- 人も情報も受け入れる、懐の広さ
- 新しい環境でぐんぐん吸収する伸びしろ
- 専門知識や独自の視点という武器
- 裏返すと、関心が散らばる・重圧を抱え込む
GENTEN SUIMEIDO JOURNAL
壬申(みずのえさる)の性格と特徴|日柱が壬申の人を四柱推命の原典から
壬申(みずのえさる)とは
壬申(みずのえさる)は、六十干支で9番目に巡ってくる干支です。日柱が壬申の人は、誕生日の干支がこの組み合わせになっています。
上に立つ壬(みずのえ)は陽の水、下で支える申(さる)は陽の金です。歴史の授業で習う「壬申の乱」の壬申も、この干支のことです。
| 項目 | 壬申の基本データ |
|---|---|
| 読み | みずのえさる |
| 六十干支の順番 | 9番目 |
| 天干(上の字) | 壬=陽の水 |
| 地支(下の字) | 申=陽の金 |
| 五行の関係 | 金生水(地支の金が天干の水を生む) |
| 日支の蔵干 | 戊・壬・庚(壬から見て偏官・比肩・偏印) |
| 十二運(日干壬から見た申) | 長生 |
| 空亡(天中殺) | 戌・亥 |
| 日柱の特殊星 | 十悪大敗日(原典。当サイトの無料鑑定では表示しない)・學堂(日干壬から見て日支の申。当サイトの無料鑑定で表示) |
壬申の姿
壬申を絵にするなら、岩の奥の源から湧き続ける大河です。五行では、申の金が壬の水を生む「金生水(きんしょうすい)」の関係にあたります。
金から水が生まれる、というのは少し不思議に聞こえるかもしれません。冷えた金属の表面に水滴がつくように、金は水を呼ぶものと説明されることがあります。
陰陽で見ると、壬も申も陽の字で、動きの大きい陽と陽の組み合わせです。四柱推命では、足元から絶えず力が補われる、恵まれた配置の一つとされます。
六十干支がどう並んでいるかは、こちらの記事で紹介しています。
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壬申の性格と持ち味
以下は、現代の四柱推命で一般に使われる性格の読み方です。十干の壬、十二支の申の順に、その人らしさを見ていきます。
壬の水:器が大きく、流れをつくる
壬は、海や大河にたとえられる水です。細かいことにこだわらず、多くのものを受け入れる懐の深さが、壬の性格の土台です。
大河がいくつもの支流を集めるように、壬申の人は人や情報を自然に集めます。その集まりに、進む方向という流れをつけるのが得意とされます。
申の金:初秋の澄んだ力
十二支の申は、夏が終わり、秋の気配が立つころを表します。刃物のように引き締まった、澄んだ金の気です。
四柱推命では、申・寅・巳・亥の4つの十二支を「四生」と呼び、物事が生まれる場所とします。壬申の足元は、その生まれる場所の一つです。
この申を足元に持つので、壬申の人は大らかさの中に、冷静な判断の軸を持つとされます。流れに任せるだけでなく、要所ではきっぱり切ることができます。
学びを燃料にして進む
申の中心にある庚は、壬から見て偏印(へんいん)という星です。偏印は、独自の視点や専門知識を表します。
そのため壬申の人は、学んだことを燃料にして前へ進む性格とされます。気になった分野は、自分で調べ尽くすまで手を止めません。
壬申の持ち味
気をつけたいのは、流れが止まらないことです。興味が次々に移って散らかったり、頼まれごとを断れずに背負い込んだりしがちです。
日柱で性格を読む考え方の基本は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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恋愛・仕事・相性での壬申
恋愛:対等に話せる相手と長く続く
申の中の蔵干は、戊・壬・庚の3つです。壬から見ると、戊は偏官、壬は比肩、庚は偏印にあたります。
日支を配偶者の席と見るのは、原典の「日を妻とする」という句から来ています。今は性別に関係なく、パートナーの席として扱います。
