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原典推命堂原典をひもとく、四柱推命の読みもの
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GENTEN SUIMEIDO JOURNAL

四柱推命の十悪大敗日・四廃日とは?物騒な名前の凶日の意味を原典から

重い雲が垂れこめる空の下に建つ古い中国の楼閣

十悪大敗日・四廃日とは

十悪大敗日(じゅうあくたいはいび)と四廃日(しはいび)は、四柱推命の特殊星です。どちらも生まれた日の干支(日柱)で判定する星で、原典では凶とされる日(凶日)として載っています。

十悪大敗日は、甲辰・乙巳など10の日が該当します。四廃日は、生まれた季節と日の干支の組み合わせで決まる4つの日です。

「十悪」は十の悪しきもの、「大敗」は大きく敗れることを思わせます。四柱推命の星の中でも、とびきり物騒な名前です。

ところが中身をのぞくと、印象が変わります。原典『淵海子平』は、どちらにも五行の勘定にもとづく淡々とした理屈を添えています。

名前は強烈、中身は五行の勘定

さらに原典は、この二つの星を使いすぎないよう、自分で条件を付けています。この記事では、該当する日柱と仕組み、そして原典の本当の扱いを紹介します。

四柱推命そのものの仕組みは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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十悪大敗日と四廃日になる日柱

十悪大敗日の10の日柱

十悪大敗日にあたる日柱は、次の10通りです。

日柱日干の禄その旬の空亡
甲辰寅寅・卯
乙巳卯寅・卯
壬申亥戌・亥
丙申巳辰・巳
丁亥午午・未
庚辰申申・酉
戊戌巳辰・巳
癸亥子子・丑
辛巳酉申・酉
乙丑卯戌・亥

原典が挙げる理屈は「禄が空亡に入る」です。禄とは、日干がもっとも力を持つ十二支のことで、暮らしの糧や持ち場を表します。

空亡は、六十干支を10ずつ区切った「旬」に入れてもらえない2つの十二支です。天中殺とも呼ばれます。

つまり十悪大敗日は、自分の持ち場が、その旬では空席になっている日です。たとえば甲辰の日は、甲の禄である寅が空亡にあたります。

原典が「倉庫の金銀が塵に変わる」とまで書いたのは、禄が暮らしの糧を表すからです。糧の置き場所が空っぽになっている、という発想です。

空亡(天中殺)の仕組みは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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10日のうち1日だけ理屈が合わない

表を見比べると、9つは理屈どおりに禄が空亡に入っています。ところが乙丑だけは、乙の禄の卯が空亡の戌・亥に入りません。

原典は「ほかもこれに倣え」と流していて、この例外には触れていません。古い日取りの一覧に、後から理屈を付けた継ぎ目かもしれません(これは筆者の推測です)。

吉星と重なる干支もある

十悪大敗日の庚辰と戊戌は、強さの星とされる魁罡の干支でもあります。庚辰は、吉星の日徳にも数えられます。

同じ干支が、吉とされる神殺にも凶とされる神殺にも入るのです。星の名前だけで人を判断できない理由が、ここにも表れています。

禄そのものについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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四廃日の4つの組み合わせ

四廃日は、生まれた季節と日の干支がそろったときに成立します。

生まれた季節季節の五行力を失う五行該当する日
春(寅・卯・辰の月)木金庚申
夏(巳・午・未の月)火水壬子
秋(申・酉・戌の月)金木甲寅
冬(亥・子・丑の月)水火丙午

「廃」は壊れることではなく、囚われて使えない状態を指します。春は木が主役なので、金は出番を失うという考え方です。

たとえば春生まれで庚申の日に生まれた人は、四廃日にあたります。同じ庚申でも、夏や秋の生まれなら該当しません。

五行の季節ごとの強さは、旺・相・休・囚・死の5段階で表します。原典は「廃」を囚死と呼びます。春の金のように、季節に囚われて力を失った状態です。

季節で五行の力が変わるこの考え方は、四柱推命で日干の強さを見るときの土台にもなっています。

面白いのは、4つの日がどれも上下同じ五行の、いちばん純粋な形だという点です。もっとも強いはずの形が、もっとも力を出せない季節に置かれた日、それが四廃日です。

占いの卓に置かれた水晶玉に両手をかざす占い師の手元

命式にあるときの読み方

自分の命式での調べ方

  1. 命式を出し、日柱を確かめる
  2. 上の10の干支のどれかなら、十悪大敗日にあたる
  3. 生まれた月の十二支で季節を確かめ、四廃日の表と見比べる

十悪大敗日は日柱だけ、四廃日は季節と日柱のセットで見ます。年柱や月柱に同じ干支があっても、該当とはしません。

確かめ方

自分の命式で確かめたい方は、無料鑑定で日柱と生まれた月を出せます。 当サイトの無料鑑定では、十悪大敗日と四廃日は星として表示していません。出てきた命式を、上の表と見比べてください。

十悪大敗日は「持ち場が動きやすい」

現代の言葉に置き換えるなら、十悪大敗日は持ち場が動きやすい性質です。「ここが自分の場所」と決めたところが、状況で変わりやすいという意味です。

裏返せば、一つの場所に縛られない身軽さです。貯め込むより、動かして生かす形に向くとも言い換えられます。

四廃日は「置き場所を選ぶ」

四廃日は、持ち味と環境がかみ合いにくい性質と言い換えられます。力がないのではなく、力を出す場が合っていないという話です。

言い換えれば、自分に合う場所を選ぶ効果が大きい星です。純粋な形なので、持ち味そのものははっきりしています。

星一つで決めない

ここまでの言い換えは原典にはない、現代の読み方です。四柱推命の鑑定では、特殊星は命式を補う脇役です。どちらの星があっても、日干の強さや五行の釣り合いと合わせて見ます。

生まれた日が表す性格については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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原典『淵海子平』の十悪大敗日と四廃日

二つの星は、四柱推命の原典『淵海子平』巻一に並んで載っています。まずは十悪大敗日の一節です。

原典『淵海子平』巻一「論十惡大敗日」(YHE-J1-052)

日柱で見たときだけがそれである。吉神が助ければやや吉

漢文原文

甲辰乙巳與壬申,丙申丁亥及庚辰,戊戌癸亥加辛巳,乙丑都來十位神。 邦國用兵須大忌,龍蛇出穴也難伸,人命若還逢此日,倉庫金銀化作塵。 十惡者,凶也。大敗者,怯敵也。謂六甲旬中,有十個日值祿入空亡,此十日謂之大敗,故曰十惡大敗。命中犯者,當以日主見之方是。其餘見之,未可便作十惡論。若有吉神扶之稍吉。何以謂之祿入空亡?如甲辰、乙巳者,甲以寅為祿,乙以卯為祿,是甲辰祿以寅卯為空,必此為祿入空亡,是以敗也。壬申者,壬以亥為祿,甲子旬以亥為空亡,是以敗也。餘皆仿此。

書き下し文

甲辰・乙巳と壬申、丙申・丁亥及び庚辰、戊戌・癸亥に辛巳を加へ、乙丑、都て十位の神来たる。邦国、兵を用ふるには須らく大いに忌むべし。龍蛇、穴を出づるも也た伸び難し。人の命、若し還た此の日に逢はば、倉庫の金銀、化して塵と作る。十悪とは、凶なり。大敗とは、敵に怯むなり。謂ふこころは、六甲の旬中に、十個の日の祿の空亡に入るに値たる有り。此の十日を之れ大敗と謂ふ。故に十悪大敗と曰ふ。命中に犯す者は、当に日主を以て之を見るを方めて是と為すべし。其の余これを見るも、未だ便ち十悪の論と作すべからず。若し吉神の之を扶くる有らば稍や吉なり。何を以て之を祿の空亡に入ると謂ふや。如し甲辰・乙巳なる者は、甲は寅を以て祿と為し、乙は卯を以て祿と為す。是れ甲辰は祿の寅卯を以て空と為す。必ず此れを祿の空亡に入ると為す。是を以て敗るるなり。壬申なる者は、壬は亥を以て祿と為す。甲子の旬は亥を以て空亡と為す。是を以て敗るるなり。余は皆な此に倣へ。

現代語訳

甲辰・乙巳と壬申、丙申・丁亥と庚辰、戊戌・癸亥に辛巳を加え、乙丑。合わせて十の星がここに並ぶ。国が兵を動かすときは大いに避けるべき日である。龍や蛇が穴から出ても伸びることができない。人の命式にこの日があれば、倉庫の金銀が塵に変わる。「十悪」とは凶ということ。「大敗」とは敵に怯むということ。六十干支を十ずつに区切った旬の中に、十干禄が空亡に入ってしまう日が十日ある。この十日を大敗といい、だから十悪大敗と呼ぶ。命式でこれにあたるのは、日柱で見たときだけがそれである。ほかの柱で見えても、それを十悪と論じてはいけない。もし吉神が助けていれば、やや吉となる。どうして「禄が空亡に入る」と言うのか。たとえば甲辰・乙巳なら、甲の禄は寅、乙の禄は卯である。甲辰の旬では寅卯が空亡になる。これこそが「禄が空亡に入る」ということで、だから敗れるのである。壬申なら、壬の禄は亥で、甲子の旬では亥が空亡になる。だから敗れるのである。ほかもこれに倣え。

目を引くのは、「大敗」を「敵に怯む」と説明しているところです。国が兵を動かすときに避ける日ともあり、もとは戦の日取りを選ぶ暦の言葉だったことがうかがえます。

「龍や蛇が穴から出ても伸びられない」というたとえも印象的です。強い生き物でも、時が合わなければ動けないという意味です。

そして原典は、「日柱で見たときだけ」「吉神が助ければやや吉」と自分で範囲を絞っています。怖い名前の星ほど、原典の扱いは慎重です。

四廃日は季節と干支の組で見る

すぐ後の「論四廢日」で、原典は、死んだり囚われたりして使えないものを廃と呼ぶと説明しています。春は木が主役なので、金の庚が廃になる、という理屈です。

原典が挙げるのは、庚申・壬子・甲寅・丙午という、季節ごとの干支の組です。最後は「四季を分けて見てはじめて当たる」と結んでいます。

季節を外して干支だけで読まないよう、念を押しているのです。反対に吉日の星については、こちらの記事で紹介しています。

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原典と現代の十悪大敗日・四廃日、ここが違う

「金銀が塵になる」は当時の言葉

「倉庫の金銀が塵に変わる」「事を起こしても成らない」は、当時の価値観による強い断定です。原典の言葉として残しますが、現代の鑑定では使いません。

原典自身が「吉神が助ければやや吉」と書いています。一句だけ引いて凶星と決めつけないのが、原典に沿った読み方です。

暦の凶日と、命式の星は別の使い方

現代では、十悪大敗日を結婚や開業を避ける暦の凶日として紹介することがあります。一方、四柱推命で見るのは命式の中の生まれた日です。

原典は日取りの起源に触れつつ、命式では日柱に限って見よと明言しています。原典推命堂は、この二つの星を日取りの指南には使わず、原典の記録として紹介しています。

原典の条件を外した読み方

年柱や月柱にあっても十悪大敗とする読み方や、天干だけで四廃とする読み方があります。原典は、十悪大敗を日柱で見よと書き、四廃日は季節と4つの干支の組で示しています。

原典推命堂は、見る範囲を原典の条件どおりに絞る立場です。条件を広げるほど、怖い名前の星が当てはまる人も増えてしまうからです。

暗い枝から光を浴びて芽吹く若葉

まとめ

十悪大敗日と四廃日は、名前ほど怖くない、五行の勘定から生まれた星です。原典自身が、使いすぎるなと条件を付けています。

まずは四柱推命の命式を出して、日柱と生まれた季節を確かめてみてください。上の表と見比べれば、答えはすぐにわかります。


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