本文へスキップ
原典推命堂原典をひもとく、四柱推命の読みもの
読みもの 記事

GENTEN SUIMEIDO JOURNAL

四柱推命の咸池(桃花)とは?恋愛の星の意味と出し方、原典に条件がない理由

淡い紅色に咲きそろう桃の花

四柱推命の咸池(桃花)とは

四柱推命の咸池(かんち)とは、人の目を引く魅力や、人とのつながりを表す特殊星です。「桃花(とうか)」の別名で知られ、現代では恋愛の星として紹介されます。

特殊星は、四柱推命で命式の文字の組み合わせから引く補助の星で、神殺(しんさつ)とも呼ばれます。この星は、年支か日支から見て決まった地支が命式にあると立つ星です。年支・日支は、生まれた年と日の柱の下の字のことです。

この星が立つ地支は、子・午・卯・酉の四つのどれかです。子は真北、午は真南、卯は真東、酉は真西にあたります。

方位として最もきっちりした位置の地支が、華やかさの星になる。この逆転に、四柱推命の面白さがあります。

名前の由来

「咸池」は、古代中国の神話に出てくる太陽が沈んで水浴びをする西の池の名前です。一日の終わりに、太陽がここで身を洗うと考えられていました。

「桃花」は桃の花です。春に華やかに咲き、散るのも早い花で、中国では昔から色恋や華やかさのたとえに使われてきました。今の中国語でも「桃花運」は恋愛運のことです。

咸池は「桃花殺(とうかさつ)」とも呼ばれます。「殺」は神殺の殺で、凶の星として扱われてきたことがうかがえます。当サイトの四柱推命の鑑定でも、吉凶より持ち味として説明しています。

特殊星の全体像は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

あわせて読みたい
星々と十二の星座を円く描いた古い天文図
四柱推命の特殊星(神殺)とは?吉星・凶星の意味と調べ方、原典の本当の扱い

四柱推命の特殊星(神殺)とは 四柱推命の特殊星(とくしゅせい)とは、命式の天干と地支の決まった組み合わせに、名前をつけた星です。古くは「神殺(しんさつ)」と呼ばれ、天乙貴人・駅馬・羊刃などがその代表で ...

続きを見る

薄紅色の夕空と満月を静かに映す池

咸池(桃花)でわかること

ここで紹介するのは、現代の四柱推命での一般的な咸池の読み方です。後で触れるとおり、原典の評価はかなり厳しいため、現代の鑑定で使える言葉に置き換えています。

咸池を持つ人の持ち味

  • その場にいるだけで印象に残り、人の目を引く
  • 人が集まりやすく、輪の中心に置かれやすい
  • 相手の変化や場の空気に細やかに気づく
  • 見せる仕事や接客など、人と関わる仕事と相性がよい

この星は、人を引きつける魅力と、細やかな感受性の星です。華やかな場で人気が集まりやすい、と説明されることもあります。

裏返すと、人からどう見えるかに気を取られやすい面もあります。人づきあいが増えすぎて、自分の時間が減りやすいとも言われます。

柱ごとの出方(現代の目安)

  1. 年柱:子どものころから人に覚えられやすい
  2. 月柱:仕事の場で目に留まり、人気が集まりやすい
  3. 日柱:本人の性分として、人を引きつける雰囲気がある
  4. 時柱:作ったものや育てた人が、人の目に触れやすい

恋愛や相性で見るとき

桃花の名前から、恋愛の星として語られます。ただ、この星があるから恋が多い、という決めつけはしません。人を引きつける魅力が、恋愛の場面でも出やすいという程度の話です。

大運や流年でこの星の地支が巡る時期は、人と出会う機会や、人前に出る場面が増えやすいとされます。四柱推命では、つながりを広げる時期として生かす見方もあります。

二人の関係を見るなら、星一つより、命式同士の組み合わせのほうが多くを語ります。相性の見方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

「四柱推命で見る相性」(準備中)

古い社殿の前に並ぶ二体の兎の石像

咸池(桃花)の出し方(三合の早見表)

咸池は、年支か日支が属する三合から引きます。三合とは、決まった3つの地支が一つの五行にまとまる組み合わせです。

年支・日支五行咸池の地支
申・子・辰水酉
寅・午・戌火卯
巳・酉・丑金午
亥・卯・未木子
  1. 命式を出し、年支と日支を確かめる
  2. 表で、それぞれに対応する咸池の地支を引く
  3. その地支が四柱のどこかにあれば成立

たとえば年支が子なら、三合は水で、咸池は酉です。命式のどこかに酉があれば成立です。日支でも同じように調べます。

咸池と沐浴の関係

表の酉・卯・午・子は、三合の五行が十二運の沐浴を迎える地支です。沐浴は十二運の二番目の段階で、生まれた子が産湯を使う姿にたとえられます。

太陽が水浴びする池と、生まれた子の産湯。「水で身を洗う」というイメージで、咸池と沐浴が結びついています。沐浴の意味は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

あわせて読みたい
水を張った木の手桶と柄杓
四柱推命の沐浴とは?移り気で多才な性格と恋愛の傾向、自分の沐浴の調べ方

沐浴とは 沐浴(もくよく)とは、四柱推命の十二運の第 2 段階です。日干(命式の中の「自分」を表す文字)の勢いが、赤ちゃんが産湯につかる場面に当たります。 裸で湯に入れられる赤ちゃんは、無防備で、まだ ...

