暮らしの糧の星、福星貴人は福の星です。この記事では3つの貴人の意味と出し方を、原典の記述とあわせて紹介します。
「貴人」は天乙貴人だけではない
四柱推命で貴人といえば、まず天乙貴人が挙がります。ところが原典『淵海子平』巻一には、「貴人」と名のつく星がいくつも並んでいます。
3つの貴人は、その中でも十干から引くだけで出せる、仕組みのシンプルな星です。
おもしろいのは、貴人ごとに作りの理屈がまったく違うことです。神殺は一つの体系ではなく、出どころの違う星を集めた棚のようなものです。
吉星の代表格の天乙貴人は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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四柱推命の天乙貴人とは?意味と調べ方、命式にあるときの読み方を原典から
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天官貴人は「肩書き」の星
「天官」は天の役所、転じて朝廷の官職のことです。天乙貴人が「助けてくれる人」の星なら、天官貴人は役職や地位そのものを表す星です。
年干で見て、時柱にあると最もよい
原典は天官貴人について、生まれ年の干で見ると基準をはっきり書いています。さらに「時柱にあればとてもよい」と、柱ごとの重みまで添えています。
原典の特殊星の多くは、どの柱にあるとよいかまでは書いていません。柱による違いを原典が書き残した星は、実は多くありません。
日干ではなく年干で見るのも、この星の特徴です。たとえば年干が甲の人なら、天官貴人は未です。命式の時柱に未があれば、原典が最もよいとする形です。
天官貴人がある人の持ち味
現代の一般的な解釈では、天官貴人がある人は組織の中で肩書きや責任ある立場に縁があるとされます。決まりを守って物事を回す仕事と相性がよいタイプです。
裏返すと、肩書きや立場に縛られやすい面もあります。役割を降りるのが苦手になりやすいので、心に留めておきたいところです。
四柱推命の十神にも、役職や規律を表す正官という星があります。同じ「官」の字を持つ星として、あわせて読んでみてください。
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天廚貴人は「天の台所」の星
「廚」は台所のことで、天廚は「天の台所」です。天廚貴人は、食べ物と暮らしの糧を司る星とされてきました。
表の正体は「食神の禄」
この星の表を並べると、はっきりした理屈が見えてきます。日干から見た食神が、最も力を持つ地支(禄)をそのまま取っているのです。
食神は、食べる・生み出す・楽しむを表す十神です。その力が満ちる場所だから「天の台所」。名前と仕組みがぴたりと合った星です。
十神の食神にも「天廚」という別名があり、名前の上でもつながっています。十神のこの星は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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四柱推命の食神とは?性格・才能と命式での読み方を原典『淵海子平』から
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歌に出てくる星座の名前
原典の歌は、地支を西洋の十二星座の名前で呼んでいます。獅子や天蠍、宝瓶といった、今でもおなじみの名前です。
天廚は天の禄を注ぎ、福と知恵の両方でゆったりさせる
漢文原文
甲丙愛行雙女遊,乙丁獅子己金牛,戊坐木陽庚魚腹,二千石祿坐皇州, 癸用天蠍壬人馬,辛到寶瓶祿自由,寅是天廚注天祿,令人福慧兩優遊。
書き下し文
甲丙は愛して雙女に行き遊び、乙丁は獅子、己は金牛。戊は木陽に坐し、庚は魚腹。二千石の祿もて皇州に坐す。癸は天蠍を用ひ、壬は人馬。辛は寶瓶に到りて祿自から由る。寅は是れ天廚、天祿を注ぐなり。人をして福慧の両つながら優遊ならしむ。
現代語訳
甲と丙は雙女宮(巳)、乙と丁は獅子宮(午)、己は金牛宮(酉)。戊は「木陽」に坐し、庚は魚腹=双魚宮(亥)。二千石の俸禄を得て都に坐る。癸は天蠍宮(卯)、壬は人馬宮(寅)、辛は宝瓶宮(子)に到って俸禄が自ずと流れてくる。寅は天廚であって、天の禄を注ぐ。人を福と知恵の両方でゆったりと遊ばせる。
中国の暦では、十二星座と十二支が一つずつ対応づけられていました。歌はそれを前提に、地支を星座の名で呼んでいます。四柱推命の歌に西洋の星座名が混ざっているのは、珍しい例です。ただし原典の本文では、戊の所が「木陽」、結びの句の頭が「寅是」となっていて、どちらも意味が取りにくい字です。表の戊の申は、星座の名からではなく、食神の禄という表の理屈から補っています。
