本文へスキップ
原典推命堂原典をひもとく、四柱推命の読みもの
読みもの 記事

GENTEN SUIMEIDO JOURNAL

四柱推命の十二運「絶」とは?意味と性格、命式での読み方を原典から

冬枯れの枝に付いた小さな冬芽

絶とは

絶(ぜつ)とは、四柱推命の十二運の第 10 段階です。日干(命式の中で「自分」を表す文字)の勢いが、いったん途切れる位置を指します。

四柱推命の十二運は、日干の勢いを人の一生に例えた 12 段階です。長生→沐浴→冠帯→臨官→帝旺→衰→病→死→墓→絶→胎→養と巡ります。

前の墓で力を納め、絶でそれまでの形がほどけます。そして次の胎で、新しい流れが宿ります。絶は終わりではなく、切り替わりのいちばん細いところです。

まずここだけ

字面は物騒ですが、絶は断絶や不幸を言い当てる言葉ではありません。気の勢いが最も細くなった状態につけられた、段階の名前です。

数字の上では、十二運で最も弱い位置にあたります。その代わり、抱えていたものを手放し、方向を変えやすい。ここが絶の持ち味です。

十二運全体の仕組みは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

あわせて読みたい
大きな木のイメージ
四柱推命の十二運とは?12段階の意味と調べ方、「死」や「墓」が出ても心配いらない理由

十二運とは 十二運とは、四柱推命で使う道具の一つです。日干(命式の中で「自分」を表す文字)の勢いが、いまどの段階にあるかを12に分けて表します。 段階を決めるのは、命式に並ぶ地支(干支の下の文字)です ...

続きを見る

落ち葉が積もった秋の山道

絶の人の性格と持ち味

現代の四柱推命では、絶の性質を「いったんリセットして、次へ移る力」として捉えます。4 つに分けて見ていきます。

1. 基本の性格

  • 執着が薄い:終わったことを引きずらず、前の環境から身軽に離れられる
  • 切り替えが早い:環境が変わってもすぐなじみ、ゼロからの出発が苦にならない
  • 枠にはまらない:前例や役割にこだわらず、思いがけない発想が出る
  • 気持ちが揺れやすい:その場の空気に合わせて、考えが変わりやすい

まとめれば、「身軽だから、どこへでも行ける」性格です。前の墓が一つのものを抱えて深める段階なら、絶はそれを手放して身軽になる段階です。

一つ前の段階、墓の意味はこちらの記事で紹介しています。

あわせて読みたい
運河沿いに並ぶ古い石造りの倉庫
四柱推命の十二運「墓」とは?意味と性格、命式での読み方を原典から

墓とは 墓(ぼ)とは、四柱推命の十二運の第 9 段階です。日干(命式の中の「自分」を表す文字)の勢いが、一生を終えて納められる場面に当たります。 十二運は、その勢いを人の一生に例えた 12 段階です。 ...

続きを見る

2. 仕事・適職

この性質が生きるのは、変化の多い仕事です。新しい企画の立ち上げや、異動・転勤の多い職場で力を出しやすいとされます。

逆に、同じ手順を長く繰り返す環境では退屈しがちです。一つの場所に根を張るより、場所を変えて伸びる型です。

3. 恋愛・結婚

恋愛では、相手を縛らず、自分も縛られない関係を好みます。惹かれると素早く動く一方で、気持ちが冷めるのも早いとされます。

長続きのコツは、二人の間に新しい変化を持ち込むことです。相性は十二運一つでは決まらず、四柱推命では二人の命式全体で見ます。

4. 裏返しの弱点

長所の裏側は、続かないことと、流されやすいことです。根を張る前に動くので、積み上げた成果を手放してしまうこともあります。

原典推命堂では、空白を急いで埋めようとすると、次の方向を落ち着いて選びにくい、と注意を添えています。手放したあとは、少し間を置くのがよいでしょう。

ここまでの性格・仕事・恋愛の読み方は、現代の四柱推命のものです。原典に「絶の人はこういう性格」という記述はありません。

寺の石段の前に置かれた金色の龍の像

自分の絶を調べる(命式のどこにあるか)