続きを見る

参考

当サイトの無料鑑定でも、咸池(桃花)を表示しています。年支と日支の両方から、この表で判定しています。

自分の命式で確かめたい方は、無料鑑定で命式を出してみてください。

石に刻まれた古い漢文の拓本

原典『淵海子平』の咸池と桃花

ここからが原典の話です。四柱推命の古典『淵海子平』には、咸池は8回、桃花は31回出てきます。巻三には「滾浪桃花(荒波のような桃花)」という篇まであります。

ところが、咸池の出し方を書いた篇は、どこにもありません。巻一には神殺の篇が30ほど並び、多くが成立の表を持っています。その中に咸池の篇はないのです。

名前はあるのに、表がない

咸池と桃花が出てくるのは、「こういう命式はこうだ」と評価する文章の中だけです。巻五の詩には、咸池に禄がなければ桃花と呼ぶという一句があります。二つが同じ星を指す手がかりは、この一句くらいです。

原典の中で割れる評価

原典の評価は、一つにまとまっていません。巻三には、女性の命式に咸池は好ましくない、家を破る、といった強い断定があります。当時の家制度を前提にした記述で、原典推命堂の鑑定では使いません。

女性の命式の篇では、動く星の駅馬と、目を引く咸池が並んで否定されています。当時の女性に何が求められたかが、逆によく見える一句です。歴史の資料としては、そこに価値があります。

一方、巻四には正反対の評価が書かれています。

原典『淵海子平』巻四「造微論」(YHE-J4-003)

咸池が日柱に会えば、縁によって富を得る

漢文原文

咸池更會日宮,緣妻致富。

書き下し文

咸池、更に日宮に会せば、妻に縁りて富を致す。

現代語訳

咸池がさらに日柱に会えば、妻の縁によって富を得る。

「妻」は当時の男性目線の書き方で、現代ではパートナーと読み替えます。巻三で家を破るとされた咸池が、ここでは富を招く星として書かれています。

さらに、桃花の一句がある巻五の沐浴の詩は、沐浴が吉の位置に会うときは、ほかの神殺と同じように凶とするな、とも書いています。ただしこれは沐浴についての句で、咸池を名指ししたものではありません。同じ本の中で、咸池の評価は割れているのです。

三合から引く星の三兄弟

四柱推命には、同じ三合から引く星がほかに二つあります。駅馬と華蓋です。駅馬は病、華蓋は墓、咸池は沐浴の位置にあたり、十二運の段階がそれぞれ星になっています。

ところが、原典に成立の表があるのは駅馬と華蓋だけです。三兄弟のうち、咸池だけが表を持たないのです。四柱推命の古典を読むと、こうした不揃いにも気づきます。

夕暮れの空の下で灯りに照らされる寺の楼門

原典と現代の咸池、ここが違う

出し方は、後の時代に整ったもの

現代の咸池の表(子午卯酉を引く表)は、原典にはありません。原典は名前と評価を書くだけで、出し方の決着をつけていません。原典推命堂は、現代で定着したこの表を「当サイトの方針」と明示して採用しています。

文昌貴人とは事情が違う

同じく原典にない星でも、文昌貴人は名前すら原典に出てこない星です。咸池は名前も評価もあり、欠けているのは出し方だけです。そのため原典推命堂は、文昌貴人は採らず、咸池は条件付きで採っています。

あわせて読みたい
白い台の上に並べられた書道の筆
四柱推命の文昌貴人とは?知性の星の意味と出し方、実は原典にない星の話

四柱推命の文昌貴人とは 四柱推命の文昌貴人(ぶんしょうきじん)とは、知性と学問を表す星です。日干から見て決まった地支が命式にあると立ちます。日干は生まれた日の天干で、命式の主人公にあたる文字です。 文 ...

続きを見る

原典にない星の全体の扱いは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

あわせて読みたい
星座と星の名前が描き込まれた古い星図
四柱推命の「原典にない星」とは?紅艶・孤辰寡宿など現代の星と原典の違い

四柱推命の原典にない星とは 四柱推命の原典にない星とは、現代の特殊星の一覧にあるのに、古典で出し方が確かめられない星です。ここでいう古典は、四柱推命の基本書『淵海子平』を指します。紅艶・孤辰・寡宿・血 ...

続きを見る

評価は中立の言葉で

原典の強い断定は、そのまま現代に持ち込みません。原典自身の評価が割れていることが、中立に扱う理由です。当サイトでは、人の目を引く力、人と関わる力として咸池を説明しています。

春の光を受けて枝に咲く桃の花

まとめ

咸池(桃花)は、名前も評価も原典にあるのに、出し方だけが書かれていない星です。恋愛の星と決めつけず、人を引きつける魅力の星として付き合うのが、無理のない読み方です。

次にすることは、自分の年支と日支から咸池の地支を引き、命式の中を探してみることです。見つかったら、その魅力をどんな場面で生かせるかを考えてみてください。


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA