- 相手に寄り添う、やわらかな人当たり
- 人の好意や知識を素直に受け取る力
- 一度結んだ縁を長く保つ情の深さ
- 裏返すと、周りに流されて自分で決めにくい
GENTEN SUIMEIDO JOURNAL
乙亥(きのとい)の性格と特徴|日柱が乙亥の人を四柱推命の原典から
乙亥(きのとい)とは
乙亥(きのとい)は、甲子から数えて12番目の干支です。日柱が乙亥の人とは、生まれた日の干支がこの2文字にあたる人を指します。
上の字は十干の乙(きのと)、下の字は十二支の亥(い)です。四柱推命では、日柱を命式の中の「自分の席」として読んでいきます。
| 項目 | 乙亥の基本データ |
|---|---|
| 読み | きのとい |
| 六十干支の順番 | 12番目 |
| 天干(上の字) | 乙=陰の木 |
| 地支(下の字) | 亥=陰の水 |
| 五行の関係 | 水生木(地支の水が天干の木を生む) |
| 日支の蔵干 | 甲・壬(乙から見て劫財・正印) |
| 十二運(日干乙から見た亥) | 死 |
| 空亡(天中殺) | 申・酉 |
| 日柱の特殊星 | 學堂(日干乙から見て日支の亥。当サイトの無料鑑定で表示。原典が木の學堂の手本とするのは己亥) |
乙亥のイメージ
乙亥は、深い水辺に根を下ろした草花です。乙はしなやかな草花やつる草、亥は冬の初めの深い水にたとえられます。 五行では水が木を育てる「水生木」の関係です。足元の水が、上の草花に絶えず潤いを送っています。
陰陽では、乙も亥も陰の字で、陰と陰が穏やかにそろった干支です。亥は十二支の最後で、季節は立冬から大雪の前まで、冬の入り口にあたります。
乙亥は、甲戌から始まる10日のまとまりの2番目です。六十干支がどう並ぶかは、こちらの記事で確かめられます。
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乙亥の性格と持ち味
この節で紹介するのは、今の鑑定で広く用いられている性格の見方です。草花の乙と、冬の水の亥を合わせて見ていきます。
乙の草花:人に寄り添ってのびる
乙は、ほかの木や垣根につるを絡めながら、上へ伸びていく草木です。一人で真っすぐ立つより、周りと関わりながら育つのが乙の性質とされます。
乙亥の人も、相手の気持ちに寄り添う、やわらかな人当たりの性格を持っています。場の空気を読み、自然に人の輪の中へ入っていけるタイプです。
亥の水:深く、静かに蓄える
亥は、山の奥の水源のような深い水です。表面は静かでも、底には多くのものを湛えています。
そのため乙亥の人は、情が深く、一度関わった人を長く大切にする性格とされます。受けた恩や人の言葉を、心の底にしっかり覚えているのも亥の水らしさです。
足元がまるごと味方
十二支の亥の中に隠れた干(蔵干)は、甲と壬の2つです。乙から見ると甲は劫財(仲間)、壬は正印(支え・学び)にあたります。
どちらも、日干の乙を助ける側の星です。乙亥は、人の好意や知識が自然と集まる、受け取り上手の干支とされます。
乙亥の持ち味
弱点は、支えが厚いぶん、流されやすいことです。頼れる人がいると、大事な決断まで人任せにしてしまうことがあります。
性格を日柱から読むときの土台は、こちらの記事にまとめています。
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恋愛・仕事・相性での乙亥
恋愛:安心できる居場所をつくる
乙亥の恋愛を知る鍵は、足元の亥の中身です。日支は原典では男性の命の「妻の座」でしたが、今は男女どちらにとってもパートナーの席と見ます。
乙亥の日支には、財や官の星が一つも入っていません。あるのは仲間の劫財と、支えの正印です。そのため恋愛でも、駆け引きより安心感を大切にするとされます。
恋人を家族や親友のように包み込むのが、乙亥の恋愛のかたちです。一方で、相手に合わせすぎて本音を飲み込むことがあるので、気持ちを言葉にする習慣が関係を支えます。
仕事:学びと仲間が力になる場で
正印は学問や資格、知識を吸収する力を表す星です。乙亥の仕事は、教育、研究、医療や福祉、相談の仕事のように、学びを人の役に立てる分野が向くとされます。
劫財もあるので、一人で抱えるより、チームで動くほうが力を出せます。信頼できる仲間に囲まれると、乙亥の持ち味はぐんと伸びます。
相性:水を足す相手より、根を留める相手
四柱推命で乙亥の相性を考えるときは、命式の水が多くなりすぎないかを見ます。乙亥はもともと足元に水を持つので、さらに水の多い相手とは、二人で漂いがちとされます。
草花の根を落ち着かせる土や、日だまりのように温める火を持つ相手は、乙亥にとって相性のよい存在です。
ただし、日柱の五行で相手を選ぶ決まりは、原典のどこにもありません。乙の詩が水を恐れるのも、乙という干の話です。原典推命堂では、二人の命式にある水と火の量を実際に数えて判断します。

乙亥の十二運「死」と特殊星・空亡
十二運は死:動きが静まる段階
日干の乙から見た亥は、十二運で「死」にあたります。十二運とは、日干の勢いの満ち引きを、誕生から次の命までの12の名前で表したものです。
死という名前は、寿命や健康の予告ではありません。勢いの動きが止まり、外へ動き回るより、考えを深める段階を指します。現代の四柱推命では、静かな集中力や探究心の段階とされます。
陰陽のうち陰の干である乙は、十二運を午の長生から逆回りにたどり、亥で死に至ります。一方、同じ木でも陽の甲にとって、亥は生まれ出る長生の場所です。乙が静まる場所で、甲が生まれるという入れ替わりがここにあります。
十二運の死を、原典がどう位置づけているかはこちらの記事で紹介しています。
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特殊星:日支の亥が「學堂」
學堂(がくどう)は、学びや知性を表す特殊星です。原典は、木の人の學堂を亥としています。
乙亥は日支にその亥を持つので、当サイトの無料鑑定でも學堂貴人を表示します。足元の正印と合わせて、学びの星が二重にそろった日柱です。知りたいことをとことん調べる性格とも、よく重なります。
ただし原典が木の學堂の手本に挙げるのは己亥で、乙亥は手本の形ではありません。學堂の出し方は、こちらの記事で紹介しています。
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乙亥が属するのは、甲戌で始まる旬(10日のまとまり)です。空亡(天中殺)は旬ごとに決まり、ここでは申と酉です。
ポイント
乙亥の日に生まれたかは、命式を出して日柱の2文字を見れば一目でわかります。自分の命式で確かめたい方は、無料鑑定でどうぞ。

原典『淵海子平』に見る乙亥
宋の徐升の編と伝えられる古典『淵海子平』は、巻四で十干を一つずつ詩に詠んでいます。乙の詩には、乙亥にそのまま当てはまる一句があります。
乙の木が最も恐れるのは、水に浮き流されること
漢文原文
乙木根荄種得深,只宜陽地不宜陰;漂浮最怕多逢水,刻斷何當苦用金。南去火炎災不淺,西行土重禍尤侵;棟樑不是連根木,辨別工夫好用心。
書き下し文
乙木は根荄、種うること深きを得、只だ陽地に宜しくして陰に宜しからず。漂浮は最も水に逢ふこと多きを怕れ、刻断は何ぞ当に苦ろに金を用ふべけんや。南に去れば火炎じて災ひ浅からず、西に行けば土重くして禍尤も侵す。棟梁は是れ根に連なる木にあらず、弁別の工夫、好く心を用ふべし。
現代語訳
乙の木は根を深く植える。日の当たる場所がよく、日陰はよくない。水が多すぎて浮き流されるのを最も恐れ、刻んだり切ったりするのに金を使われるのはつらい。南(火)へ行けば燃えて災いが浅くなく、西へ行けば土が重くて禍がなおひどい。棟や梁になるのは根のつながった生きた木ではないので、見分けに心を配るように。
「水が多すぎて浮き流されるのを最も恐れる」。水は乙を育てますが、多すぎれば根が浮いてしまうという警告です。
乙亥は、生まれつき足元に水を持つ乙です。支えの厚さは、乙亥の強みであり、同時に流されやすさの出どころでもあります。命式全体の水の量が、乙亥の性格の出方を左右します。
亥の詩は、温もりを求める
同じ巻四の十二支の詩は、亥を雨や雪が寒さを生む、陰の極まった場所と詠みます。そして、午の暖かさを待ってはじめて土が生きる、と続けます。
冷たい水の上の草花には、日の光の温もりが欠かせない。乙の詩の「日の当たる場所がよい」と、亥の詩が同じ方向を向いています。
「財官を持たない日」という分類
原典の巻三には、日支(下の十二支)の中身で干支を分ける一節があります。そこで乙亥は、日支に財も官も持たない干支の一つに数えられています。
原典はそこから、居所が一つに定まらず、東西南北どこでも我が家になると書きました。現代の感覚で言えば、どこへ行っても自分の居場所をつくれる人です。
六十干支の13番目は丙子です。冬の水の上に、太陽の火が昇る干支です。
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丙子(ひのえね)の性格と特徴|日柱が丙子の人を四柱推命の原典から
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原典と現代の乙亥、ここが違う
乙亥の人柄は、現代の読み方
寄り添う、情が深いといった乙亥の人物像は、現代の鑑定の言葉です。原典は乙と亥をそれぞれ詩に詠み、財官の有無で分類しましたが、乙亥の日の人柄は描いていません。原典推命堂では、性格の話を命式を読み進める最初の一歩として紹介しています。
「死」は寿命の話ではない
原典は十二運の死を、衰・病と一続きの、勢いが静まっていく流れとして扱っています。原典推命堂では寿命や健康とは結びつけず、死を「動より静」の段階の名前として扱います。
家族の縁を断じる一句は使わない
巻三の同じ句には、配偶者や子の縁が実を結びにくいという断定も並んでいます。財を妻、官を子とみた当時の家制度の言葉です。現代ではパートナーや家族と読み替えますが、原典推命堂ではこの部分を鑑定に使いません。
乙亥の人が命式を出したら、最初に確かめたいのは水の字がいくつあるかです。根を浮かせるほど多いのか、ちょうどよい潤いなのかが見えてきます。