- 人の助けや引き立てを受けやすい場面(貴人の星)
- 学びや知識との縁(學堂貴人)
- 移動・変化・強さなど、動き方の癖(駅馬・羊刃)
- どの柱にあるかで変わる、影響の出やすい場面
GENTEN SUIMEIDO JOURNAL
四柱推命の特殊星(神殺)とは?吉星・凶星の意味と調べ方、原典の本当の扱い
四柱推命の特殊星(神殺)とは
四柱推命の特殊星(とくしゅせい)とは、命式の天干と地支の決まった組み合わせに、名前をつけた星です。古くは「神殺(しんさつ)」と呼ばれ、天乙貴人・駅馬・羊刃などがその代表です。
命式とは、生まれた年・月・日・時刻を干支の8文字に置き換えた表のことです。8文字の中に決まった組み合わせがあれば、「この特殊星がある」と数えます。
特殊星には、助けや守りを表す吉星と、注意をうながす凶星があります。昔の本では、吉星を「吉神」、凶星を「凶殺」と呼び分けてきました。
干支の組み合わせに付けた名前「殺」の字は物騒に見えますが、原典『淵海子平』は吉星のことも「吉煞(きっさつ)」と呼んでいます。煞は殺と同じ字で、ここでは「名前のついた星」くらいの意味です。つまり神殺は、吉凶を問わず特殊星全体を指す言葉です。

特殊星でわかること
四柱推命の特殊星からわかるのは、その人の持ち味に添えられた「色合い」です。貴人の星なら人の助け、駅馬なら移動や変化、華蓋なら独自の感性という具合です。
四柱推命の主役は、あくまで日干(生まれた日の天干)と、ほかの文字との関係です。日干を中心に五行のバランスや十神を見て、命式の骨格を読み解きます。特殊星は、その骨格の上に貼る付箋のようなものです。
特殊星で見えてくること
どの柱に特殊星があるかで、影響が出る場面が変わるとされます。年柱なら生まれ育った環境、月柱なら仕事や社会、日柱なら本人と身近な人です。時柱なら人生の後半や、後に続く人との縁を表します。
一方で、特殊星がほとんどない命式も珍しくありません。星が少ないことは、運が悪いという意味ではありません。大運や年の運で、特殊星の地支が巡ってくる時期もあります。

特殊星の調べ方は「基準」から
四柱推命の特殊星の調べ方は、どの星もほぼ同じ手順です。命式の中の1文字を「基準」にして、決まった天干や地支が命式にあるかを探します。見つかれば、その特殊星の成立の条件を満たします。
基準の取り方は星によって違い、大きく3つのグループに分かれます。
| 基準 | 探す先 | 代表的な特殊星 | 例 |
|---|---|---|---|
| 日干(星によって年干も) | 地支 | 天乙貴人・學堂貴人・金輿禄・羊刃 | 日干が甲なら、丑か未があれば天乙貴人 |
| 月支 | 天干・地支 | 天徳貴人・月徳貴人 | 寅月生まれなら、丁があれば天徳貴人 |
| 年支・日支 | 地支 | 駅馬・華蓋・咸池 | 年支が子なら、寅があれば駅馬 |
日干から探す星
いちばん多いのが、日干を基準にする特殊星です。日干を表に当てはめ、出てきた地支が四柱のどこかにあれば、成立の条件を満たします。星によっては、年干(生まれた年の天干)でも同じ表を引きます。
月支から探す星
天徳貴人と月徳貴人は、月支(生まれた月の地支)が基準です。生まれた月ごとに、決まった天干や地支が命式にあるかが条件です。
年支・日支から探す星
駅馬や華蓋は、年支か日支を基準に、三合(3つの地支のグループ)で引きます。たとえば申・子・辰は同じ水のグループで、どれが基準でも駅馬の地支は寅です。日支でも、同じ条件で調べます。
日柱そのもので決まる星
このほか、日柱の干支の組み合わせそのもので決まる星もあります。庚辰・庚戌・壬辰・戊戌の4つの日柱を魁罡と呼ぶのが、その例です。空亡も、日柱の干支から2つの地支を割り出す特殊星です。
まず命式を出してみる
特殊星を調べるには、日干や月支を含む、4つの柱の天干と地支がそろった命式が必要です。 無料で命式を出せるツールを使えば、8文字と特殊星を一度に確かめられます。自分の命式で確かめたい方は無料鑑定でどうぞ。

代表的な吉星と凶星
現代の四柱推命の特殊星の一覧は、30種類を超えることもあります。ここでは原典『淵海子平』に引き方が書かれている代表的な星を、吉と凶に分けて紹介します。
助けの星:天乙貴人
天乙貴人は、困ったときに助けてくれる人が現れやすいとされる星です。日干ごとに決まった2つの地支が、成立の条件です。
守りと学びの星:天徳貴人・月徳貴人・學堂貴人
天徳貴人と月徳貴人は、あわせて「二徳」と呼ばれる守りの星です。原典は、この二つの徳が災いを和らげる役をすると書いています。學堂貴人は、学びや知識との縁を表す星です。
吉とも凶とも言い切れない星:駅馬・華蓋
駅馬は移動や変化、華蓋は独自の感性や精神性を表すとされます。良し悪しは、ほかの文字との組み合わせや条件次第です。華蓋について原典は「もともと吉」としつつ、孤独の含みも書き添えています。
駅馬の意味と引き方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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凶星とされる星:羊刃・魁罡
羊刃は、日干の勢いが極まった地支に当たる星です。「刃」の名のとおり、強さと激しさの両面を持つとされます。原典は凶の星と呼びながら、羊刃を持つ人には富貴な人が多いとも書いています。
魁罡は、先に挙げた4つの日柱が成立の条件です。原典は巻一「論起玉堂天乙貴人」で、辰と戌を「魁罡悪曜の地」(悪い星の土地)と呼びます。天乙貴人もそこには臨まないとされ、吉と凶の星は一つの体系でつながっています。
ただし、羊刃や魁罡の強さそのものは良し悪しではなく、向ける先で決まります。
羊刃と魁罡は、それぞれこちらの記事で詳しく紹介しています。
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調べ方と早見表は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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原典『淵海子平』は「星だけを頼りにするな」と書いた
原典『淵海子平』の巻一には、貴人・禄・駅馬・空亡・羊刃など、30篇ほどの神殺の篇が並びます。貴人の星から始まり、禄の仲間を経て、空亡や羊刃へと続く並びです。
面白いのは、並びの中に「禄・駅馬・貴人だけでは頼りにならない」という但し書きがあることです。星の吉凶より、五行の良し悪しをよく調べよと原典は念を押しています。この一節は、原文とともにこちらの記事で紹介しています。
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神殺をどう読むかは、流年(その年の運)の吉凶を論じた巻三の篇で、一言にまとめられています。
神殺が重なって臨むときは、その軽い重いを推し量れ
漢文原文
神殺加臨,輕重推之。
書き下し文
神煞加臨せば、軽重之を推せ。
現代語訳
神殺が重なって臨むときは、その軽い重いを推し量りなさい。
特殊星は「ある・ない」ではなく、軽い・重いで見るもの。原典は短い一句で、そう言い切っています。
星がいくつ重なっても、命式全体の中での重さを推し量る。神殺を否定するのではなく、ほかの要素と重ねて読めという指示です。
原典の神殺篇にない星も、現代の一覧には並んでいます。原典にない星の話は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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原典と現代の特殊星、ここが違う
現代の一覧表は、原典より星が多い
現代の四柱推命の特殊星の一覧には、原典『淵海子平』に引き方のない星も並んでいます。後の時代の本で、星の数が増えていったためです。
たとえば文昌貴人は、原典に名前が出てきません。咸池(桃花)は名前と意味は原典にありますが、成立の条件までは書かれていません。
原典推命堂は、原典に引き方が書かれている星を優先して採用しています。咸池だけは、現代で標準的な引き方を当サイトの方針として採用しています。
年と日、どちらを基準にするか
現代の四柱推命の流派では、同じ星を年干で見るか日干で見るか、年支か日支かで分かれることがあります。原典は多くの星で、どの柱を基準にするかを書いていません。原典推命堂は、駅馬のように基準が書かれていない星は、年と日の両方で判定しています。
吉星・凶星の区分は、原典でも揺れている
現代の四柱推命の解説は、特殊星を吉星と凶星にはっきり分けることが多いです。ところが原典は、華蓋を吉としつつ孤独を書き、羊刃を凶としつつ富貴にも結びつけます。名前の吉凶と実際の読みは別、というのが原典の立場です。
表示しない凶星もある
原典推命堂の命式画面には、空亡(天中殺)などの一部の凶星を表示していません。星の名前だけで不安をあおる読み方を避けるためです。表示する星も、原典の強い断定は使わず、持ち味と注意点を中立の言葉で伝えています。
四柱推命の特殊星は、命式に貼られた付箋です。名前が吉でも凶でも、それだけで人生の良し悪しは決まりません。まずは自分の日干と日支を確かめ、どの特殊星がどの柱にあるかを見てみてください。