四柱推命で絶になる地支(干支の下の文字)は、日干ごとに一つずつ決まっています。陽干は順に、陰干は逆に進みます。

日干絶の地支進行
甲申順行
乙酉逆行
丙・戊亥順行
丁・己子逆行
庚寅順行
辛卯逆行
壬巳順行
癸午逆行

自分の日干の行を見て、その地支が年柱・月柱・日柱・時柱のどこかにあれば、そこが絶です。日干が甲の人なら、命式に申があればその柱が絶です。

表には面白い対称があります。陽干の絶は寅・申・巳・亥で、どれも別の干の長生の地支です。甲は亥で長生を迎え、丙と戊は同じ亥で切り替わりを迎えます。

誰かの出発点は、誰かの切り替え点。一つの地支が、干によって正反対の意味を持つのです。

先に命式を出すと早い

日干も地支も、生年月日と生まれた時間から出せます。無料で命式を出せるツールで四柱を表示してから、この表を引くのが近道です。

柱ごとの読み方

柱絶があるときの読み方
年柱幼いころに環境の切り替わりがあると見る。早くから変化に慣れやすい
月柱仕事の運勢に変化が多い。職種や業界をまたいで動きやすい
日柱本人の性質が絶そのもの。さっぱりして思い切りがよく、人との距離も軽やか
時柱晩年に大きく方向を変える。後進とは、ほどよい距離で関わる

日柱が絶の人は、この性質が最も素直に表に出ます。ただし、柱ごとに場面や時期を当てる読み方は現代の四柱推命のものです。原典は日柱の絶から人柄を決めてはいません。

通変星(十神)との組み合わせ

通変星とは、日干と他の文字の関係を表す星です。現代の解説では、絶の性質と通変星の組み合わせを次のように紹介する例があります。

  • 印綬×絶:学んだことを一度手放し、新しい分野で学び直す
  • 正官×絶:決められた枠を離れ、役割を自分で組み直す
  • 偏官×絶:土壇場で大胆に方向を変える

こうした組み合わせの一覧は、現代の読み方です。原典は絶を、ほかの星の勢いを表す言葉として使いました。

たとえば巻二には、「水、巽に入りて金を見れば、名づけて絶えずと為す」という句があります。水が絶の位置(巽=巳の方角)に入っても、金があれば絶とは呼ばないというのです。十二運の一字より、周りの五行との組み合わせを重く見ているのです。

原典は、正官や偏官についても同じように書きます。官の星が弱い位置にあるか、強い位置にあるかを、十二運の段階名で言い表しました。組み合わせの主役は通変星で、十二運はその勢いを示す目盛りです。

大運・流年での絶

絶は 10 年ごとの大運や、1 年ごとの流年にも巡ります。絶の大運は、前の形をたたみ、次が入る余白をつくる 10 年です。運勢が止まるのではなく、流れの向きが変わる時期です。

原典推命堂では、この時期を手放すものを一つ決め、次を選ぶ前に短い間を置く期間として案内しています。

原典は大運の篇で、絶を凶の側に数えました。ただし同じ一節の最後に、空亡が重なれば吉凶が逆転するという但し書きがあります。運勢を一字で決めない姿勢が、ここにも出ています。

今年の運勢

2027年は丁未(ひのとひつじ)の年です。年の干支が変わると、あなたの命式との組み合わせで運勢の流れも変わります。

2027年の運勢の読み方は、記事を準備中です。公開したらここからご案内します。

大運で十二運がどう巡るかは、こちらの記事で紹介しています。

あわせて読みたい
山の尾根に沿って塔へ続く長い石段
四柱推命の大運と十二運とは?人生のどの10年が勢いの時期かを原典から読む

大運と十二運とは 大運(たいうん)とは、10 年ごとに切り替わる運の流れです。四柱推命では、生まれた瞬間の命式を一生変わらない設計図と見ます。大運は、その上を10 年単位で移り変わる環境に当たります。 ...

続きを見る

原稿用紙に朱墨で書かれた漢字の詩文

原典『淵海子平』は絶の詩で「決めつけるな」と詠んだ

四柱推命の原典には、十二運の段階ごとに詩訣(しけつ)という短い詩が付いています。絶の詩訣は、絶と胎を一組にした「絕胎詩訣」の 1 首目です。

原典『淵海子平』巻五「絕胎詩訣」(YHE-J5-061)

絶の中に旺に逢ふは人の知ること少なし

漢文原文

絕中逢旺少人知,卻去當生命裏推,反本還元宜細辯,忽然迍否莫猜疑。

書き下し文

絶の中に旺に逢ふは人の知ること少なし、却つて当生の命裏に去きて推すべし。本に反り元に還るは宜しく細かに弁ずべし、忽然たる迍否を猜疑する莫かれ。

現代語訳

絶の中で旺に出会うことがあるのを、人はあまり知らない。むしろ生まれ持った命式の中へ立ち返って推し量るべきである。根本へ返り元へ還るということをよく見分けるべきで、急な行き詰まりだと当て推量してはならない。

絶の詩は「絶の中で旺に出会うことがあるのを、人はあまり知らない」と始まり、「急な行き詰まりだと当て推量してはならない」と結びます。絶をすぐに凶と決めない、という戒めの詩です。

「反本還元」は、もとへ返り、元に還るという意味です。「いったん土台に戻る動き」と見る現代の四柱推命の読み方は、この一句と重なります。

原典は実例も残しています。日干が丙の人にとって、亥は絶の地支です。

ところが亥の中には、丙を生む木が蔵されています。その木が印綬(自分を生み助ける星)として丙を支えるのです。

そのため丙の日・亥の時の生まれには貴い格が多い、と原典は書きました。十二運の札だけでは運勢は読めないという、四柱推命の原典らしい一例です。

絶の場所は「胎元」でもある

原典『淵海子平』巻三「雜論口訣」(YHE-J3-028)

五行の絶する処は、即ち是れ胎元なり

漢文原文

五行絕處,即是『胎元』;生日逢之,名曰『受氣』。

書き下し文

五行の絶する処は、即ち是れ『胎元』なり。生日之に逢ふを、名づけて『受気』と曰ふ。

現代語訳

五行が絶する場所は、すなわち「胎元」である。生まれた日がそこに当たるのを「受気」と呼ぶ。

途切れる場所と、宿りはじめる場所が同じ。原典自身がそう言い切っています。同じ一句は、巻一の喜忌篇にも出てきます。

「受気」は気を受けるという意味です。原典は絶を「無」ではなく、次の気を受け取る手前として見ていたのです。

絶の次に来る段階、胎の意味はこちらの記事で紹介しています。

あわせて読みたい
根を伸ばしはじめた種のアップ
四柱推命の十二運「胎」とは?意味と性格、命式での読み方を原典から

胎とは 胎(たい)とは、四柱推命の十二運の第 11 段階です。日干(命式の中で「自分」を表す文字)の勢いに、次の流れが宿りはじめた位置を指します。 四柱推命の十二運は、日干の勢いを人の一生に例えた 1 ...

続きを見る

古い寺院の石の門と参道

原典と現代の絶、ここが違う

四柱推命の原典と現代の解説では、絶の扱いが少し違います。違いは 2 つ、評価と使い方です。

① 評価:凶の一字から、身軽さの長所へ

原典の大運の篇は、絶を死や衰と並べて凶の側に置きました。一方で詩訣や実例では、絶を一字で凶と決めるなと繰り返しています。

現代はこの二面のうち、明るい側を性格の言葉にしました。最弱の位置を、執着のなさ・切り替えの早さとして読み直したのが現代です。

② 使い方:星の居場所から、性格の星へ

原典の絶は、ほかの星の勢いを表す言葉です。「禄と駅馬がそろっていても、絶の地を行けば苦労する」のように、星の居場所として使いました。

「日柱が絶だからこういう人」と読むのは、現代の踏み込みです。原典推命堂は『淵海子平』の筋を根拠に置き、性格の読み方は目安として案内しています。

絶=切り替わりの細い所
雪の中から顔を出した新芽

まとめ

絶は四柱推命の十二運の中で、古い形がほどけ、次の流れを迎える段階です。弱さではなく、身軽に方向を変えられる力として受け取りたい星です。

次にやることは、自分の命式を出して、日干と 4 つの地支を確かめることです。絶がどの柱にあるかで、切り替えの起きやすい場面が見えてきます。


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA