- 命式を出し、日干の五行を確かめる
- 火なら戌・亥、水か土なら辰・巳を探す。金か木なら該当しない
- 年支・月支・日支・時支のどこかにその地支があれば、天羅または地網にあたる
GENTEN SUIMEIDO JOURNAL
四柱推命の天羅地網とは?「網にかかる」辰巳・戌亥の意味を原典から
天羅地網とは
天羅地網(てんらちもう)とは、辰・巳・戌・亥の4つの地支にまつわる、四柱推命の特殊星です。古くは凶星として数えられてきました。
天羅地網は、命式に並ぶ4つの地支と、日干の五行の組み合わせで判定します。四柱推命そのものの仕組みは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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天羅は戌と亥、地網は辰と巳です。ただし、この星がかかるのは日干が火・水・土の人だけで、金と木の人には関係がありません。
「羅」は鳥をとらえる網、「網」は魚をとらえる網のことです。天にも地にも網が張られて、逃げ場がないという意味の言葉です。
「羅」は目の細かい網で、薄い絹織物の「羅(うすもの)」も同じ字です。細かい網と大きな網で、上下をふさぐという絵が浮かびます。
上から鳥網、下から魚網中国語では今も、包囲網を敷くことを「天羅地網を張る」と言います。四柱推命の星としてより、慣用句としてのほうが知られた言葉です。
ただ、原典『淵海子平』がこの星に与えた定義は、もっと穏やかです。「暗くてはっきりせず、物事が決まらない」という意味だと書いています。
なお、戌亥天中殺とは別のものです。天中殺は日柱で決まる空いた2支、天羅地網は日干の五行で決まる網の2支です。詳しくはこちらの記事で紹介しています。
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天羅地網の条件と調べ方
日干の五行で決まる網
原典『淵海子平』の後半の記述をまとめると、天羅地網は次のとおりです。
| 日干の五行 | かかる網 | 地支 |
|---|---|---|
| 火(丙・丁) | 天羅 | 戌・亥 |
| 水(壬・癸)・土(戊・己) | 地網 | 辰・巳 |
| 金(庚・辛)・木(甲・乙) | なし | 天羅地網の説はない |
この割り当てには理屈があります。網になるのは、その五行が「墓」に入り「絶」える2つの地支です。
墓と絶は、十二運で勢いが収まり、途切れる段階を表します。火は戌で墓、亥で絶。水は辰で墓、巳で絶です。
つまり、十二運の墓と絶を知っていれば、火と水の行は覚えなくても引けます。土は、この篇では水と同じ扱いです。
金と木の墓と絶は、辰・巳・戌・亥には当たりません。だから原典は「金と木の人には天羅地網の説はない」と書いています。
天羅地網の人は珍しくない
天羅地網の条件に当たる人は、けっして珍しくありません。火・水・土の日干は、十干のうち6つを占めます。
網の地支も、年支・月支・日支・時支のどこか一つにあれば当たります。「めったにない不運の星」ではないことを、最初に知っておいてください。
自分の命式での調べ方
たとえば日干が丙で、日支が戌の人は天羅にあたります。日干が壬で、月支が巳の人は地網です。日干が甲なら、命式に辰や戌があっても天羅地網ではありません。
確かめ方
自分の命式で確かめたい方は、無料鑑定で日干と4つの地支を出せます。 当サイトの無料鑑定では、天羅地網は星として表示していません。出てきた命式を、上の表と見比べてください。
どの柱の五行で見るか
原典は「火の命の人」と書くだけで、どの柱の五行を基準にするかは明記していません。現代には、年干など別の柱で見る流儀もあります。
原典推命堂は、命式の主役である日干の五行で見る読み方で紹介しています。原典の「火の命の人」を、そのまま素直に読んだ形です。
辰・巳・戌・亥がどんな地支かは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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命式にあるときの読み方
「はっきりするまで時間がかかる」
原典は天羅地網を、「暗くてはっきりせず、物事が決まらない」状態だと説明しています。多くは物事が行き悩み、滞るとも書いています。
現代の言葉に置き換えるなら、白黒がつくまでに時間がかかる性質です。囲まれて動けない、という怖い読み方はしません。
見えないところで進む
網の地支は、五行が墓に入り絶える場所でした。表に出る前の、準備や仕込みの時間を表すとも考えられます。
裏返せば、すぐに答えの出ないことを抱えていられる力です。曖昧な状態に耐えられるのは、立派な持ち味です。
星一つで決めない
四柱推命の鑑定では、特殊星は命式を補う脇役です。天羅地網があっても、日干の強さや五行の釣り合いと合わせて見ます。
凶星という古い呼び名だけで、その人の運勢を決めることはしません。網は、ほどき方を知れば道具にもなるものです。
辰巳と戌亥は向かい合う
十二支を円に並べると、辰巳と戌亥はちょうど向かい合う位置にあります。辰と戌、巳と亥は、ぶつかり合う「沖」の組み合わせでもあります。
戌亥の方角は、「天門」とも呼ばれます。原典の別の篇にも、この言い方が出てきます。
天と地の網が、向かい合う二組に割り振られているのは面白いところです。沖については、こちらの記事で紹介しています。
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原典『淵海子平』の「論天羅地網」
天羅地網の記述は、四柱推命の原典『淵海子平』巻一「論天羅地網」にあります。わずか数行の短い一篇です。
五行が墓に入り絶える場所。暗くてはっきりせず、決まらないこと
漢文原文
辰為天羅,戌為地網,又為魁剛所占,天乙不臨之地也。向以見戌與亥為天羅,辰與巳為地網。凡火命人逢戌亥,是為天羅;水土命人逢辰巳,是為地網,乃五行墓絕處也,乃闇昧不明,不決之謂也。若金木生人,無天羅地網之說。男子忌之於天羅,女人忌之於地網,多主蹇滯,加惡殺必至死亡。
書き下し文
辰を天羅と為し、戌を地網と為す。又た魁剛の占むる所と為れば、天乙の臨まざるの地なり。向(さき)には戌と亥とを天羅と為し、辰と巳とを地網と為すを見る。凡そ火命の人、戌亥に逢ふは是れ天羅と為す。水土命の人、辰巳に逢ふは是れ地網と為す。乃ち五行の墓絶の処なり。乃ち闇昧にして明らかならず、決せざるの謂ひなり。若し金木の生人は、天羅地網の説無し。男子は之を天羅に忌み、女人は之を地網に忌む。多く蹇滞を主る。悪殺を加へなば必ず死亡に至る。
現代語訳
辰を天羅とし、戌を地網とする。また辰戌は魁剛(魁罡)の占める土地なので、天乙貴人が降りてこない場所である。これまでは、戌と亥を天羅、辰と巳を地網と見てきた。およそ火の命の人が戌亥に出会えばそれが天羅であり、水と土の命の人が辰巳に出会えばそれが地網である。これらは五行が墓に入り絶える場所であり、暗くてはっきりせず、物事が決まらないことを言う。金と木に生まれた人には、天羅地網という説はない。男は天羅を忌み、女は地網を忌む。多くは物事が行き悩み滞ることを表す。悪しき殺が加われば必ず死に至る。
見どころの一つは、天乙貴人が辰と戌に降りてこない理由を、ここでも書いていることです。辰と戌は魁罡の占める土地で、貴人は来ないという説明です。
天乙貴人の篇にも同じ説明があります。別々の神殺が、同じ理屈で結びつけられている珍しい例です。
辰と戌は、魁罡と天羅地網が重なる地支です。原典の神殺の世界で、とくに「濃い」地支と言ってよいでしょう。
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一つの段落で説が変わる
もう一つの見どころは、冒頭と後半で割り当てが違うことです。冒頭は辰を天羅、戌を地網とし、後半は戌亥を天羅、辰巳を地網とします。
後半は小さな字で添えた注で、「これまでは戌と亥を天羅、辰と巳を地網と見てきた」と書いています。二つの伝えがあることを、原典自身が書き残しているのです。
古典は一本の筋で書かれた教科書ではなく、いくつもの伝えを束ねた本です。短い一篇に、その継ぎ目がそのまま残っています。

原典と現代の天羅地網、ここが違う
天羅と地網の割り当ては割れている
現代の解説には、辰巳を天羅、戌亥を地網と逆に書くものもあります。原典の中でも冒頭と後半で説が分かれ、原典は決着をつけていません。
どの説を採るかで、同じ命式でも天羅と地網の呼び名が入れ替わります。四柱推命の本を読み比べるときは、どちらの割り当てかを確かめると混乱しません。
原典推命堂は、成立の条件まで書かれた後半の記述(戌亥が天羅、辰巳が地網)を紹介しています。
男女で分ける読み方は使わない
原典には、男性は天羅を、女性は地網を忌むという一文があります。当時の家のあり方を前提にした記述です。
これは原典の紹介にとどめます。現代の鑑定では、性別で読み方を分けません。
「死に至る」は当時の書き方
原典の結びには、悪い星が加われば死に至るという強い言葉があります。これは当時の書き方で、現代の鑑定では使いません。
原典は同じ巻で、日干が弱くてもそれだけで災いとはしないという言葉も引いています。一つの星で凶と決めつけないのが、原典に沿った読み方です。

まとめ
天羅地網は、物事がはっきりするまでに時間がかかることを表す星です。原典の定義は、名前の怖さよりずっと穏やかです。
天羅地網を知ったら、まずは四柱推命の命式を出してみてください。日干の五行と、辰・巳・戌・亥があるかどうかを見れば、答えはすぐにわかります。