その席に、自分と同じ壬(比肩)がいるのが目を引きます。比肩は仲間や対等さを表すので、壬申の恋愛は友人のように何でも話せる関係が向くとされます。
一方で、偏官の戊も同居しているので、恋愛にほどよい緊張感を求める面もあります。束縛されると息苦しくなるのも、流れる水らしさです。お互いの自由を尊重できる相手なら、恋愛は穏やかに長続きしやすいとされます。
仕事:人と情報が行き交う場所で伸びる
壬申の仕事は、人や情報、物の流れを扱う分野が向くとされます。企画や調査、物流、教育など、集めて広げる役割です。
偏印の力で、研究職や専門職として道を究める人もいます。一方、同じ作業を黙々と繰り返す仕事では、持ち味が出にくい傾向です。
相性:金は源、木は流れの行き先
壬申の相性を考えるときは、日干の壬と五行の関係を見ます。金は水を生む源にあたる相手、木は水が育てる相手です。
水は木を育てるので、木の日干の人とは「与える」関係になりやすいとされます。恋愛の相性でも仕事の相性でも、相手の水が多すぎないかは気にしたいところです。
もっとも、日干の五行で相性を割り出す方法は、原典には書かれていません。原典推命堂では目安の一つとして扱い、四柱推命で二人の命式全体を並べて判断します。

壬申の十二運「長生」と特殊星・空亡
十二運は長生:生まれたばかりの勢い
十二運は、日干の力の強さを、誕生から始まる一生の段階で表したものです。日干の壬から見た申は「長生」で、12段階の最初にあたります。陰陽のうち陽の十干である壬は、申から順方向に十二運を進みます。
原典の申の詩にも、水と土の長生がこの申にあると書かれています。長生は、これから伸びていく素直な勢いを表す段階です。
現代の読み方では、長生の人は人に好かれ、育てられ上手とされます。壬の大らかさと、長生の素直さが重なるのが、壬申らしいところです。
長生の段階について詳しくは、こちらの記事で紹介しています。
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空亡(天中殺)は戌・亥
壬申は、甲子から癸酉までの10の干支のまとまりに入ります。この10の干支には、十二支のうち戌と亥だけが一度も出てきません。その2つが、このまとまりの空亡(天中殺)です。
この「亥が空亡」という点は、すぐ次の十悪大敗日の話に直接つながります。
特殊星:十悪大敗日と學堂
壬申は、原典の「十悪大敗日」の一つです。名前は物々しいのですが、理由は壬の禄(本拠地)が亥で、その亥が空亡に入るからという計算上のものです。
もう一つ、水の日干にとって學堂(学びの星)は申にあたります。壬申は日支にその申を持つので、当サイトの無料鑑定では學堂貴人を表示します。
原典は水の學堂の手本として甲申の名を挙げており、壬申は手本の形ではありません。星の中身は、それぞれこちらの記事で紹介しています。
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自分の日柱が壬申かどうかは、無料鑑定で命式を出して確かめられます。

原典『淵海子平』に見る壬申
宋の徐升の編と伝えられる四柱推命の原典が『淵海子平』です。その巻一の十悪大敗日の篇で、原典は壬申を名指しして理由を説明しています。
十悪大敗日とは、禄が空亡に入る日のこと
漢文原文
甲辰乙巳與壬申,丙申丁亥及庚辰,戊戌癸亥加辛巳,乙丑都來十位神。邦國用兵須大忌,龍蛇出穴也難伸,人命若還逢此日,倉庫金銀化作塵。十惡者,凶也。大敗者,怯敵也。謂六甲旬中,有十個日值祿入空亡,此十日謂之大敗,故曰十惡大敗。命中犯者,當以日主見之方是。其餘見之,未可便作十惡論。若有吉神扶之稍吉。何以謂之祿入空亡?如甲辰、乙巳者,甲以寅為祿,乙以卯為祿,是甲辰祿以寅卯為空,必此為祿入空亡,是以敗也。壬申者,壬以亥為祿,甲子旬以亥為空亡,是以敗也。餘皆仿此。
書き下し文
