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原典推命堂原典をひもとく、四柱推命の読みもの
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GENTEN SUIMEIDO JOURNAL

庚辰(かのえたつ)の性格と特徴|日柱が庚辰の人を四柱推命の原典から

霧に包まれた岩山の斜面

日柱の庚辰(かのえたつ)とは

庚辰(かのえたつ)は、六十干支の17番目の干支です。四柱推命では、日柱が庚辰の人の本質を、庚と辰の2文字から読み解きます。

天干に立つのは十干の庚(陽の金)、地支に座るのは十二支の辰(陽の土)です。基本の組み立てを、表にまとめました。

項目庚辰の基本データ
読みかのえたつ
六十干支の順番17番目
天干(上の字)庚=陽の金
地支(下の字)辰=陽の土
日支の蔵干乙・癸・戊(庚から見て正財・傷官・偏印)
十二運(日干庚から見た辰)養
空亡(天中殺)申・酉
日柱の特殊星魁罡(無料鑑定でも表示)・日徳・十悪大敗日(この2つは原典のみ。無料鑑定では表示なし)・華蓋(無料鑑定で表示)

春の土に眠る金の原石

庚辰のイメージは、しっとりした春の土の中で育つ金の原石です。庚は鉱石や刀剣、辰は春の雨を含んだ土にたとえられます。

五行では、下の土が上の金を生む「土生金」の関係です。陰陽では庚も辰も陽です。陰陽が陽にそろうので、外へ向かう力の強い組み合わせです。

十二支の辰は5番目の支で、季節では清明から立夏の前まで、晩春の時期にあたります。十二支の動物では龍にあたる支です。

庚辰の何よりの特徴は、原典『淵海子平』の中で、三つの星の名簿に名前が載ることです。

  1. 魁罡(かいごう):聡明で決断力があるとされる、強さの星
  2. 日徳(にっとく):性格をやさしく情け深くするとされる星
  3. 十悪大敗日:禄(日干の力の置き場)が空亡に入る日

強さの星と、やさしさの星と、名前の怖い星。一つの干支に、これだけ性格の違う評価が集まる例は多くありません。四柱推命で庚辰を読むおもしろさは、この重なりにあります。

森の奥の社へ続く石段

庚辰の性格と持ち味

この章で紹介するのは、現代の四柱推命で広く使われる性格の読み方です。土の中の原石という庚辰の姿から、人柄を追っていきます。

庚の金:まだ磨かれる前の原石

庚は、鍛えられて刀にも農具にもなる、手つかずの金です。性格としては、飾らず、まっすぐで、打たれるほど強くなるとされます。

庚辰の庚は、まだ土の中にあります。自分の力を完成品と思わず、鍛えられる場を求めるのが、この日柱の人の持ち味です。

辰の土:三つの干をしまう春の倉

辰は、水をたっぷり含んだ春の土です。十二支の中でも、蔵干を三つ抱えた「倉」の支とされます。

土の中には、正財・傷官・偏印という性格の違う星が同居しています。堅実さと、率直な物言いと、独自の考えが、同じ足元に眠っている形です。

厳しさとやさしさが同居する

魁罡の決断の早さと、日徳の情の厚さ。現代の鑑定では、この二つをあわせ持つ人として庚辰を描きます。

原典も、魁罡の人は「事に臨みて断有り(決断ができる)」と書いています。日徳の人は「性格慈善(慈しみ深い)」とされます。ただし、二つを一人の性格にまとめて論じた箇所は、原典にありません。

仕事では厳しく筋を通し、身内や仲間には面倒見がよい。そんな二つの顔を使い分ける人とされます。

庚辰の持ち味

  • 迷う場面で腹をくくれる決断力
  • 仲間を放っておけない情の厚さ
  • 機が熟すまで力を蓄える我慢強さ
  • 裏返すと、白黒をつけたがり、妥協が苦手

弱点は、正しさを譲れないことです。筋の通らない相手には、やさしさより厳しさが先に出てしまいがちです。

生まれた日の干支から性格を見る考え方は、こちらの記事で紹介しています。

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庚辰の恋愛・仕事・相性

恋愛:守りたい相手には、とことん尽くす

四柱推命で恋愛を見るときの中心は、日支です。原典はこの日支を、男性の命から見た「妻の席」として扱いました。今は性別に関係なく、パートナーの座る場所として読むのが一般的です。