「二千石」は、昔の中国の高級官僚が受け取った俸禄の額です。結びの「福と知恵の両方でゆったり」という言葉に、豊かさの星らしい穏やかさが表れています。
天廚貴人がある人の持ち味
現代の四柱推命の一般的な解釈では、この星がある人は衣食住の安定に縁があるとされます。日干から見た食べる力が満ちる星なので、食や手仕事、人をもてなすことと相性がよいタイプです。裏返すと、「足りているから」と挑戦を先送りしやすい面もあります。

福星貴人は「福の星」
福星貴人は、そのまま「福の星」です。原典には成立の歌だけが載っていて、意味の説明はありません。名前が持つ福のイメージが、そのまま読み方になってきました。
説明を省いても名前で伝わる、と考えられていたのかもしれません。四柱推命の古い教科書らしい、おおらかな書き方です。
福星貴人がある人の持ち味
現代の四柱推命では、福星貴人がある人は大ごとになりそうでも、うまく収まる運のよさがあるとされます。周りとの縁が穏やかなのも、福星貴人らしい持ち味です。
裏返すと、恵まれていることに気づきにくい面もあります。当たり前だと思わず、周りへの感謝を忘れないことが福星貴人を生かす鍵です。
歌の地支が一つに決まらない
福星貴人の歌では、乙・丙・丁が二度ずつ出てきます。甲も虎と鼠の2か所を持つので、甲・乙・丙・丁は引ける地支が2つ以上あります。
歌は十二支を、虎や鼠、龍といった動物の居場所で呼んでいます。壬が「龍の背に乗る」という言い回しは、原典巻二の格局の名にも使われています。
原典の歌そのものが、一つの表に決まらない作りになっているのです。どの地支を採るかは、流派によって分かれています。

3つの貴人の調べ方と早見表
3つの貴人は、十干を下の表に当てはめて出します。出てきた字が、命式の4つの柱の下の字のどこかにあれば成立です。
| 十干 | 天官貴人 | 天廚貴人 | 福星貴人 |
|---|---|---|---|
| 甲 | 未 | 巳 | 寅・子 |
| 乙 | 辰 | 午 | 亥・丑 |
| 丙 | 巳 | 巳 | 寅・子・戌 |
| 丁 | 酉 | 午 | 亥・酉 |
| 戊 | 戌 | 申 | 申 |
| 己 | 卯 | 酉 | 未 |
| 庚 | 亥 | 亥 | 午 |
| 辛 | 申 | 子 | 巳 |
| 壬 | 寅 | 寅 | 辰 |
| 癸 | 午 | 卯 | 丑 |
天官貴人は年干(生まれた年の天干)で引くのが、原典巻一「起天官貴人」の指示です。天廚貴人と福星貴人は、原典に基準の柱が書かれていません。年干で見る流儀と、日干(生まれた日の天干)で見る流儀があります。
原典推命堂はこの2つの星を判定に使っていないため、この記事では両方の見方を紹介しています。
たとえば日干が甲の人なら、天廚貴人は巳、福星貴人は寅か子です。命式の年支・月支・日支・時支と見比べてみてください。天廚貴人は食神の禄なので、日干で引くと理屈がきれいに通ります。
まず命式を出してみる
3つの貴人を調べるには、年干・日干と4つの柱の下の字がわかる命式が必要です。 無料で命式を出せるツールを使えば、命式の8文字がすぐにわかります。自分の命式で確かめたい方は無料鑑定でどうぞ。
3つとも命式にない人も、まったく珍しくありません。四柱推命では、星がないことを欠点とは受け取りません。命式の8文字の読み方は、こちらの記事から入るとわかりやすいです。
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原典と現代の3つの貴人、ここが違う
天廚貴人の表は文昌貴人とほぼ同じ
現代で知られる文昌貴人の表は、天廚貴人の表と10干のうち8干が一致します。違うのは丙と丁だけです。
文昌貴人は、原典『淵海子平』には出てきません。発想の近い星が、原典では「天廚」の名で載っているという関係です。原典推命堂は、学びの星として原典にある學堂を採用しています。
福星貴人の表は流派で分かれる
現代の解説では、福星貴人の地支を1干につき1つに絞った表も見られます。原典巻一「論福星貴人」は乙・丙・丁を二度書いており、どれが正しいか決着をつけていません。この記事の表では、歌に出てくる字をすべて載せています。
当サイトの無料鑑定では表示していない
3つの貴人は、原典推命堂が判定に採用している10の特殊星には入っていません。当サイトの無料鑑定では、3つの星は表示していません。気になる方は、この記事の表と自分の命式を見比べてみてください。
原典は同じ巻一で、禄・駅馬・貴人だけを頼りにするなとも書いています。貴人の数を競うより、命式全体の五行を見るのが原典の立場です。