GENTEN SUIMEIDO JOURNAL
四柱推命の刑(三刑・自刑)とは?4つの刑の意味と、命式にあるときの読み方
四柱推命の刑とは
四柱推命の刑(けい)とは、十二支同士が傷つけ合う関係のことです。命式の下の段に並ぶ地支(ちし)の組み合わせで成立します。三刑(さんけい)とも呼ばれ、原典『淵海子平』は4種類に分けています。
| 種類 | 組み合わせ | 名前の意味 |
|---|---|---|
| 恃勢(じせい)の刑 | 寅・巳・申 | 勢いを頼みにする |
| 無恩(むおん)の刑 | 丑・戌・未 | 恩を忘れる |
| 無礼(むれい/ぶれい)の刑 | 子・卯 | 礼を欠く |
| 自刑(じけい) | 辰・午・酉・亥 | 自分で自分を刑する |
名前を並べるだけで、人間関係のつまずき方が浮かんでくるのが刑の面白さです。勢いに任せて押し切る、受けた恩を忘れる、礼を欠く。最後の一つは、自分で自分を追い込む形です。
四柱推命で「三刑」と言うときは、寅・巳・申や丑・戌・未の三つ組が命式にそろう形を指すことが多いです。二つだけの刑より、作用が強いとされます。
沖との違い
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四柱推命の4つの刑、名前と意味
原典の書き方は、「AがBを刑す」という向きを持っています。三つが輪になる組、二つで向き合う組、自分一人の組があります。名前の由来を、一つずつ見ていきます。
恃勢の刑(寅・巳・申)
寅が巳を、巳が申を、申が寅を刑す三つ組です。寅・巳・申は、どれも季節の始まりにあたる四生(しせい)の支です。始まりの勢いと勢いが、力を頼んで押し合うというのが「恃勢」の名の説明です。
無恩の刑(丑・戌・未)
丑が戌を、戌が未を、未が丑を刑す三つ組です。3つとも五行は土で、季節の終わりの四庫(しこ)の支にあたります。同じ土の仲間なのに恩を返さない、という意味で無恩と説明されます。
無礼の刑(子・卯)
子と卯の二つだけで成り立つ組です。五行では子は水、卯は木で、水は木を育てる関係にあります。育ててくれた相手に礼を欠く、という名付けだと説明されます。
自刑(辰・午・酉・亥)
辰・午・酉・亥は、自分自身と組になる支です。一般には、同じ支が命式に2つ並んだときに成立すると見ます。辰と辰、午と午のような組み合わせです。
ポイント
寅巳申・丑戌未・子卯・辰午酉亥で、ちょうど12支がそろいます。刑は誰の命式にも起こりうる、ありふれた関係です。

四柱推命の命式に刑があるときの影響
命式の中に刑があると、その柱同士の関係がこじれやすい、行き過ぎやすいと見ます。凶と決めつける関係ではなく、力の出方に癖がつく配置と考えると分かりやすいでしょう。具体的にどんな影響が語られるのか、場面ごとに整理します。
人間関係に出る影響
現代の四柱推命では、刑の作用は人間関係のすれ違いとして出やすいとされます。恃勢なら押しの強さ、無恩なら恩義の行き違い、無礼なら距離の詰めすぎです。名前がそのまま、気をつけたいトラブルの型を教えてくれます。
たとえば職場で、勢いのある人同士が主導権を張り合う。親しい相手に甘えて、感謝や礼を後回しにしてしまう。刑の影響は、こうした身近なトラブルに重ねると具体的に見えてきます。
自分との向き合い方に出る影響
自刑は、人間関係よりも自分自身に向かう作用です。こだわりが強くなる、自分を責めすぎる、といった影響が語られます。自分の癖を知っておけば、行き過ぎる前に手綱を引けます。
どの柱で成立するか
影響の出方は、どの柱とどの柱の間にあるかでも変わります。日支を含む場合は、本人の関わり方の癖として出やすいとされます。柱ごとの意味は、こちらの記事で紹介しています。
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10年ごとに巡る運(大運)や、1年ごとの運(流年)の十二支も、命式の地支と刑を作ります。四柱推命では、そうした時期は無理や行き違いのトラブルが起きやすい期間とされます。
作用の強さは数と位置で変わる
四柱推命では、その作用を一つあるかどうかより、重なり方で見ます。二つ三つと重なれば、影響も強まるとされます。一方で原典には、刑に遇ってもまだ情がある、と詠む句もあります(後の節で紹介します)。
つまり、一つあるだけで人生のトラブルが決まるわけではありません。具体的な影響は、命式全体の釣り合いの中で見えてきます。
相性に出る影響
二人の日支が刑の関係になる場合、四柱推命では相性に刺激のある配置として扱います。ただし、だから相性が悪い、とは言い切れません。結びつく関係の支合と並べて、全体で見ることが大切です。
支合はこれと反対に、十二支が手を取り合う関係です。こちらの記事で詳しく紹介しています。
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注意
「刑」の字から罰や事件を連想しがちですが、こじれや行き過ぎを表す関係の名前です。原典推命堂では、事件や災難と結びつけて読むことはしません。

原典『淵海子平』が書いた刑
四柱推命の刑の4分類は、原典『淵海子平』巻一の「論十二支相刑」という短い章に出てきます。章の本文は、次の一節がすべてです。
勢いを恃む刑、恩の無い刑、礼の無い刑、そして自刑
漢文原文
寅刑巳,巳刑申,申刑寅,為恃勢之刑;丑刑戌,戌刑未,未刑丑,為無恩之刑;子刑卯,卯刑子,為無禮之刑;辰午酉亥,自刑之刑。
書き下し文
寅は巳を刑し、巳は申を刑し、申は寅を刑す、恃勢の刑と為す。丑は戌を刑し、戌は未を刑し、未は丑を刑す、無恩の刑と為す。子は卯を刑し、卯は子を刑す、無礼の刑と為す。辰・午・酉・亥は、自刑の刑なり。
現代語訳
寅が巳を刑し、巳が申を刑し、申が寅を刑す。これを「勢いを恃む刑」とする。丑が戌を刑し、戌が未を刑し、未が丑を刑す。これを「恩を忘れる刑」とする。子が卯を刑し、卯が子を刑す。これを「礼を欠く刑」とする。辰・午・酉・亥は、自分で自分を刑する刑である。
読んでみると、原典は4つの名前を与えるだけで、理由を一言も書いていません。なぜ寅と巳が「恃勢」なのか、説明はどこにもありません。名前の由来の話は、どれも後の時代に補われた解釈です。
理由を書かないぶん、名前そのものが読み手の想像をかき立てます。勢い・恩・礼という言葉は、900年近く前の本とは思えないほど今の人間関係にも通じます。
原典は別の巻で、もう一つの顔も描いています。巻二「論雑気辰戌丑未」では、沖・破・害と並んで、蔵にしまわれた星を開ける鍵に数えられています。
同じ巻二には、貴人は三刑を恐れると書く章があります。一方で、三刑・自刑・魁罡がそろえば戦場で身を立てるという一文もあります。
魁罡(かいこう)とは、強い気質を持つとされる特定の干支の日柱です。一冊の中で、恐れる相手にも力の源にもなっているのです。

原典と現代の刑、ここが違う
刑は凶と決まっていない
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一方、原典の巻四「十二支體象」には、月支の子について、卯の刑に遇ってもまだ情があるという一句があります。
卯の刑に遇っても、まだ情がある
漢文原文
若逢午破應無定,縱遇卯刑還有情。
書き下し文
若し午の破に逢はば応に定まり無かるべし。縦ひ卯の刑に遇ふとも還た情有り。
現代語訳
(月支の子は)午に破られれば落ち着かない。たとえ卯に刑されても、まだ情がある。
巻二には、刑を使って見えない星を呼び出す「刑合格」という格まであります。原典は、単純な凶としては扱っていません。原典推命堂は、成立した位置とともに事実として示し、吉凶の点数にはしません。
名前の由来は後の時代の説明
「どちらも四生だから勢いを頼む」といった説明は、原典には書かれていません。原典は名前を並べるだけで、理由を示していないのです。原典推命堂は、由来を「そう説明されることが多い」話として紹介するにとどめます。
自刑になる条件
自刑は同じ支が2つ並ぶと成立する、とするのが現代の一般的な読み方です。細かな条件は流派で分かれます。原典は「辰午酉亥は自刑の刑」と書くだけで、成立条件には決着をつけていません。
原典推命堂の相性判定では、2人の日支が辰・午・酉・亥のどれかで同じ支のとき、自刑として刑の側で扱います。ほかの支が同じときは、刑には数えません。そのうえで、「恃勢」「無恩」といった分類名は鑑定文に出しません。名前が鋭すぎて、人柄の断定として受け取られやすいからです。

まとめ
四柱推命の刑は、人間関係の行き過ぎ方を4つの名前で示した関係です。勢いを頼む、恩を忘れる、礼を欠く、自分を追い込む。名前は運命の宣告ではなく、先回りして教えてくれる注意書きのようなものです。
刑の影響を知るのは、怖がるためではなく備えるためです。次にやることは、自分の命式の4つの地支を並べ、刑の組み合わせを探してみることです。実際に確かめたい方は、無料鑑定で自分の地支を眺めてみてください。