甲辰・乙巳と壬申と、丙申・丁亥及び庚辰、戊戌・癸亥に辛巳を加へ、乙丑、都べて来りて十位の神。邦国、兵を用ふれば須く大いに忌むべし、龍蛇、穴を出づるも也た伸び難し。人命、若し還た此の日に逢はば、倉庫の金銀、化して塵と作る。十悪とは、凶なり。大敗とは、敵を怯るるなり。謂ふこころは、六甲の旬中に、十個の日、禄の空亡に入るに値る有り。此の十日、之を大敗と謂ふ、故に十悪大敗と曰ふ。命中に犯す者は、当に日主を以て之を見て方に是なるべし。其の余、之を見るは、未だ便ち十悪と論ずべからず。若し吉神の之を扶くる有らば稍や吉なり。何を以て之を禄の空亡に入ると謂ふや。甲辰・乙巳の如きは、甲は寅を以て禄と為し、乙は卯を以て禄と為す。是れ甲辰の禄は寅卯を以て空と為す。必ず此れを禄の空亡に入ると為す、是れを以て敗なり。壬申は、壬は亥を以て禄と為し、甲子旬は亥を以て空亡と為す、是れを以て敗なり。余は皆な此に倣ふ。
現代語訳
甲辰・乙巳・壬申・丙申・丁亥・庚辰・戊戌・癸亥・辛巳・乙丑、これらを合わせて十の神という。国が兵を用いるときは大いに忌むべきで、龍や蛇が穴を出ても伸びがたい。人の命がもしこの日に逢えば、倉の金銀も塵になる。「十悪」とは凶ということ、「大敗」とは敵をおそれるということ。六甲の旬のなかに、禄が空亡に入ってしまう日が十日あり、この十日を「大敗」と呼ぶので「十悪大敗」という。命式でこれに当たるのは、日柱で見た場合だけである。それ以外の柱に見えても、すぐに十悪と論じてはならない。もし吉神が助けていれば、いくらかよい。なぜ「禄が空亡に入る」と言うのか。たとえば甲辰・乙巳では、甲は寅を禄とし、乙は卯を禄とする。甲辰の旬では寅卯が空亡になる。これこそが「禄が空亡に入る」ということで、それゆえ敗という。壬申は、壬の禄が亥であり、甲子旬では亥が空亡である。それゆえ敗という。残りもみなこれに倣う。
詩の前半は、「倉の金銀も塵になる」とずいぶん大げさです。ところが後半の説明に入ると、急に淡々とした暦の計算に変わります。
壬の禄は亥で、壬申が属するまとまりでは亥が空亡。後半の説明の中身は、この2つの事実だけです。性格や運命を決めつける理由は、この説明には書かれていません。
原典はさらに、日柱以外で見ても十悪とは論じるなと書いています。吉神が助ければいくらかよい、とも添えて、自分で歯止めをかけているのです。
「水の格」の見本になった壬申の日
原典の巻二には、潤下格(じゅんかかく)という格が載っています。格とは命式の型のことで、潤下格は天干も地支も水で占められた命式を指します。
その見本として挙がる命式の日柱が、壬申です。原典は潤下の人を、湖や海のように広く、清らかで度量が大きいと説明しています。
六十干支の10番目は癸酉です。同じ水の日干で、今度は陰の水です。
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癸酉(みずのととり)の性格と特徴|日柱が癸酉の人を四柱推命の原典から
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原典と現代の壬申、ここが違う
十悪大敗日は、鑑定には使わない
原典は巻一で十悪大敗日を載せていますが、日柱だけで見よ、吉神があればやわらぐと条件をつけています。原典推命堂では、この星を読み物として紹介し、吉凶の判断には使いません。当サイトの無料鑑定でも表示していません。
長生は「最強」ではない
現代では、長生を運の強い星として紹介することがあります。原典は巻一「又論五行生旺衰絕吉凶」で、生旺の表にこだわりすぎるなと戒めています。原典推命堂でも、長生は伸びしろを示す目安として扱います。
性格の描写は、後の時代のもの
原典に、壬申の日に生まれた人の性格を書いた箇所はありません。壬の詩が描くのは、百の川を集めて流れる水の姿までです。人柄の話は現代の鑑定士の読み方で、原典推命堂では入口の目安として紹介しています。
壬申の人がまず確かめたいのは、命式の中の水が多すぎないかです。原典の壬の詩は、水が集まりすぎると漂うだけになるとも書いています。水の多さは、四柱推命で見る壬申の性格の出方も左右します。