庚辰の日支には、堅実さを表す正財が控えています。恋愛では、選んだ相手と長く堅実に付き合うタイプとされます。

駆け引きを楽しむより、約束を一つずつ積み重ねていく関係に、庚辰は安心を覚えます。

ただ、同じ席には率直な言葉を表す傷官もいます。情は厚いのに、言い方が強くて誤解されることがあるのが、庚辰の恋愛の悩みどころです。

仕事:任されて決める立場で伸びる

魁罡の決断力に、偏印の専門性や独自の発想が加わります。現場の判断を預かる責任者や、腕一本で立つ専門職が、庚辰の仕事として伸びやすい方向です。

養の段階らしく、下積みを苦にしないのも強みです。一方で、細かく指示を受け続ける仕事では窮屈さを感じやすい傾向です。

相性:水を持つ相手と、角が取れる

相性を考えるなら、庚辰は相手の命式の水に目を向けてみてください。金は水を生むので、庚辰の強さが水を通って言葉や行動に流れ出ます。

水を多く持つ人とは会話がかみ合い、角も丸くなりやすい相性だ、というのが現代の見立てです。辰がもともと水を蓄える支であることも、水との縁を感じさせます。

とはいえ、五行の多い少ないで二人の相性を決める方法は、原典には見当たりません。原典推命堂はこれを話の糸口にとどめ、実際には二人の命式を並べて確かめます。

黒い土から芽を出した新芽

庚辰の十二運「養」と空亡(天中殺)・特殊星

十二運は養:胎内で力を育てる時期

陽の干である庚は、四柱推命の十二運を十二支の順に進みます。巳で長生を迎え、一巡りした最後の辰が「養」です。

養は、母の胎内で守られながら育つ段階です。まだ表には出ていませんが、次の長生に向けて準備を整えている勢いを表します。

庚辰の人が下積みを苦にせず、力を蓄えてから動くとされるのは、この養の性質とも重なります。養の意味は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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空亡(天中殺)は申・酉

庚辰は、甲戌旬と呼ばれる10干支のまとまりで、7番目に並びます。空亡(天中殺)は、この旬に共通する申と酉です。

十二支のうち、申は庚の力がもっとも安定する禄、酉は庚の強さが極まる羊刃の位置です。庚の大事な二つの支が、どちらも空亡に入っている形です。

特殊星:無料鑑定に出るのは魁罡と華蓋

原典の星のうち、当サイトの無料鑑定が表示するのは魁罡です。日柱が庚辰・庚戌・壬辰・戊戌のどれかであれば、この星が付きます。魁罡の条件や原典の評価は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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さらに無料鑑定では、華蓋(かがい)も表示されます。辰は申・子・辰の三合の華蓋でもあるため、日支の辰がそのまま自分の華蓋を兼ねるからです。

一方、日徳と十悪大敗日は、無料鑑定では星として表示していません。十悪大敗日は、上で見た「禄が空亡に入る」形につけられた名前です。

自分の日柱が庚辰かどうかは、無料鑑定で命式を出すと確かめられます。十悪大敗日の成り立ちは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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原典『淵海子平』に見る庚辰

宋の徐升の編と伝えられる『淵海子平』は、巻五に星を覚えるための短い詩を集めています。魁罡の詩には、庚辰の名前が直接出てきます。

原典『淵海子平』巻五「魁罡」(YHE-J5-013)

魁罡が重なれば大権を握る。庚辰は官が現れるのを恐れる

漢文原文

魁罡四日最為先,疊疊相逢掌大權,庚戌庚辰怕官顯,壬辰壬戌見財連。

書き下し文

魁罡の四日、最も先と為す。畳畳と相逢へば大権を掌る。庚戌・庚辰は官の顕はるるを怕れ、壬辰・壬戌は財の連なるを見る。

現代語訳

魁罡の四日はまっ先に挙げるべきもの。これが重ねて逢えば大きな権限を握る。庚戌・庚辰は官星が現れるのを恐れ、壬辰・壬戌は財が連なって現れる。

魁罡が重なれば「大権を握る」。原典は、この星の強さをまず高く評価しています。

そのうえで、庚の魁罡は「官」が現れるのを恐れるとし、壬の魁罡については「財」が連なると詠んでいます。詩は壬が財を恐れるとまでは書いていませんが、巻二の魁罡の散文は、財や官を見れば禍がすぐに来ると書いています。庚にとっての官は火の星で、自分を律し、枠にはめる力を表します。

なお、この詩は壬戌を魁罡に数えていて、巻二の散文が挙げる4日(戊戌を含む)とずれています。原典推命堂は、巻二の4日を採用しています。

なぜ官を恐れるのか、詩は理由を書いていません。強い金は上から押さえつけられると反発しやすいから、と読むのは筆者の見立てです。

日徳は魁罡を嫌う。それでも庚辰は両方

面白いのは、同じ原典の日徳の記述です。巻二の日徳の篇は、日徳が避けるべきものの一つに「魁罡」を挙げています。

ところが庚辰は、日徳の5日にも、魁罡の4日にも入っています。原典はこの重なりについて、何も説明していません。

そこに十悪大敗日まで加わります。星ごとに別々の由来があり、それを一冊に集めたと考えると納得がいきます(筆者の推測です)。日徳については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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六十干支の18番目は、辛巳です。庚辰の辰は庚の「養」でしたが、辛巳の巳は、庚が長生を迎える支です。

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原典と現代の庚辰、ここが違う

三つの評価に、原典は決着をつけていない

原典は庚辰を三つの名簿に入れたまま、どれが本当かを決めていません。現代の四柱推命では、魁罡の強さだけで庚辰を語る読み方もあります。原典推命堂は、強さとやさしさの両面を持つ日として、三つの記述をそのまま紹介します。

「殺を好む」は人物評に使わない

原典の魁罡の篇にある「殺を好む」は、当時の価値観による強い断定です。原典推命堂の無料鑑定では、魁罡を決断力と聡明さを表す星として表示しています。四柱推命の鑑定で、人柄を裁く言葉には使いません。

十悪大敗日は、鑑定の判断に使わない

十悪大敗日は、禄が空亡に入るという理屈を名前にしたものです。原典自身も、日柱で見たときに限るとし、吉神が助ければいくらか吉と添えています。原典推命堂は成り立ちの紹介にとどめ、吉凶の判断材料にはしません。

庚辰の人は、命式のほかの柱に魁罡の干支が重なっていないかを見てみてください。原典が「大権を握る」と詠んだ形に近いかどうか、知る手がかりです。


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