本文へスキップ
原典推命堂原典をひもとく、四柱推命の読みもの
読みもの 記事

GENTEN SUIMEIDO JOURNAL

四柱推命の月徳貴人とは?月の徳の星の意味と調べ方、月徳合まで原典から

夜の寺院の反り屋根越しに浮かぶ満月

月徳貴人とは

月徳貴人(げっとくきじん)とは、生まれ月から出す「月の徳」の星で、難を和らげるとされる吉星です。四柱推命の特殊星(神殺)の一つで、天徳の星と対をなす星です。

月徳貴人になるのは、丙・壬・甲・庚の4文字だけです。どれも陽の天干で、地支は一つも使いません。四柱推命の吉星の中でも、かなり変わった顔ぶれの星です。

「月徳」は、もとは中国の暦注(暦に書き込む吉凶の注記)の言葉です。その月に天地の徳がどこへ下りているかを示しました。四柱推命では、生まれた月の徳を表す十干を見る星になりました。

丙・壬・甲・庚の4文字の星

天徳貴人と並ぶ「天月徳」

月徳貴人は、天徳の星と合わせて「天月徳(てんげつとく)」と呼ばれます。原典『淵海子平』でも、二つはたいていセットで登場します。

ただし引き方はまったく違います。天徳のほうは月ごとに十干と十二支が入り混じる12文字の表で、月徳貴人は4文字だけです。天徳貴人は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

あわせて読みたい
雲間から山並みに差しこむ天の光
四柱推命の天徳貴人とは?守られる徳の星の意味と調べ方を原典から

天徳貴人とは 天徳貴人(てんとくきじん)とは、生まれ月から出す「徳」の星で、難を和らげるとされる吉星です。四柱推命の特殊星(神殺)の一つで、困りごとが大ごとになりにくい星とされます。 天徳貴人は、命式 ...

続きを見る

四柱推命そのものの仕組みは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

あわせて読みたい
筆で漢字を書くイメージ(四柱推命とは)
四柱推命とは?生年月日から何がわかるのか、900年前の原典が語る仕組みをやさしく解説

四柱推命とは 四柱推命とは、生年月日と生まれた時間を暦の文字(干支)に置き換え、そこに並ぶ8つの文字の関係から、その人の性質と運勢の流れを読む占いです。中国で生まれ、日本でも長く親しまれてきた占いで、 ...

続きを見る

石灯籠の立つ穏やかな池と日本家屋

月徳貴人が命式にあるとわかること

四柱推命では、月徳貴人がある人は穏やかで人に疎まれにくく、難が和らぎやすいとされます。何かを呼び込む星ではなく、角を取り、こじれを防ぐ星という位置づけです。

月徳貴人の人の持ち味

  • 争わずに収める:敵を作らず、話をまとめる側に回りやすい
  • こじれにくい:困りごとが、小さいうちに片付きやすい
  • 誠実さで評価される:派手さより、積み重ねた信用が土台になる

裏返すと、争いを避けるぶん、押すべき場面で引いてしまう面もあります。波風を立てないことが目的になりやすいので、譲れない一線は先に決めておくと安心です。

日干にある月徳貴人がいちばんとされる

月徳貴人は十干の星なので、年干・月干・日干・時干のどこにあるかを見ます。柱ごとの読み分けは現代の一般的な解釈ですが、日干だけは原典に句があります。

  1. 年干:家や生まれ育った環境の側に守りがある
  2. 月干:職場での調整役。まとめ役を任されやすい
  3. 日干:原典が「日に見えよ」と書いた位置。気質が穏やか
  4. 時干:年を重ねてからの暮らしや、次の世代との縁が穏やか

中でも原典は、月徳貴人が日干にあるのがよいと書いています。四柱推命で日干は、命式を読む起点になる文字です。

日干は命式の主人公、つまりあなた自身です。守りが自分の中にある形がいちばん、という発想です。

月干の月徳貴人は、社会での顔に表れやすい配置です。月柱の意味は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

あわせて読みたい
紅葉と山々を描いた淡彩の東洋画
四柱推命の月柱とは?意味と読み方、月柱でわかる仕事や社会での顔

月柱とは 月柱(げっちゅう)とは、四柱推命の命式に並ぶ4本の柱のうち、生まれた月の干支2文字を指します。上の字が月干(げっかん)、下の字が月支(げっし)です。命式では、年柱の隣の2本目に置かれます。 ...

続きを見る

悪い形の角を取る星

原典の巻四には、ある組み合わせを救う句があります。正官と七殺が入り混じる形でも、天徳・月徳に出会えば地位が上がるという趣旨です。正官と七殺の同居は、方向が定まらず迷いやすい形として原典が警戒するものです。

つまり月徳貴人を含む二徳は、良いことを足す星ではなく、悪い形の角を取る星です。ただし「地位が上がる」は当時の出世観による言い方で、現代の鑑定で地位を断定することはしません。

月徳貴人がない命式

月徳貴人の候補は4文字しかないので、ない命式は珍しくありません。四柱推命では、星がないことにも過剰な意味を持たせません。

候補が少ないぶん、持っていないのは弱点ではなく、生まれ月の巡り合わせです。また、大運(10年ごとの運)や年の運で丙・壬・甲・庚が巡る時期もあります。

冬枯れの木を映しこむ水晶玉

月徳貴人と月徳合の調べ方と早見表

月徳貴人の調べ方は、命式の月支から三合の局をたどるだけです。月支は節入りの日で切り替わる月の十二支で、寅の月は立春から始まります。

三合とは、4つずつ離れた3つの地支が組んで、一つの五行のまとまりをつくる関係です。寅・午・戌なら火、申・子・辰なら水のまとまりで、これを「局」と呼びます。

月支(生まれ月)三合月徳月徳合
寅・午・戌火局丙辛
申・子・辰水局壬丁
亥・卯・未木局甲己
巳・酉・丑金局庚乙
  1. 命式を出し、月柱の下の字(月支)を確かめる
  2. 月支が入る局から、月徳の1文字を引く
  3. 4つの柱の上の字(天干)に、その文字があれば成立
  4. 日干にあれば、原典がいちばん良いとする形

たとえば午の月(6月上旬〜)生まれなら、寅・午・戌の火局で、月徳は丙です。日干が丙の人は、原典がいちばん良いとする形にあたります。探すのはいつも上の字だけなので、天徳の星より調べやすいのも特徴です。

三合の仕組みは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

あわせて読みたい
干支の動物が円く彫られた古代中国の銅鏡
四柱推命の三合とは?合局と局全、5つの局の意味と命式・相性での読み方

三合とは 四柱推命の三合(さんごう)とは、同じ「局(きょく)」の仲間に当たる十二支どうしの関係です。局とは、十二支が集まって1つの五行にまとまった形のことです。局は水・木・火・金・土の5つあります。 ...

続きを見る

月徳は局の五行を代表する陽の干

丙は火、壬は水、甲は木、庚は金の、それぞれ陽の十干です。月徳貴人は、生まれ月の局の五行を代表する陽の干をそのまま取っています。

土の戊・己は、月徳貴人になりません。原典の月徳の表は、生まれ月を木・火・金・水の4つの局に分けて引くためです。四柱推命の神殺の中でも、理屈がいちばんすっきりしている星の一つです。

月徳合とは

月徳合は、月徳の文字と干合する相手の十干を取る星です。干合とは、甲と己、丙と辛のように、十干が2つずつ結びつく関係です。

丙の相手は辛、壬は丁、甲は己、庚は乙で、表のとおりです。現代の解説では、縁を通じて間接的に守られる星とされます。

まず命式を出してみる

月徳貴人を調べるには、4つの柱の天干がわかる命式が必要です。 当サイトの無料鑑定は、この表どおりに月徳貴人を表示します。月徳合は表示していないので、上の表で確かめてください。自分の命式で確かめたい方は無料鑑定でどうぞ。

升目の紙に手書きされた漢字

原典『淵海子平』が書いた月徳貴人

上の表は、原典『淵海子平』巻一「論月德貴人」が出どころです。短い篇ですが、成立表のあとに、使い方の指示が二つ入っています。

原典『淵海子平』巻一「論月德貴人」(YHE-J1-030)

月徳はやはり日干に見えるのがよい

漢文原文

寅午戌月在丙;申子辰月在壬;亥卯未月在甲;巳酉丑月在庚。 其法從寅上起,丙甲壬庚,逐日順數,周而復始,亦須在日上見之,更有福神助為吉。

書き下し文

寅午戌の月は丙に在り、申子辰の月は壬に在り、亥卯未の月は甲に在り、巳酉丑の月は庚に在り。其の法は寅の上より起こし、丙・甲・壬・庚、日を逐ひて順に数へ、周りて復た始まる。亦た須く日上に之を見るべし。更に福神の助け有らば吉と為す。

現代語訳

寅午戌の月に生まれた人の月徳は丙、申子辰の月なら壬、亥卯未の月なら甲、巳酉丑の月なら庚。引き方はこうだ。寅の上から起こして、丙・甲・壬・庚を日を追って順に数え、一巡したらまた最初に戻る。やはり日干のところに出ているのがよい。さらに福神の助けがあれば吉である。

寅から順に数える覚え方

原典は表のほかに、寅から丙・甲・壬・庚を順に配る数え方も添えています。原文は「日を逐ひて」と書いていて、何を1つずつ進めるのかははっきりしません。十二支の順に配ると、寅は丙、卯は甲、辰は壬、巳は庚、午でまた丙に戻ります。

4つずつ繰り返すと、結果は局ごとの表とぴったり一致します。表を覚えなくても、寅から指で数えれば引けるという工夫です。

「日上に見よ」と位置まで書いた星

一つめの指示は、「やはり日干に出ているのがよい」という位置の指定です。星の起例で、どの柱にあるとよいかまで書いた例は多くありません。天乙貴人も駅馬も、そこまでは書いていません。

二つめは、「さらに福神の助けがあれば吉」という一文です。福神はほかの吉星のことで、月徳ひとつで決め手にせず、組み合わせで見よという原典の姿勢が表れています。

吉星と凶星を含む特殊星の全体像は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

あわせて読みたい
星々と十二の星座を円く描いた古い天文図
四柱推命の特殊星(神殺)とは?吉星・凶星の意味と調べ方、原典の本当の扱い

四柱推命の特殊星(神殺)とは 四柱推命の特殊星(とくしゅせい)とは、命式の天干と地支の決まった組み合わせに、名前をつけた星です。古くは「神殺(しんさつ)」と呼ばれ、天乙貴人・駅馬・羊刃などがその代表で ...

続きを見る

灯りのそばに積まれた古い書物

原典と現代の月徳貴人、ここが違う

天徳との役割分担は原典にない

現代の四柱推命の解説には、「天徳は生まれ持った守り、月徳は後から得る守り」といった区別があります。原典は二つを「天月徳」とまとめて使い、役割の違いを説明していません。原典推命堂は区別を立てず、どちらも難を和らげるとされる古典の吉星として解説しています。

月徳合は篇があるのに意味がない

原典は巻一に「論月德合」という独立の篇を立てています。月徳貴人と同じく、生まれ月の地支から引く星です。

ところが中身は成立表だけで、意味は一言も書いていません。現代の「間接的な守り」という読み方は、後の時代の解釈です。

原典推命堂は、この合の星を無料鑑定に表示する星には入れず、追加の候補として記録しています。天徳には合の篇そのものがなく、二徳のうち「合」の篇を持つのは月徳だけです。

枯れ枝の向こうに昇る秋の満月

まとめ

月徳貴人は、生まれ月の三合から出す、丙・壬・甲・庚の4文字だけの星です。原典は、日干に出ているのがよいと位置まで書き残しています。

次にやることは、自分の命式の月支から局をたどり、4つの柱の上の字を見比べることです。日干に月徳があれば、原典がいちばん良いとする形です。


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA