- 決めたら迷わない、動き出しの速さ
- 追い込まれるほど冴える、頭の回転
- 厳しい環境でも折れにくい、芯の強さ
- 裏返すと、せっかちで周りとぶつかりやすい
GENTEN SUIMEIDO JOURNAL
甲申(きのえさる)の性格と特徴|日柱が甲申の人を四柱推命の原典から
日柱が甲申(きのえさる)の人とは
日柱が甲申(きのえさる)の人とは、生まれた日の干支が「甲申」の人を指します。甲申は六十干支の21番目の干支で、上に甲(きのえ)、下に申(さる)が並びます。
四柱推命で日柱は、命式の8文字のうち本人そのものを表す2文字です。甲申の骨組みを、まず表で確かめてみましょう。
| 項目 | 甲申の基本データ |
|---|---|
| 読み | きのえさる |
| 六十干支の順番 | 21番目 |
| 天干(上の字) | 甲=陽の木 |
| 地支(下の字) | 申=陽の金 |
| 五行の関係 | 金剋木(地支の金が天干の木を剋す) |
| 日支の蔵干 | 戊・壬・庚(甲から見て偏財・偏印・偏官) |
| 十二運(日干甲から見た申) | 絶 |
| 空亡(天中殺) | 午・未 |
| 日柱の特殊星 | なし |
甲申の姿
甲申を絵にするなら、硬い岩山の上にまっすぐ立つ大木です。現代の四柱推命では、十干の甲は天に向かって伸びる大木、十二支の申は秋口の硬い金属や岩にたとえられます。ただし原典の十干の詩は、甲をもとから枝や葉や根を持たない木とし、切り出して棟や梁にする材木として詠んでいます。
五行では、足元の金が上の木を切る「金剋木」の関係です。四柱推命では、下の字が上の字を剋す組み合わせにあたります。
陰陽は、甲も申も陽です。申は十二支の9番目で、季節では立秋から白露の前まで、暑さの中に秋が始まる時期にあたります。
甲申は、六十干支を10ずつに分けた組の三つ目の先頭でもあります。六十干支の並び方は、こちらの記事で紹介しています。
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甲申の性格と持ち味
ここからの性格は、原典に書かれた内容ではなく、現代の四柱推命で一般に使われている読み方です。大木の甲と、硬い金の申を重ねて見ていきます。
甲の大木:曲がらずに上へ伸びる
甲は、十干の最初に置かれた木です。まっすぐで正直、決めた方向へ伸びていくのが甲の性格とされます。
甲申の人も、目標を決めたら迷わず動き出すタイプです。考えるより先に体が動く、行動の速さが持ち味です。
申の金:刃物のような切れ味
申は、夏の火で鍛えられた金にあたります。原典の十二支の詩も、申を火の炉で剣になる金と詠んでいます。判断が鋭く、要らないものをすっぱり切り捨てられるのが申の持ち味です。
大木の足元に、刃物がある。いつも少しの緊張を抱え、そのぶん頭が冴えるのが、甲申の性格の特徴です。
足元の斧が、水を通して力に変わる
申の蔵干は戊・壬・庚で、日干の甲から見ると偏財・偏印・偏官です。本気の庚が、自分を切る七殺(偏官)にあたります。
ただし申の中には、水の壬も入っています。金は水を生み、水は木を育てます。プレッシャーが知恵に変わって自分に戻る道が、最初から足元に用意されています。
七殺の力が印を通って自分を助ける流れを、四柱推命では殺印相生(さついんそうせい)と呼びます。甲申は、その芽を一つの支の中に持つ干支です。
甲申の持ち味
弱点は、急ぎすぎることです。先に動いてしまうぶん、周りへの説明が後回しになりやすいところがあります。
性格を日柱から読むときの考え方は、こちらの記事で基本から紹介しています。
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甲申の恋愛・仕事・相性
恋愛:尊敬できる相手と、背筋の伸びる関係
日支は、原典の時代には男性の命式で妻を見る場所とされていました。今の鑑定では、男女どちらでもパートナーを映す場所として読み替えます。
甲申はその席に、七殺と偏印を抱えています。なれ合いより、互いに高め合える相手にひかれやすいとされます。恋愛にも、仕事と同じ真剣さを持ち込むタイプです。
知識や考え方に一目置ける人と出会うと、甲申の恋愛は一気に動きます。反対に、刺激のない関係には物足りなさを感じやすい傾向です。
仕事:緊張感のある現場で力を出す
七殺は、責任や重圧、勝負どころを表す星です。甲申の仕事は、専門技術や危機対応、交渉の最前線のような場面が向くとされます。
偏印は、ひらめきや専門知識を表します。人と違う角度から考え、すばやく決める場面で、甲申の力は生きます。
相性:金の刃をやわらげる相手
相性を見るときは、まず二人の五行がどう補い合うかを確かめます。甲申は足元の金が強い干支です。金の力を水に流して木へ回す水の人や、金をやわらげる火の人が支えになりやすいとされます。
ただ、原典には、二人を比べて相性を決める章がありません。原典推命堂でも五行の関係は入口の目安にとどめ、最終的には二人の命式全体を見比べます。

甲申の十二運「絶」と空亡(天中殺)・特殊星
十二運は絶:一度途切れて、切り替わる
日干の甲から見た申は、十二運の「絶」です。この十二運とは、日干の気が十二支を巡るうちに強まり、弱まっていく様子を12の段階に分けたものです。
陽の干の甲は、亥で長生を迎え、順に進んで10番目の申で絶にあたります。絶は、それまでの気がいったん途切れ、次の命を待つ段階です。
現代の四柱推命では、絶は執着が少なく、切り替えが早い段階とされます。一度ゼロに戻れるからこそ、新しい方向へ身軽に踏み出せるのが甲申らしさです。
絶という段階の意味は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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空亡(天中殺)は午・未
空亡は、10の十干を12の十二支に当てたとき、相手のいない二つの十二支です。甲申は、自分の名を冠した甲申旬(甲申から癸巳までの10の干支)の先頭です。この組の空亡(天中殺)は午と未で、甲申の人も午・未が空亡にあたります。
一つ前の組では、申と酉が空亡でした。前の組で空いていた申が、次の組の先頭に座る。空亡の組の切り替わりが、甲申にはよく表れています。
特殊星:該当なし
甲申には、日柱の2文字で決まる特殊星がありません。当サイトの無料鑑定でも、甲申の日柱だけで表示される星は出ません。
原典が甲申を名指しする箇所はいくつかありますが、どれも星ではなく文章の一節です。中身は次の章で見ていきます。
甲申の日に生まれたかどうかは、無料鑑定で命式を出して確かめてみてください。

原典『淵海子平』に見る甲申
宋の徐升が編んだと伝えられる『淵海子平』の巻四は、十干の一つひとつに詩を添えています。先頭に置かれた甲の詩には、木と金の関係をそのまま詠んだ一句があります。
切られて棟梁になれば、金は役に立つ
漢文原文
甲木天干作首排,原無枝葉與根荄;欲存天地千年久,直向沙泥萬丈埋。斷就棟樑金得用,化成灰炭火為災;蠢然塊物無機事,一任春秋自往來。
書き下し文
甲木は天干の首に排せられ、原より枝葉と根荄と無し。天地に千年の久しきを存せんと欲せば、直ちに沙泥に向かひて万丈に埋まる。断じて棟梁と就れば金は用を得、化して灰炭と成れば火は災ひと為る。蠢然たる塊物、機事無く、一に春秋の自ら往来するに任す。
現代語訳
甲の木は十干の先頭に並び、本来は枝も葉も根もない。天地に千年残ろうとするなら、砂や泥の奥深くにまっすぐ埋まる。切られて棟梁になれば金(斧)が役に立ち、燃えて灰や炭になれば火が災いになる。鈍重なひとかたまりで小細工をせず、春秋が巡るのに身を任せている。
注目したいのは、「切られて棟梁になれば、金が役に立つ」という一句です。甲の木は切り出されてはじめて、家を支える柱や梁になれます。
甲申は、まさに足元に斧を持って生まれた甲の木です。原典の目で見ると、金は甲を傷つけるだけの相手ではなく、甲を使える材木に仕上げる道具でもあります。
同じ庚が「殺」にも「官」にもなる
原典の巻二は、偏官を論じる篇の中で、日支に七殺を持つ七つの日を挙げます。甲申はその筆頭で、評は「性急伶俐、心巧聰明」(せっかちで利発、心が巧みで聡明)です。
これは星の名ではなく、偏官という星をどう読むかを述べた一節です。甲申の動き出しの速さや頭の冴えは、この評に通じます。
一方で巻三は、甲申を財と官を足元に持つ「坐下の財官」の日に数え、富貴の日としています。
同じ申の庚を、ある篇は「殺」、別の篇は「官」と呼んでいます。一つの干支を一つの評価に閉じこめない、原典の書き方がよく表れています。
庚寅と禄を預け合う干支
原典には、甲申と庚寅の一組を、互いの禄を持ち合う「交禄」として挙げる箇所もあります。甲の禄の寅は庚寅に、庚の禄の申は甲申にあります。
天干では庚が甲を剋し、地支では寅と申がぶつかる間柄です。それでも禄だけは交換している点に、この組み合わせの味わいがあります。
交禄の詳しい話は、こちらの記事で紹介しています。
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原典と現代の甲申、ここが違う
甲申の性格は、原典には書かれていない
原典は、甲申の日の人をひとりの人物として描いてはいません。性格に触れるのは、七殺の篇にある七日共通の一句だけです。原典推命堂では、甲申の性格を命式を読み始めるための足場として紹介しています。
絶は「おしまい」の意味ではない
絶の字から、縁が切れる、運が尽きると説明する解説もあります。原典の絶は、気が途切れて次の胎へ向かう段階の名前です。原典推命堂では、絶を切り替えと出直しの力として扱います。
殺か、官か
原典は同じ庚を、篇によって殺とも官とも呼んでいます。どちらが正しいかの決着はつけていません。原典推命堂では、陽の甲と陽の庚という組み合わせに従い、甲から見た庚を偏官(七殺)として扱います。
甲申の人は、命式に水や火がどれだけあるかを見てみてください。足元の斧が、材木を仕上げる道具になるか、ただの刃になるかの分かれ目が見えてきます。